その手に触れさせて (短編集)
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#1 [さ う す ぽ ー]
さ う す ぽ ー です(^ω^)
小説を書くのは初めてで
思いっきり素人です(笑)
頑張って書きますので
温かく見守って下さい*
:09/07/26 20:06
:P705i
:KoR1J.Ug
#2 [さ う す ぽ ー]
:09/07/26 20:11
:P705i
:KoR1J.Ug
#3 [さ う す ぽ ー]
*主は趣味で書いているので、
更新はかなりスローペースです。
*小説更新を催促する書き込みは
ご遠慮ください(´・ω・`)
:09/07/26 20:14
:P705i
:KoR1J.Ug
#4 [さ う す ぽ ー]
:09/07/26 20:16
:P705i
:KoR1J.Ug
#5 [さ う す ぽ ー]
私は人の手の温かさを忘れた。
最後に握った手は冷たかった。
人の手なんて、握っちゃいけない気がして。
未だに触れることが出来ない。
:09/07/26 20:19
:P705i
:KoR1J.Ug
#6 [さ う す ぽ ー]
──「美弥ちゃんっ!」
そう、あたしの名前を呼ぶのは近所に住む「悠真くん」だった気がする。
「なに?」
歳は1つ下。…と言っても、当時はまだ5歳だった。
「あーそぼ!」
「だめ!今からパパとママと一緒におでかけなの」
「あそぼ!」
:09/07/26 20:23
:P705i
:KoR1J.Ug
#7 [さ う す ぽ ー]
「だめって言ってるの!」
あたしは手を振り払った。まだ何も知らない、4歳の悠真くんの手を。
小さな彼の体を突き飛ばすには、あたしの力で充分だった。
「…うわぁーーっ!!!!」
悠真くんは車に轢かれ、意識不明の重体。あたしが覚えているのは、パパとママが必死に頭を下げている姿だけ。
:09/07/26 20:28
:P705i
:KoR1J.Ug
#8 [さ う す ぽ ー]
病院から家に帰ることになった。ママと手を繋いで帰った。
ママの手は冷たかった。
「美弥ぁ?負のオーラ出てますけど。大丈夫なんですか?」
「…大丈夫だよ」
あれから10年もの年月が経った。悠真くんの居た街からは引っ越し、今は冴えない女子高生をやっている。
「んじゃ綾、パン買ってくるからー」
「わざわざ言わなくても良かったのに」
「…冷めてんね」
:09/07/26 20:34
:P705i
:KoR1J.Ug
#9 [さ う す ぽ ー]
「…いいから。行ってきなよ」
中学時代からの友達・綾那を送り出して、溜めた息を吐き出す。
未だ消えない、罪悪感。
パパとママが話していたのを聞いていると、どうやら悠真くんは元気にやっているらしい。
…だけど。
アタシガ、ヤッタ。
それは、紛れもない事実。消すことも隠すことも出来ない。
勿論、許されることでもない。
:09/07/26 20:44
:P705i
:KoR1J.Ug
#10 [さ う す ぽ ー]
「もっかい会えたらな」
せめて謝ることくらいは出来るのに。あたし…自分の口から謝ってないよ…
「なになにっ?誰に?」
「…羽山さん!」
「羽山ぁ?ああ、芸人の」
「面白いんだから」
「美弥って、地味系な割にはお笑い好きだよね」
余計なお世話。
って言うのは我慢しておいた。
「さっ!食べようっ」
:09/07/26 20:54
:P705i
:KoR1J.Ug
#11 [さ う す ぽ ー]
威勢良く言ってから袋を開け始める綾那は、さっきの自分の発言なんて気にしていない様子。
あたしもそれに乗っかって、弁当箱の蓋を開ける。
「あっそういえばー」
「…なに?」
「綾、今度の土曜に隣町の人と遊ぶんだー」
「へぇ。それが?」
「美弥も来ない?」
はい?
今、何と?
