死に至る病
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#242 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
負けじとりこも言い返す。

「んまーカッタい男だねー、男らしくこんなのどうってことなかったゼほら泳いでこいヨ、くらいは言いなよねカタブツオトコ!」


ぎゃーぎゃー騒ぐ僕達をよそに早紀さんは浮き輪を取って、涼しい顔して喧嘩を見学していた。

直央は楽しそうだよぅと笑いながら、湊にお礼をしてイルカさんを受け取り、早紀さんと見学にまわった。

⏰:09/08/19 00:20 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#243 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
頬っぺたをつねり、まぶたをねじるりこと、ポニーテールをつかみ対抗する僕。

口喧嘩じゃ決着がつかんと取っ組み合いになったところで、湊が喧嘩を割って止めにきた。

僕は直央に、りこは湊に後ろから組みつかれ、引き離された。


息を荒くしながらにらめっこする僕らの前に、早紀さんがなにかを持ってやってきた。

⏰:09/08/19 00:21 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#244 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
スイカだった。

後で食べようと、早紀さんが家から持ってきたものだった。

たくさんの水滴がついたそれを、早紀さんは静かに砂浜に置いた。


そして、僕とりこにタオルをつきだし、言った。

⏰:09/08/19 00:22 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#245 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ここはいさぎよくスイカ割り勝負で決着をつけましょう」

しばしの沈黙の後、りこは黙ってタオルを受け取った。

僕も続いて受け取る。


また面白いことをしだしたなと、へらへら笑う直央と湊とは違い、僕らは真剣だった。

⏰:09/08/19 00:22 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#246 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
小さい頃からこうだった。

親が止めにくるまで、僕らはとことん喧嘩して、きっちり勝ち負けを決めた。


どんなに下らないことでも。

今だって同じ、譲らない。


早紀さんは拾ってきた流木片手に、ルール説明を始めた。

⏰:09/08/19 00:23 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#247 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「二人とも同じ位置からスタートします。ヒントの掛け声は、二人で一人、平等にします。他人を巻き込む、噛みつく以外はどんな卑怯な手段を使ってもいいです。もちろん面白いからです」

「腹黒いね…」

湊がつぶやいた。

ばっちり聞こえてるぞ。

⏰:09/08/19 00:24 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#248 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「掛け声は……、そうですね、直央さんにします。あくまでも遠回しに、曖昧に指示してください。それでは、タオルで目隠ししてください。始めます」

きつく目隠しを締めた。


早紀さんが不正がないか確かめにきた。

スイカ割りのための流木を握らせる。

⏰:09/08/19 00:24 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#249 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
この間にスイカを移動させているらしい、砂浜を踏みしめる足音が前から聞こえてきた。

いいでしょう、早紀さんはそう言うと後ろに移動して、すう、と息を吸った。

いよいよ始まる。



「勝負、始め」

僕は勢いよく走りだした。

⏰:09/08/19 00:25 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#250 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
……と思ったが、…両足に違和感がした。


体が浮く感覚が一瞬して、足を引っかけられたと理解したときには遅すぎた。

肩から思いきり、やわらかい砂浜に倒れ込んでしまった。

⏰:09/08/19 00:26 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


#251 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央の悲鳴が聞こえた。

口に砂が入り、ジャリジャリと嫌な音を立てた。


畜生、やられた。

受け身なしはかなりこたえた。


なにくそと、起き上がって流木を構え直す僕に、誰かが近づいてきた。

⏰:09/08/19 00:27 📱:N03A 🆔:e0q3.Vcg


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