柚子 ー短編・中編ー
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#11 [柚子]
それよりもどうやって結婚の話を切り出すか、そのことで頭が一杯だった。
自分からは一度も結婚という二文字を口にしたことのない渚は、どんな顔をするだろうか。
感動屋の渚のことだから、もしかしたら泣くかもしれないな。
:09/06/28 12:26
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#12 [柚子]
その後で笑うんだ。俺の大好きなあの笑顔で。
幸福な妄想を膨らませてから俺は口を開いた。
“結婚しよう”
その言葉を、俺は渚に伝えられたのだろうか。
:09/06/28 12:27
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#13 [柚子]
突如、後頭部に衝撃が走り俺はその場に倒れ込んだ。
目を開けた時にいたのは、病院のベッドの上だった。
俺の意識が戻ったことに気付いた看護師が医者を呼ぶ声が聞こえた。
:09/06/28 12:27
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#14 [柚子]
「何があったんですか?」
俺の質問に、その医者は何も答えてはくれなかった。
五分ほどの診察の後、病室をノックしたのは渚でも俺の両親でもなく、警察の人間だった。
:09/06/28 12:29
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#15 [柚子]
「海で倒れていた」
「誰かに背後から頭を殴られたようだ」
そんな説明をされた後で、刑事は俺に聞いた。
「何か覚えていることはあるか?」と。
:09/06/28 12:30
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#16 [柚子]
俺は首を横に振った。殴られたせいか、包帯で巻かれた頭部がズキズキと傷んだ。
「渚は?一緒にいた女性は無事なんですか?」
俺の質問に、刑事は意識はあると渋い顔で答えてから言葉を続けた。
:09/06/28 12:31
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#17 [柚子]
「でも今は会わないほうがいいだろう」
「えっ?そんなに重症なんですか?」
「いや…体は元気だ。今はまだ検査中で結果は出ていないが、衣類の状態や体についている痣から暴行を受けた可能性が高いと我々は踏んでいる」
:09/06/28 12:34
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#18 [柚子]
暴行というのが、レイプや強姦と言った単語と同類であることは俺にも理解できた。
「誰がそんな…」
俺が呟くと、刑事は大きなため息をついた。
:09/06/28 12:35
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#19 [柚子]
「それを君が知っているんじゃないかと思って、意識が戻るのを待ってたんだ」
刑事の言葉に、俺は記憶の糸を辿ろうとしたが、頭に鈍い痛みを感じただけで、何も思い出せなかった。
「すいません…」
:09/06/28 12:36
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#20 [柚子]
俺が謝ると、刑事は手を横に振った。
「いや、いいんだ。後ろから突然殴られたんだから、犯人の顔を見ていなくても仕方ない」
黙ったままの俺に、刑事は捜査についての簡単な説明をしてくれた。
:09/06/28 12:37
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