あの場所まで
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#98 [ミツバ]
ツンツン
肩を小突かれた。

振り向くとケントがノートを渡してきた。

「本当に助かったわ、そのノートから更にヤマ張ったから大丈夫。ありがとな」

ケントは笑って言った。

⏰:09/07/07 18:46 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#99 [ミツバ]
「寝てばっかいないで、ノート位取りなよね」

「はい、はい」

ケントはちゃんとわかったのか、わかってないのか曖昧に笑って答えた。

しょうがないなと思いながらもつられて笑ってしまった。

⏰:09/07/07 18:56 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#100 [ミツバ]
───────────

テストが終わった。

赤点は免れたろうが、加奈子は良い出来ではなかった。

目にクマまで作ったのに紙が配られてからイマイチ集中できなかった。

⏰:09/07/07 20:21 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#101 [ミツバ]
愛莉のあの笑みが脳裏を過ぎる。

いったい何を企んでいるのだろう。

加奈子は身震いした。

⏰:09/07/07 20:23 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#102 [ミツバ]
───────────

土日を挟んで、3日後テストが全て返却された。

国語、数学、英語、日本史、化学この大きく五科目の総合で勝負だった。

「…いくわよ」

「…いつでもどうぞ」

心臓が高鳴る。

⏰:09/07/07 20:31 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#103 [ミツバ]
2人はせーので中間総合成績表を互いの前に出した。

「387点!!」

加奈子は勢い良く言った。

「残念ね…加奈子」

愛莉は可愛い顔からニヤリとと不適切な笑みを浮かべた。

「…398よ」

加奈子の負けである。

⏰:09/07/07 20:34 📱:D904i 🆔:jjdZsMgw


#104 [ミツバ]
買い物に付き合わされるのか、果たして何をやらされるのか加奈子は身構えて愛莉の口から発せられる言葉を待った。

「私のお願い聞いてくれるわよね」

得意の笑顔で愛莉は続けた。

「ケント君にアドレス聞いてきて欲しいんだ」

加奈子は胸にどんっとくる衝撃とともにざわめいた。

⏰:09/07/09 16:36 📱:D904i 🆔:B0acIMRw


#105 [ミツバ]
「え…ケント?」

そう言うのがやっとだった。

他に言葉が見つからない。

「そうだよ」

─愛莉はケントのこと好きだったんだ…。

加奈子はそう瞬時に考えた。

⏰:09/07/09 16:39 📱:D904i 🆔:B0acIMRw


#106 [ミツバ]
─格好いいって言ってたもんなぁ。そっかぁ…

加奈子はぐるぐると頭の中で呟いた。

鼓動は次第に大きくなり、手に汗が滲み、体中が熱くなり、モヤモヤと言い表せぬ感情が浮かんできた。

「お願いね」

愛莉は嬉しそうに言った。

⏰:09/07/09 16:46 📱:D904i 🆔:B0acIMRw


#107 [ミツバ]
加奈子はわかったと応えた。

「井上ぇ〜」

加奈子の教室から声がして、2人は振り返った。

ケントが総合成績表をひらひらと持って機嫌のいい声で言った。

「お前のおかげで赤点免れたわ、まじでありがとな」

⏰:09/07/09 23:29 📱:D904i 🆔:B0acIMRw


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