柚子 ー短編・中編ー
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#16 [柚子]

俺は首を横に振った。殴られたせいか、包帯で巻かれた頭部がズキズキと傷んだ。

「渚は?一緒にいた女性は無事なんですか?」

俺の質問に、刑事は意識はあると渋い顔で答えてから言葉を続けた。

⏰:09/06/28 12:31 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#17 [柚子]

「でも今は会わないほうがいいだろう」

「えっ?そんなに重症なんですか?」

「いや…体は元気だ。今はまだ検査中で結果は出ていないが、衣類の状態や体についている痣から暴行を受けた可能性が高いと我々は踏んでいる」

⏰:09/06/28 12:34 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#18 [柚子]

暴行というのが、レイプや強姦と言った単語と同類であることは俺にも理解できた。

「誰がそんな…」

俺が呟くと、刑事は大きなため息をついた。

⏰:09/06/28 12:35 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#19 [柚子]

「それを君が知っているんじゃないかと思って、意識が戻るのを待ってたんだ」

刑事の言葉に、俺は記憶の糸を辿ろうとしたが、頭に鈍い痛みを感じただけで、何も思い出せなかった。

「すいません…」

⏰:09/06/28 12:36 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#20 [柚子]

俺が謝ると、刑事は手を横に振った。

「いや、いいんだ。後ろから突然殴られたんだから、犯人の顔を見ていなくても仕方ない」

黙ったままの俺に、刑事は捜査についての簡単な説明をしてくれた。

⏰:09/06/28 12:37 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#21 [柚子]

「今はDNAとか指紋とか技術が発達しているから、きっと犯人の手がかりが見つかるはずだ」

必ず自分が犯人を捕まえてみせる、そんな強い口調だった。

「膣内に犯人の精子でも残っていればいいんだが…」

⏰:09/06/28 12:43 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#22 [柚子]

精子という言葉を口にした刑事は、すぐにハッとした顔で俺を見た。

「気にしないで下さい。覚悟はしてましたから。それにそんなことで彼女への気持ちは変わりませんから」

俺の言葉に、刑事は少しだけ笑顔を見せた。

⏰:09/06/28 12:47 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#23 [柚子]

「プロポーズするつもりだったんです」

そう言って俺は指輪を入れていたポケットを触った。

「…あれ?」

服は倒れた時のままなのに、ポケットに入れていたはずの指輪がなくなっていた。

⏰:09/06/28 12:50 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#24 [柚子]

「どうしました?」

刑事が心配そうに俺を見ていた。

「いや…指輪が…あの海でプロポーズするつもりでポケットに入れていたんですけど…」

⏰:09/06/28 12:50 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#25 [柚子]

「現場にいる刑事に聞いてみます。他になくなった物は?」

手帳に何か書き込みながら刑事はそう訊ねた。

「他は…あ…」

⏰:09/06/28 12:56 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


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