柚子 ー短編・中編ー
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#81 [柚子]
段ボールには、受取人を彼女、差出人を彼の名前にした伝票を貼った。
後はナイフとガムテープ、帽子を用意し、ひたすら決行の日を待った。
12日は金曜日だったので、会社が終わってから彼女のアパートに行くことにした。
:09/06/28 17:08
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#82 [柚子]
何か新しい情報があるかもしれないと、彼女の尾行も続けていた。
11日、いつも通り八時にバイトを終えた彼女は、珍しく電話をしていなかった。
もしかしたら、明日のことでケンカでもしているのかもしれないなと思った。
:09/06/28 17:12
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#83 [柚子]
予想通り、あの男と会わない日は真っ直ぐアパートに帰った。
彼女の部屋の電気が点くのを見届け、帰宅した。
12日、仕事が終わるのと同時に席を立った俺を見た同僚に声をかけられた。
:09/06/28 17:17
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#84 [柚子]
いつだったか俺に女を紹介した同僚だった。
「なぁなぁ、お前最近彼女でもできたのか?」
「えっ?」
「いや、最近お前仕事終わるとすぐ帰るからさ」
:09/06/28 17:23
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#85 [柚子]
「違うよ。今ちょっと海外ドラマにハマっててさ」
俺は咄嗟に昨日見たバラエティーに出ていた俳優の言葉を口にした。
「何だ、ドラマかよ」
どこか安心したように笑っている同僚に別れを告げ、会社を後にした。
:09/06/28 17:26
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#86 [柚子]
家に帰ると、宅急便の制服に着替え帽子を深く被った。
鏡に写ったその姿は、どこにでもいそうな配達員に見えた。
(よし、後は…)
:09/06/28 17:28
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#87 [柚子]
段ボールは昨日のうちに、車に積みこんである。
ちなみに段ボールの中身はカラだ。
中身があると、動きが鈍くなる気がしたので何も入れないことにした。
:09/06/28 17:30
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#88 [柚子]
ポケットにサバイバルナイフを入れると、僅かな緊張が身体に走った。
時計を見ると、七時を少し過ぎたところだった。
彼女がバイトを終えるまでには、まだ時間があったが俺は家を出た。
:09/06/28 17:32
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#89 [柚子]
いつもの場所でバイトが終わるのを待つことにした。
その時間が今までで一番長く感じたのは、緊張のせいだろうか。
八時二分に彼女は店から出てきた。
:09/06/28 17:34
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#90 [柚子]
アパートに帰るかどうかは賭けだった。
誕生日だからと、家族と過ごす可能性は捨てきれなかった。
もしアパートに向かわず、どこかへ行くようだったら今日は諦めようと思っていた。
:09/06/28 17:36
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