死に至る病
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#41 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「誰からメールきたのぅ?」
せっかくめぐってきた僕をいじるチャンスの腰を折られて悔しいのか、直央はバツが悪そうに唇をとがらせて言った。
僕は携帯をたたみ、ポケットにしまいなおした。
「母さんからだったよ。今夜仕事があって、明日帰りが遅くなるらしい。明日の弁当はスーパーで買って食べろってさ」
返事を待たず、僕は続けて言った。
「ごめん、ちょっとトイレ行って来る」
:09/07/26 17:50
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:fN2V2MIo
#42 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
我が家は共働きということもあり、こんなのは慣れっこだった。
食事代を多めに貰って安い買い物をし、食事代をちょろまかすこともできる。
僕としては嬉しいくらいだ。
…だけど、直央は気にする。
僕が菓子パンやら食べてると、頼んでもないのに弁当を半分以上分けてくれる。
優しいやつだから、負い目を感じてるのだろう。
:09/07/26 17:52
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#43 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
だから、僕がトイレから帰ってきて直央の複雑そうな顔をみたとき、やっぱりな、と思った。
直央は感情が露骨だ。
顔色を見れば、大まかになら大抵なにを考えているかわかる。
嘘をついても顔や態度にでてしまう典型的な隠し事ができないタイプだった。
ポーカーフェイスなんて、直央には一生できないと思う。
:09/07/26 18:01
:N03A
:fN2V2MIo
#44 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央には笑っていてほしい。
幸せでいてほしい。
彼女の天性の明るさはまさに太陽そのものだった。
…あまりに明るいから、ふとその明るさに陰がさした時、僕の目の前は真っ暗になってしまう。
目に見える陰なら、いくらでも追い散らしてやることができる。
:09/07/30 13:26
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:jOlV9rkE
#45 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「そうだ、また夏休みとかにハンバーガー食べに行こうぜ。海水浴にも行きたいよなぁ。あと、直央が行きたがってた遊園地とか……。行きたいとこ多すぎてこまるな。直央はどこ行きたい?」
「わたしは……」
「せっかくの夏休みなんだから、遊びまくりたいよな。……あー、課題もでるだろうけど今年も直央の家でやろう」
「えっと……」
「直央の家って広いよなー、初めて来たとき俺が迷子になったの覚えてるか? あの時はホントどうしようかと思って、」
「ストップぅ!」
:09/07/30 15:42
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:jOlV9rkE
#46 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
だけどほとんどは見えない陰で、……僕は不器用だから、空回りばっかして何もしてやれない。
だから、足下すら見えなくなって、身動きもとれなくて、ただ明るくなるまで立ちつくすしかない。
そうなってしまうたび、僕はなんどでも直央の大切さに気づくのだ。
直央に気を使わせないためにも、ここは僕が場を盛り上げよう。
そのくらいはお安い御用、僕にだってできる(はずだと思う)。
:09/07/30 15:43
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:jOlV9rkE
#47 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
:09/07/30 15:46
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:jOlV9rkE
#48 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
そこまで大声を出すつもりはなかったらしい。
しばらくすると、頬を赤らめ恥ずかしそうにしながら座った。
そうあからさまに照れられると、こっちまで恥ずかしくなってしまう。
直央は小さな声で言った。
「えっと……もしよかったら渉ちゃんの明日のお弁当、わたしが作ってきてもいい? 渉ちゃんさえよかったらだから、嫌だったら言ってよぅ。たぶん美味しくないし……うぅ」
直央は人差し指を合わせてもじもじしながら言った。
:09/07/30 18:43
:N03A
:jOlV9rkE
#49 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ストックが切れました…
今夜更新します(*^_^*)
:09/07/30 18:45
:N03A
:jOlV9rkE
#50 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
仕草ひとつひとつが可愛くて仕方なくて、僕は彼女の頬に手を伸ばして、ぴとっとくっつけた。
僕と直央との間で決めた、なかよしのしるしだった。
彼女は気持ちよさそうに目を細めて、微笑んだ。
――やわらかくて、温かい。
直央の優しさが嬉しかった。
:09/07/30 21:57
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:jOlV9rkE
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