死に至る病
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#157 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
明らかに不機嫌そうだった。
可愛い顔立ちをしてるのに、すこしもったいないなと思った。
「野村先輩」
彼女は言った。
呼ばれたりこは吐き気に耐えるひどい顔を上げて、ひらひらと手を振った。
酔っぱらいみたいだった。
:09/08/10 21:26
:N03A
:1ut1iRZA
#158 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「や、早紀ちゃん。…悪いけどオネーサン気分がすぐれなくてさ、……うぇ、うぇぇ……、打ち合わせだったら放課後にしてくれないかな、……ぐぇ」
「いえ、打ち合わせじゃないです。借りていた小説をお返ししたくてきました」
早紀さんは手にしていた小説をりこに返すと、踵をかえしてさっさと中庭を出ていった。
あっさりした人だった。
:09/08/10 21:53
:N03A
:1ut1iRZA
#159 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
僕は早紀さんから返却されたりこの小説を手に取って、ぱらぱらとおおざっぱに中身を見た。
トリックだとかアリバイだとか殺人だとか血だとか、そんな単語がいくつもあった。
ちなみに小説のタイトルは「緊急病院殺人事件」。
「りこ、おまえってミステリー小説なんか読むのか?」
いくぶんか回復したらしいりこは、むっくり起き上がって言った。
:09/08/10 22:01
:N03A
:1ut1iRZA
#160 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「読むもなにも、あたしはミステリーマニアだからね。ついでにいうと、早紀ちゃんもそう。二人でミステリー同好会しちゃってるくらい愛してるよ」
「ミステリー同好会ってなになにぃ〜? 気になるなぁ」
直央が訊いた。
「ふふん」
りこはひとつ咳払いをし、足を組みなおした。
:09/08/10 22:25
:N03A
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#161 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ミステリー同好会とは、本格ミステリーを読み、ミステリーの素晴らしさを布教し、オリジナリティあふれる良質トリック及びアリバイを作りだし勝負しあう、ミスマニのミスマニによるミスマニのための同好会なのだっ」
やたらと長い説明だった。
直央はすごいすごいと惜しみない拍手をした。
言い終わると同時に、息切れしたりこは再び倒れこんだ。
:09/08/11 08:36
:N03A
:tAjoSozw
#162 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
その拍子に、ブラウスからふくれた腹がのぞいた。
僕と直央は顔を見合せにんまり笑いあうと、りこの腹をくすぐってやった。
中庭に響く、僕らの笑い声。
:09/08/11 08:37
:N03A
:tAjoSozw
#163 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
楽しい時ほど、時間は早く過ぎる。
「よかったらさ、今日の放課後あたしん家でミステリー同好会の打ち合わせするから、よってかない?」
りこは湊に支えられながら、僕たちに言った。
:09/08/11 09:31
:N03A
:tAjoSozw
#164 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央は頷いた。
僕と直央は毎日一緒に帰宅しているから、直央が寄り道するなら必然と僕もそうなる。
寄り道が嫌なら断って自分一人帰ればいい。
けれど僕達はとある事情があって、直央が帰宅するまで別れてはいけないことになっていた。
:09/08/11 09:32
:N03A
:tAjoSozw
#165 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
これは絶対で、逆らえない。
なにがあっても。
りこは僕達の了解を素直に喜び、また後でねと湊と去っていった。
僕も教室に帰らないといけないので、尻のほこりをはらい、直央に手を差し伸べた。
:09/08/11 09:32
:N03A
:tAjoSozw
#166 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ランチタイム(Side Story)
「ぷにたん」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「あたしそのキャラクター知ってるよ。名前、なんだったっけ?」
りこはチョコケーキをつっつきながら、直央の重箱の蓋に描かれたキャラクターを指差した。
僕も知ってる。
そいつは最近ちびっこに人気で、テレビアニメからグッズまで大忙しのやつだった。
:09/08/11 12:12
:N03A
:tAjoSozw
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