:09/07/26 21:01
:P705i
:KoR1J.Ug
#12 [さ う す ぽ ー]
『だーかーら、美弥も行こ?』
見事な綾那の口車に乗せられ、土曜日。何故かあたしも駅前に居た。
少しだけ、お洒落をして。
「あれ、美弥早いね」
「別に。10分前行動は常識」
「えー5分前で良いってー!まあいいや。電車来ちゃうし、行くよっ」
人を待たせておいて、綾那はせっせと歩き出す。…それに着いていってしまうのはあたしだけど。
「ちょ、待ちなさいって」
「美弥が遅いのー!」
:09/07/26 21:15
:P705i
:KoR1J.Ug
#13 [さ う す ぽ ー]
「ふーっ!暑いねー」
「う、うん」
着いたのは、あたしが昔住んでいた街。今も多分…悠真くんが居るところ。
もしかしたら、会うかも。なんて期待してみるけれど…そんなことはないか。
「ねえ、そういえば何で隣町の子と遊ぶの?」
「んー?元は別の子の知り合いなんだけどね、今日来れなくなったからさっ」
「あたしその子の代わり?」
「そうそう!」
悪びれもせずに、飄々と言ってのける。あたしは呆れるしかない。
:09/07/26 21:34
:P705i
:KoR1J.Ug
#14 [さ う す ぽ ー]
「ねえ、まだ「あれかもっ!」
「まだ来ないの?」と言おうとしたら、綾那の弾んだ声が重なった。
「ど、どれ…?」
「ハヤトくーん!ユウマくーん!」
「えっ…」
心臓が大きく波打った。
“ユウマくん”って。まさか。
まさかまさかまさか。有り得ないよね?だって…遊べるような体なの?違うよね…
“悠真くん”じゃないよね…
:09/07/26 21:43
:P705i
:KoR1J.Ug
#15 [さ う す ぽ ー]
綾那の声に気付き、やって来るのは2人の男。優しそうな人と、クールな感じの人。
クールなのがハヤトくんで、優しそうなのがユウマくんかな。
「ハヤトでーす!」
「ユウマ…です」
あたしの予想は見事に外れた。こっちがユウマっていうなら、あたしの知ってる「悠真くん」じゃないな。
「綾那です!」
「美弥です」
話は綾那とハヤトくんが勝手に進めてくれた。明るい綾那と優しげなハヤトくんはお似合いだった。
:09/07/26 21:59
:P705i
:KoR1J.Ug
#16 [さ う す ぽ ー]
何も聞かされていなかったあたしは、初めて遊園地に行くことを知らされた。
「そうなんだ」と軽く流してはみたものの、内心ヒヤヒヤしていた。
2:2で分かれたりしないよね…。もし分かれるなら確実にあたし…ユウマくんとだし。
「綾、ハヤトくんタイプだから一緒に回るね!美弥は…ユウマくんでいいでしょ?」
今のは、あたしにもユウマくんにも失礼でしょ。
「あの…最初から最後まで2人でっていうのは…ちょっと」
「安心して!最初は4人で回る」
:09/07/26 22:06
:P705i
:KoR1J.Ug
#17 [さ う す ぽ ー]
その言葉どおり、最初は4人で回った。あたしは綾那にベッタリだったけど。
しかし、その時間にも終わりが来てしまった。
「そろそろ…2:2で分かれよーっ!綾、ハヤトくんがいいなぁ」
ハヤトくんは少しニタリと笑う。そりゃ、綾那のあんな目に見つめられれば仕方ない。
「じゃあ俺、綾那ちゃんと行くから。そっちは大丈夫?」
「ああ」
「そか。じゃ、行こ!」
行ってしまった。
:09/07/26 22:11
:P705i
:KoR1J.Ug
#18 [さ う す ぽ ー]
「ねえ、あんた。何か乗んの?乗りそうには見えないけど」
「あんたって……ジェットコースターくらい、乗って帰るわよ…」
「あっそ。なら行く?」
「うん…」
失礼だし、気遣いがない。ただ単に冷たいだけ。
「名前なんていうの」
「…美弥」
「ふーん」
聞いてなかったんだ。やっぱり失礼な人。
それに、横に並ぶことさえしてくれない。あたしが見れるのは、後ろ姿だけ。
:09/07/26 22:17
:P705i
:KoR1J.Ug
#19 [さ う す ぽ ー]
後ろ姿だけなのに、なんとなく威圧感がある。羽織っている白いパーカーに黒髪がよく映える。
「俺いいわ。あんた乗ってきなよ」
「えっ?…苦手なの?」
「そうじゃねえ」
苦手なんだ。
黙っといてあげるけどさ。
「行ってくる…ね」
「行ってらー」
ユウマくんは、どこまでもテキトーな雰囲気を醸し出す。あたしにとっては、少し絡みづらい。
:09/07/26 22:24
:P705i
:KoR1J.Ug
#20 [さ う す ぽ ー]
「早かったね」
「そうでもなかったけど」
ジェットコースターが一周して、ユウマくんの待つベンチへ向かう。ユウマくんは目を瞑って寝ていた。
「遊園地…嫌い?」
「そうじゃねえ」
「それ…口癖?」
「そうじゃねえ…っ」
「口癖かぁ」
クールで絡みづらいんだけど、からかうと面白い。…あたしってSなのかな?
