あの場所まで
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#68 [ミツバ]
大体同じ位の成績を取る幼なじみとはいい勝負である。
小さい頃から遊び感覚で色々な勝負をしていた。
今回もそんな遊び感覚で始めたつもりだが、負けたら何かすると課せられたのは初めてだった。
:09/07/07 12:44 :D904i :jjdZsMgw
#69 [ミツバ]
そう言った時のあの自信ありげな表情は脳裏に焼き付いている。
嫌な予感がする。
本能で加奈子は悟った。
:09/07/07 12:48 :D904i :jjdZsMgw
#70 [ミツバ]
だから負けられない。
─ぴんぽ〜ん
ドアホンが鳴って、母が何やらしゃべっている。
加奈子はクマを隠すため、薄く化粧をした。
:09/07/07 12:50 :D904i :jjdZsMgw
#71 [ミツバ]
「あー、もうブサイクな顔がもっとブサイクになってるよぉ」
加奈子は鏡の前でわめいた。
薄い水色のワイシャツに白いベスト、紺色のチェック柄のスカートにリボンをするかネクタイをするか迷っていた。
「リボンの方がいいな」
加奈子の部屋のドアの方から声が聞こえた。
:09/07/07 12:58 :D904i :jjdZsMgw
#72 [ミツバ]
「でもあたしリボン似合わないしさぁ」
振り返らずに加奈子は鏡に向かって言った。
首もとにリボンとネクタイを交互に当てる。
「リボンの方が女の子らしいよ♪」
にっこりと幼なじみはネクタイを加奈子から奪った。
:09/07/07 13:09 :D904i :jjdZsMgw
#73 [ミツバ]
「ちょっと、愛莉ぃ」
「今日は可愛くして行こうよ」
薄い水色に白いベスト、紺色のチェック柄のスカートに同じ柄の紺色のリボンをした幼なじみの愛莉が加奈子のリボンをぷらぷらと取って見せた。
愛莉は胸まで伸びた髪をふんわりとしたゆる巻きにして、それが良く似合う可愛らしい女の子だった。
:09/07/07 15:12 :D904i :jjdZsMgw
#74 [ミツバ]
:09/07/07 15:14 :D904i :jjdZsMgw
#75 [ミツバ]
加奈子はサラッとしたショートで爽やかな印象の女の子だった。
「今日は珍しくお化粧もしてるんだしさ」
「これはクマ隠しだよ」
「そんなにやったんだぁ。お疲れさま」
愛莉は笑って言ったが、朝は低血圧の加奈子は淡々と言った。
:09/07/07 15:25 :D904i :jjdZsMgw
#76 [ミツバ]
「よし、加奈子待ってね」
そう言って愛莉は自分のカバンから化粧ポーチを取り出した。
「なにすんの?」
若干後退りしながら加奈子は訊ねた。
「愛莉がもっと可愛くしてあげる」
:09/07/07 15:31 :D904i :jjdZsMgw
#77 [ミツバ]
ビューラーを丁寧に目蓋に当て、そおっと持ち上げた。
仕上げに真っ黒なマスカラを塗っていく。
加奈子はいつものようにリカちゃん人形になった。
:09/07/07 15:33 :D904i :jjdZsMgw
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