柚子 ー短編・中編ー
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#77 [柚子]

俺の願いが通じたのか、彼女は“その日”を口にした。

「12日って私の誕生日なの忘れたの?」

尾行して分かったのだが、彼氏にベッタリな彼女には友達がほとんどいない様子だった。

⏰:09/06/28 16:44 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#78 [柚子]

12日彼女は一人でアパートにいる。

俺はそう確信した。

あの男が誕生日の彼女を置いてスノボに行くことが条件ではあるが。

⏰:09/06/28 16:59 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#79 [柚子]

何故彼女なのか。復讐ならあの男を直接襲えばいいのではないか?

理由は簡単で単純明快だ。

好きな女が他人の手によって犯される気分を、あの男にも味合わせてやる為だ。

⏰:09/06/28 17:02 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#80 [柚子]

その日の為に俺は早速準備を始めた。

まずインターネットの通販で宅急便の会社の制服を購入した。

次に用意したのは大きな段ボール。これは電器店で貰ってきた。

⏰:09/06/28 17:04 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#81 [柚子]

段ボールには、受取人を彼女、差出人を彼の名前にした伝票を貼った。

後はナイフとガムテープ、帽子を用意し、ひたすら決行の日を待った。

12日は金曜日だったので、会社が終わってから彼女のアパートに行くことにした。

⏰:09/06/28 17:08 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#82 [柚子]

何か新しい情報があるかもしれないと、彼女の尾行も続けていた。

11日、いつも通り八時にバイトを終えた彼女は、珍しく電話をしていなかった。

もしかしたら、明日のことでケンカでもしているのかもしれないなと思った。

⏰:09/06/28 17:12 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#83 [柚子]

予想通り、あの男と会わない日は真っ直ぐアパートに帰った。

彼女の部屋の電気が点くのを見届け、帰宅した。

12日、仕事が終わるのと同時に席を立った俺を見た同僚に声をかけられた。

⏰:09/06/28 17:17 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#84 [柚子]

いつだったか俺に女を紹介した同僚だった。

「なぁなぁ、お前最近彼女でもできたのか?」

「えっ?」

「いや、最近お前仕事終わるとすぐ帰るからさ」

⏰:09/06/28 17:23 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#85 [柚子]

「違うよ。今ちょっと海外ドラマにハマっててさ」

俺は咄嗟に昨日見たバラエティーに出ていた俳優の言葉を口にした。

「何だ、ドラマかよ」

どこか安心したように笑っている同僚に別れを告げ、会社を後にした。

⏰:09/06/28 17:26 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


#86 [柚子]

家に帰ると、宅急便の制服に着替え帽子を深く被った。

鏡に写ったその姿は、どこにでもいそうな配達員に見えた。

(よし、後は…)

⏰:09/06/28 17:28 📱:P906i 🆔:rbYytCdI


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