柚子 ー短編・中編ー
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#1 [柚子] 09/06/28 12:05
#87 [柚子]
段ボールは昨日のうちに、車に積みこんである。
ちなみに段ボールの中身はカラだ。
中身があると、動きが鈍くなる気がしたので何も入れないことにした。
:09/06/28 17:30
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#88 [柚子]
ポケットにサバイバルナイフを入れると、僅かな緊張が身体に走った。
時計を見ると、七時を少し過ぎたところだった。
彼女がバイトを終えるまでには、まだ時間があったが俺は家を出た。
:09/06/28 17:32
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#89 [柚子]
いつもの場所でバイトが終わるのを待つことにした。
その時間が今までで一番長く感じたのは、緊張のせいだろうか。
八時二分に彼女は店から出てきた。
:09/06/28 17:34
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#90 [柚子]
アパートに帰るかどうかは賭けだった。
誕生日だからと、家族と過ごす可能性は捨てきれなかった。
もしアパートに向かわず、どこかへ行くようだったら今日は諦めようと思っていた。
:09/06/28 17:36
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#91 [柚子]
だが、俺はその賭けに勝った。
アパートに帰った彼女は、部屋の電気を点けた。
念のため10分ほど待ってみたが、外出する気配はなかった。
:09/06/28 17:38
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#92 [柚子]
吸っていた煙草の火を消すと、車を降りた。
後部座席から段ボールを取り出し、彼女の部屋へと向かった。
深く息を吸ってから、玄関のチャイムを鳴らした。
:09/06/28 17:41
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#93 [柚子]
「はーい」
インターホン越しに彼女の声が聞こえた。
「柏木さんのお宅でしょうか?野田様からお届けものです」
:09/06/28 17:46
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#94 [柚子]
事前に用意していたセリフを述べると、彼女は
「えっ?武志から?」
と、嬉しそうな声をあげ、すぐにドアを開けた。
:09/06/28 17:48
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#95 [柚子]
カラの段ボールを、わざと重そうに抱えていた俺は、予定通りのセリフを口にした。
「かなり重いので、玄関の中に置きましょうか?」
俺の言葉に彼女は、何の疑いも持たず
:09/06/28 17:50
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#96 [柚子]
「あ、じゃあお願いします」
と、俺を招き入れた。
どうせこの大きな段ボールの中にどんなプレゼントが入っているのかしか考えていなかったのだろう。
面白いくらいすべてが計画通りに運んだ。
:09/06/28 17:52
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