あの場所まで
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#58 [ミツバ]
「…ほんと…に?」
なんとか声を振り絞って紗代里は祖父に訊ねた。
「本当だよ。さよちゃんも親になってこの嬉しさをお父さん達にあげるんだよ」
紗代里は泣きながら、何度も頷いた。
「あの優しそうな彼はきっとさよちゃんを幸せにしてくれるね」
:09/07/05 15:48 :D904i :zokoJNWk
#59 [ミツバ]
祖父は優介が歩いて行った方を向いてそう言った。
また紗代里の方へ向き直り、祖父は告げた。
「幸せになりなさい」
最後まで祖父は孫を案じ、そして誰よりも可愛がった。
:09/07/05 15:52 :D904i :zokoJNWk
#60 [ミツバ]
ボタボタと涙が溢れ止まらない。
「あり、が、とう…」
言葉にするのがやっとのことだった。
紗代里にはもう涙で祖父の顔は見えなくなっていた。
:09/07/05 15:56 :D904i :zokoJNWk
#61 [ミツバ]
「さよちゃん、ありがとうね─」
あの独特のイントネェーションを耳に残し、温もりも消えた。
そして雨は止み、満開の紫陽花の葉は水滴を弾き大地へ返っていった。
:09/07/05 16:00 :D904i :zokoJNWk
#62 [ミツバ]
─────完─────
:09/07/05 16:01 :D904i :zokoJNWk
#63 [ミツバ]
:09/07/07 12:18 :D904i :jjdZsMgw
#64 [ミツバ]
:09/07/07 12:20 :D904i :jjdZsMgw
#65 [ミツバ]
The wish of me small is realized.
:09/07/07 12:28 :D904i :jjdZsMgw
#66 [ミツバ]
昨夜の雷雨が嘘のように今朝は良く晴れた。
加奈子は教科書をもう一度見直して、制服に着替えた。
─17歳の加奈子はこの中間テストに賭けていた。
:09/07/07 12:34 :D904i :jjdZsMgw
#67 [ミツバ]
負けられない戦いがそこにはあるのだ。
加奈子は幼なじみとこの中間テストの総合点を争っている。
負けたら、言う事を聞く。
:09/07/07 12:37 :D904i :jjdZsMgw
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