死に至る病
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#254 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「いてっ」
人の声。
りこだ。
たぶん、いや絶対にりこだった。
そう思うやいなや、僕はりこに向かって体当たりをくりだした。
流木で叩かれて驚いたりこが移動していれば、自爆行為だが、自信があった。
:09/08/19 00:29
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:e0q3.Vcg
#255 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
案の定、肩にりこの細い体がぶつかり、相手は弾き飛ばされた。
しりもちをつく音が聞こえた。
「くそぅ、やってくれたね」
どこか愉快そうなりこの声と同時に、砂浜を蹴る音に続き、僕の体に衝撃がはしった。
:09/08/19 00:30
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#256 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
りこの捨て身のタックルだった。
これはたまらず、僕はりこに組みつかれたまま仰向けに倒れた。
すかさず馬乗りになるりこ。
「お返しだよ」
もがく僕の腕を押さえつけ、僕の手から流木を力任せに奪い取り、どこかへ放り投げた。
:09/08/19 00:30
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#257 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
それでももがく僕の右手が、なにかをつかんだ。
丸く大きい、すべすべしたこの手触りはひとつしかない。
スイカだった。
りこは気づいていない。
今がチャンスだった。
:09/08/19 00:31
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#258 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
けれど、動けない。
りこを退かそうと手を伸ばしても、みぞおち辺りに乗ってるため大した力が出せないのだ。
僕は迷い、考えた。
覚悟を決め、りこの胸に手を伸ばし、鷲づかみにした。
:09/08/19 00:32
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#259 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
むにゅ、とやわらかい手応え。
ふむ。
パッド無しでこの大きさ。
直央の貧乳とは比べ物にならないな。
「ぎゃー! 何すんの!」
「うわー! 何してる!」
りこと湊の叫びが重なった。
:09/08/19 00:37
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#260 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
仰け反るりこを突き放し、僕はスイカを持って駆け出した。
「りこ、前だ、前にヤツがいる! 袋だたきにしてやれ!」
湊とは思えない叫び声が背後から聞こえてきた。
:09/08/19 00:39
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#261 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
おっかない。
乳のひとつやふたつ揉んだくらいで怒りなさんな。
減るもんじゃないし。
僕は立ち止まると、スイカを砂浜に置いた。
りこが近づいてくる。
:09/08/19 00:39
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:e0q3.Vcg
#262 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
僕はひじでスイカを打ち、割った。
あっさりとスイカはひじ打ちをのみ込み、割れた。
間髪を入れず、早紀さんが言った。
「勝負あり。渉さんとりこさんは目隠しを取ってください」
目隠しを取ると、目一杯の光の波が襲ってきた。
:09/08/19 00:41
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:e0q3.Vcg
#263 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
視力が回復したとき、見えたのは割れたスイカと砂まみれのりこだった。
悔しそうに、だけど嬉しそうに、りこは笑った。
僕も笑った。
「渉ちゃんの勝ちだよぅ。さすが渉ちゃん、かっこいい!」
直央が飛びついてきた。
:09/08/19 00:41
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