その妖し淫らにつき -弐-
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#11 [ひえぃ]
顔が分からなくても一瞬で分かった。
とても綺麗で埃を持っている強い瞳。
なんだか懐かしいそんな気持ちを覚えた。
この妖しが鍵をにぎる大事な…

「…気のせいかしら?何か感じたのに…」

(姿も見えない…)

御琴姫は楽しそうに歌を歌ったり
小さく踊ったり花を摘んだり本当
はたから見れば可愛い女性が遊んでるように
しか見えなかった。

しかし
事態は急に反転する。

⏰:09/07/23 02:22 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#12 [ひえぃ]
「…エニシ…
また私に何かようがあるの?」

御琴姫がにらむその先にはエニシという
金髪の長い髪をした色白の美しい男性が
現れた。

「つれないな。御琴。
そう敵視するな」

「敵視などしていないわ。
でもあなたは人や動物を殺す。
私は傷ついたモノを癒すために
血を流す。この輪廻を繰り返すのなら
私はあなたのものになどならない」

「よくよく気の強い女だな…
そこがまた格別だが…」

⏰:09/07/23 02:29 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#13 [ひえぃ]
エニシは御琴姫に近づくと
無理やり唇を奪った。

「んッ!…やめなさい!」

「…俊正(トシマサ)という男を知った…
意味は…分かるな…」

「!!!」

御琴姫の顔がみるみる青ざめていく。

「なっ…なぜ…」

「…お前は俺から逃げれぬのだ。
一生な。死のうともお前の血は己を死なせて
はくれぬ。治癒という能力も逆さにすれば
呪われたものなのかもな…クククッ」


エニシの低い笑い声と共に場面はグニャと
曲りまた違う場面を映そうとする…

⏰:09/07/23 02:36 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#14 [ひえぃ]
(…ここは…どこかの村?)


「俊正さま…」

「そうかついにエニシに私の正体が
ばれてしまったか…」

(俊正さま…あれがエニシが言ってた男の人…)

「…俊正さま
あなたは逃げてください。
私が彼のものになれば彼はあなたを
見逃すはず…逃げて生きて…」

「何を言う!?
心から愛しているそなたを
置いてなどいけぬ、私が人の子という理由
なら喜んで妖しの血を飲みほしそなたの夫
となろう」

「…そんなあなただから
私は恋に落ちてしまったんです…
愛しています…俊正さま…」

⏰:09/07/23 02:45 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#15 [ひえぃ]
(そうか…御琴姫はヒョウ君の両親みたい
に人間に恋をしてしまったのね…)

寄り添う二人の影が滝のように落ち。
また映像を変えていく。

(タガメさん大事な所だけを映してるんだ)

次に見えてきた景色は
なんとも言えない絶望な焼け野原だった。

「やめてぇぇ!!!
エニシ!!!何故何故このような事を!!!」

「知れたこと…
お前がいつまでたっても俺のものに
ならんからだ」

エニシの下の崩れ落ちているのは
血まみれになった俊正の姿だった。

「俊正さまぁ!!!
俊正さまぁ!!!!!」

「…御琴…すまない…
だが逃げた最果ての地にそなたの
姿が…なかったら…」

⏰:09/07/23 03:00 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#16 [ひえぃ]
「涙がでる最期の言葉は終わりだ。
さよならだよ。俊正」

クッと笑うと
エニシは俊正の心臓を突いた。

「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」

桜はただ見ているしかなかった。
涙が流れ喉が焼けるように熱い。
こんなヒドイ事が…

「…来い御琴。
お前には俺の子を産んでもらう。
蛇の血を永遠に途絶えさせない
呪われし子をこの世界に放つんだ」

御琴姫は
ボーッとただ俊正の動かない体を
いつまでも見つめていた。

⏰:09/07/23 03:08 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#17 [ひえぃ]
「俊正…さま……」


御琴の影が揺れると
スーッと桜との影と重なり合った
瞬間、様々な感情が溢れだし心臓を
熱くする。

(うっ…これはっ…)

服をギュッと握りしめ
最後に見えた景色は真っ赤な部屋と
片隅で震える少年の姿だった。



「…さ…さく…ら…さくら!!桜!!」

⏰:09/07/23 11:56 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#18 [ひえぃ]
「…んっ…タガメさん…??」

「よかった戻ってこれたんだね。
今はあんたの時代だよ」

周りをボンヤリと見渡すと
さきほどの小さな小屋の一室だった。


「…私…思い出したの…一部だけど…
小さな欠片を…」

震える両手を桜は
瞬きせず見つめた。
タガメは黙っている。


「私は…御琴姫…大事な人を妖しに殺された
あの心優しくまっすぐで強い瞳を持った
御琴姫の生まれ変わり…」

⏰:09/07/23 12:06 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#19 [ひえぃ]
似ていた。
自分自身でも思うほどに。
生き写しとは、こういうことを
言うんだろう。

「やはり…そうなのか…
600年の月日を流れ、まさかこんな
形で皮肉な事がおこるなんて…」

タガメは
顎に手をかけると静かに床を見つめ
ながら言った。

私と御琴姫の影が重なったとき
彼女の感情が流れた。

憎い
愛しい
悲しい
寂しい
切ない

どれも心を切り裂くような
悲痛な思いだった。

そして…

⏰:09/07/23 12:10 📱:PC 🆔:siGeVi8U


#20 [ひえぃ]
「赤い部屋…」

それは
以前キツネさんとの因縁で出会った夜叉
が見せた夢と全く同じだった。

しかし以前と違うのは
震える少年の姿が見えたこと。

そして部屋に聞こえた叫び声は
御琴姫のものだった。

「桜…あんたは全てを解かなくちゃ
いけない…御琴姫がエニシに連れ去られた
後、どのように散っていったのかを…」

⏰:09/07/23 12:14 📱:PC 🆔:siGeVi8U


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