死に至る病
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#31 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
店内はぺちゃくちゃと騒々しいほどたくさんの会話が飛び交っていた。

何しろ田舎だから、いつも満員で熱気に満ちあふれている。

学生に嬉しい値段で、料理が美味しいところといったらここらはこのファミレスしかない。

ファーストフードやコンビニは遠出しないとなく、めったにお目にかかるものではなかった。

⏰:09/07/26 15:55 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#32 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央といつか、行ってみたいな。

もうすぐ夏休みだから、電車なんか使って行けるかもしれない。

直央の食いっぷりを初めてみる奴らは、大食いテレビ番組の収録かと、さぞや驚くことだろう。

もしかしたらスカウトされたりして。

想像したらだらしなく口元が緩んでしまった。

⏰:09/07/26 15:59 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#33 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
…僕はハッとする。


いつからか、直央は見ていた。

スプーンをくわえたまま、僕をじろじろ見ていた。

舐めるようにねっとりした視線が痛い。

「な、なに見てんだよ」

僕は言った。

⏰:09/07/26 16:01 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#34 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「さっきまで渉ちゃんがニヤニヤしてたぁ。なに考えてたのぉ?」

てっきりジャンボパフェに夢中になってると思っていたのに、こういう時はちゃっかり見たり聞いたりしてる。

昼ドラでよくみる、どっかの探偵顔負けの家政婦みたいだ。

直央の勝ち誇った目からして、きっと僕が変な妄想をしてたと勘違いしてるに違いない。

絶対そうだ。

⏰:09/07/26 16:01 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#35 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「別に変なことじゃねーよっ」

「あり? 私一言だってそんなこと訊いてないよぅ。
……もしかして考えてたぁ? 話し相手がいなくて退屈しのぎに変なこと想像しちゃってたのぉ?」

直央はテーブルの下で足を伸ばして、僕の股辺りを探ってきた。

思わず叫びそうになる。

⏰:09/07/26 16:06 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#36 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ばっ……馬鹿! 止めろって変態女! なにを確認しようとしてんだよ破廉恥、スケベ、場をわきまえろ!」

直央はおっとりしているが、たまに僕をいじり返す時がある。

いつも僕にいじられている直央なりの逆襲で、僕が隙をみせて揚げ足をとれる瞬間を、じっと待っている。

その時がきたら、白旗をあげるまで徹底的になじり倒す。

⏰:09/07/26 16:19 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#37 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
態度がでかくて、鼻で笑い、見下すような目はまるで別人だった。


…たぶん、直央をいじってる時の僕はこんな感じなんだろう。

直央の細い足首を捕まえようとしても、引っ込めたり避けたりしてなかなか捕まらない。

それをいいことに、直央は減らず口をますますヒートアップさせていく。

⏰:09/07/26 16:23 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#38 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「その言葉、そっくりそのままお返ししますぅ。いやですわー、公共の場で汚らわしいですわねぇまったくぅ。私身の危険を感じるよぉ」

「しーっ、声がでかい! とにかく俺は無実だ、誤解だ、濡れ衣だっ。ああもう、だから、股つつくの、止めてぇぇ!」

「わーい、いつも私をいじめてる渉ちゃんが困ってるぅー」

⏰:09/07/26 17:45 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#39 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央はからからと笑った。

僕はいもむしみたいにソファーで悶えながら、情けないほど取り乱していた。

店員と客の僕を汚らわしいやつだと言わんばかりの視線(たぶん)を感じる。

…もう泣きたい。

⏰:09/07/26 17:46 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


#40 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
どちらかの携帯が鳴った。

マナーモードにしろよな非常識だぞ、と思っていたら僕のだった。

携帯を開いてみると、驚くことに母さんからのメールを受信していた。

機械オンチの母さんからのメールなんて、年にあるかないかのレア物だ。

メールを確認する。

⏰:09/07/26 17:48 📱:N03A 🆔:fN2V2MIo


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