あの場所まで
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#70 [ミツバ]
だから負けられない。

─ぴんぽ〜ん

ドアホンが鳴って、母が何やらしゃべっている。

加奈子はクマを隠すため、薄く化粧をした。

⏰:09/07/07 12:50 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#71 [ミツバ]
「あー、もうブサイクな顔がもっとブサイクになってるよぉ」

加奈子は鏡の前でわめいた。

薄い水色のワイシャツに白いベスト、紺色のチェック柄のスカートにリボンをするかネクタイをするか迷っていた。

「リボンの方がいいな」

加奈子の部屋のドアの方から声が聞こえた。

⏰:09/07/07 12:58 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#72 [ミツバ]
「でもあたしリボン似合わないしさぁ」

振り返らずに加奈子は鏡に向かって言った。

首もとにリボンとネクタイを交互に当てる。

「リボンの方が女の子らしいよ♪」

にっこりと幼なじみはネクタイを加奈子から奪った。

⏰:09/07/07 13:09 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#73 [ミツバ]
「ちょっと、愛莉ぃ」

「今日は可愛くして行こうよ」

薄い水色に白いベスト、紺色のチェック柄のスカートに同じ柄の紺色のリボンをした幼なじみの愛莉が加奈子のリボンをぷらぷらと取って見せた。

愛莉は胸まで伸びた髪をふんわりとしたゆる巻きにして、それが良く似合う可愛らしい女の子だった。

⏰:09/07/07 15:12 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#74 [ミツバ]
訂正

>>73
『薄い水色のワイシャツに』

⏰:09/07/07 15:14 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#75 [ミツバ]
加奈子はサラッとしたショートで爽やかな印象の女の子だった。

「今日は珍しくお化粧もしてるんだしさ」

「これはクマ隠しだよ」

「そんなにやったんだぁ。お疲れさま」

愛莉は笑って言ったが、朝は低血圧の加奈子は淡々と言った。

⏰:09/07/07 15:25 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#76 [ミツバ]
「よし、加奈子待ってね」

そう言って愛莉は自分のカバンから化粧ポーチを取り出した。

「なにすんの?」

若干後退りしながら加奈子は訊ねた。

「愛莉がもっと可愛くしてあげる」

⏰:09/07/07 15:31 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#77 [ミツバ]
ビューラーを丁寧に目蓋に当て、そおっと持ち上げた。

仕上げに真っ黒なマスカラを塗っていく。

加奈子はいつものようにリカちゃん人形になった。

⏰:09/07/07 15:33 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#78 [ミツバ]
「これだけで全然違うね。まぁ元々加奈子は睫毛長いんだけど」

そう言って満足げに化粧ポーチに戻していった。

愛莉は美容系の進路を考えてるだけあって、綺麗にした。

そして2人で家を出て学校へと向かった。

⏰:09/07/07 15:38 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#79 [ミツバ]
加奈子と愛莉が通う西高は徒歩で15分の所にあり、住宅街から少し外れた所に建っていた。

最寄りの駅からは徒歩10分で行けるため、地元以外からも人気の高い高校だった。

結果が楽しみだね、何してもらおうかなと楽しげに話している横を勢いよく何かが通り過ぎた。

⏰:09/07/07 15:52 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


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