死に至る病
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#90 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「笑って、渉ちゃん…」
直央は続けた。
「大好きだよぅ」
そして、僕も笑う。
直央の笑顔が、涙で滲んだ。
…ちゃんと笑えてるかな。
変じゃないかな。
:09/08/05 21:35
:N03A
:/M/uXit.
#91 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
本当に僕は鈍感なやつだ。
直央の特別になろうなんて悩んで、迷って、傷つけて、馬鹿らしかった。
最初から特別だった。
必要とされていた。
…僕は鈍いから、言葉にされないと気づけなかった。
:09/08/05 21:36
:N03A
:/M/uXit.
#92 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
…ごめんな、直央。
今ならきちんと笑ってあげられるよ。
明日からもずっと、僕達は仲良しだ。
ずっと、仲良しでいよう。
ずっとだ。
「俺も大好きだよ、直央」
:09/08/05 21:37
:N03A
:/M/uXit.
#93 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
寄り道(Side Story)
「食い倒れ勝負」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
甘い幸せをあなたに。
店頭に並べ立てられたのぼりのキャッチフレーズが風にはためいている。
期間限定のスイーツ食べ放題は女性に好評、満員御礼で店長は大喜びだった。
若い客を増やしたいと考えておこした企画がここまで上手くいくとは思わなかった。
喜ばずにはいられない。
:09/08/05 23:40
:N03A
:/M/uXit.
#94 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
店長は深く椅子にもたれかかり、珈琲を一口飲んだ。
うむ、旨い。
新聞を広げてまさに読もうとしたとき、扉が荒々しく開かれた。
開けたのは新人のアルバイト店員だった。
深刻な表情をしている。
…ただ事ではない。
:09/08/05 23:47
:N03A
:/M/uXit.
#95 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
店長は珈琲をテーブルに置いた。
「大変です、店長」
「なにがだね」
「スイーツ食べ放題をいいことに、片っ端から食べてるやつがいます。そのおかげで、スイーツの種類は激減、材料も不足、
…もはやスイーツ食べ放題といえるレパートリーはありません」
「な、なんだと……」
:09/08/06 00:15
:N03A
:hRVRSZQ.
#96 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
店長は立ち上がった。
信じられない、といいたそうに椅子に新聞を叩きつけた。
「それだけではありません。飲み放題のソフトドリンク、珈琲まで飲み干されてしまいました」
「馬鹿な! 一体誰なんだ、テレビ番組の撮影にきた大食いチャンピオンか!?」
店員は言った。
「いえ、女の子なんです。たぶん、女子高生だと思います」
:09/08/06 00:16
:N03A
:hRVRSZQ.
#97 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
店員が問題の女子高生のもとへとかけつけた時には、すでにすべてが手遅れだった。
スイーツ全滅、ソフトドリンク全滅、まさに地獄絵図であった。
…信じられない。
ひとつ幸運なのは、客が彼女の食いっぷりに感心して盛り上がり、食べ放題がフイになったことを誰一人憤慨しなかったことだった。
:09/08/06 00:19
:N03A
:hRVRSZQ.
#98 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
店長はふらふらと女子高生に近づき、話しかけた。
「き、キミ……。本当に一人でスイーツやソフトドリンクを食べきったのかね…?」
彼女は天使のような笑顔を浮かべ、言った。
「ごめんなさい。美味しくって食べちゃいました。でもぅ……」
「で、でもなんだね」
:09/08/06 00:23
:N03A
:hRVRSZQ.
#99 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
店長の目の前に白い食器が突き出される。
彼女は言った。
「まだ食べたりません」
客は歓喜の声をあげた。
店員は唖然としながら、客をなだめる。
:09/08/06 00:25
:N03A
:hRVRSZQ.
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