少し笑った後、ユウマくんから「お化け屋敷に入ろう」と提案があった。
時間も稼げそうだし、面白そう!迷わずOKした。
:09/07/26 22:35
:P705i
:KoR1J.Ug
#21 [さ う す ぽ ー]
「お化け屋敷とか…あんた怖がらないんだな」
「あたし結構得意なの」
「へぇ」
あたしの呼び方は変わってなかったけど、そんなことは気にしない。気にしてたらユウマくんとは付き合えない。
「行ってらっしゃーい」
妙にニコニコしているスタッフに見送られて、照明の落とされた建物内に入った。中は寒くて、身震いする。
「寒くないの」
「平気。上着持ってきたから」
「準備万端だな…可愛いげのない女」
「失礼なこと言わないでよね」
:09/07/26 22:42
:P705i
:KoR1J.Ug
#22 [さ う す ぽ ー]
「…あんた高2だろ」
「そうだけど…?」
「俺高1」
「…へーっ」
焦って、活動を早めるあたしの心臓。お化け屋敷が怖いのか、ユウマくんの言葉に動揺してるのか分からない。
だって「悠真くん」は1歳年下。
まさかまさかまさか。そんなはずはないよね?「悠真くん」はこんな人じゃないもん。人懐っこくて、明るい子だもん…ね?
「ハヤトくんは…1年?」
「2年だよ」
「そうなんだっ…」
「…幼なじみだから、引っ張られてきた」
「ふーん」
:09/07/26 22:53
:P705i
:KoR1J.Ug
#23 [さ う す ぽ ー]
1歳年下で、この街に住んでいる。可能性…低くはない。
“ユウマくん”は“悠真くん”?
「俺さ、小さい頃事故に遭ったんだよね」
「…」
「どうした?お化けが怖くなった?」
「違うよ…」
「ふーん?…4歳の時だったかなー、痛かったなー」
謝ってしまいそうになるのを直前で止める。まだ…まだ分からないんだから。
「車に轢かれた」
ユウマくんがぽつりと嘆いた瞬間、外の明るい世界が目に飛び込んできた。
:09/07/26 23:08
:P705i
:KoR1J.Ug
#24 [さ う す ぽ ー]
「…気付いてんだろ」
ドキッとする。
やっぱり…悠真くんなの?
「美弥ちゃん」
「へっ」
「仲良かったんだよね。1歳年上でさ、この街に住んでた」
気付いてる。ユウマくんも。あたしが「美弥」だということ。
あたしが悠真くんの手を振り払った、美弥だってこと。
「…ごめん」
それしか言えなかった。伝えることも、それだけだったかな。
:09/07/27 14:11
:P705i
:O8avHoUs
#25 [
]
面白いです

続き気になる〜
:09/07/27 14:53
:N906i
:j.CHTS4o
#26 [さ う す ぽ ー]
:09/07/27 15:02
:P705i
:O8avHoUs
#27 [さ う す ぽ ー]
>>24
自然とユウマくんの手に目が行く。…あたしはこの手を、
「手、触ってもいい?」
「…ああ」
何の躊躇いもなく、あたしはユウマくんの手を持ち上げる。
「ごめん…ごめんねぇ…」
涙が溢れる。
あたしには温かすぎる。ユウマくんのこの手は。
「俺…さ、」
:09/07/27 15:10
:P705i
:O8avHoUs
#28 [さ う す ぽ ー]
話しかけられて、あたしは顔を上げた。想像してたよりも、ずっと綺麗な顔。
「“美弥ちゃん”のこと、好きだったんだよ」
驚きを隠す術を、あたしは知らなかった。繋いだままの手を、ユウマくんは自分の方に引き寄せた。
「美弥ちゃん」
「…悠真、くん」
記憶が一気に蘇ってくる。たくさん遊んだね。たくさん笑ったね。悠真くん。
好きだったよ、悠真くん。
「付き合って、美弥ちゃん」
:09/07/27 15:22
:P705i
:O8avHoUs
#29 [さ う す ぽ ー]
冗談とは思えない、真剣な目。本気だ。
「う…ん」
「…ほんとに?」
ほんとだよ。嘘なんかじゃないよ。だって…あたしは知ってたよ。
悠真くんがあたしのこと好きだってこと。ずっと知ってたんだ。
「今度はこの手、振り払ったりしないでね?」
いつになくにっこりと微笑んで、手の甲に軽くキスを落とす。
──「美弥ちゃん好きっ!」
*fin*
:09/07/27 15:35
:P705i
:O8avHoUs
#30 [さ う す ぽ ー]
:09/07/27 15:42
:P705i
:O8avHoUs
#31 [さ う す ぽ ー]
:09/07/28 23:26
:P705i
:MQDAGHX.
#32 [さ う す ぽ ー]
※読む前に
「その手を握らせて」は
「その手に触れさせて」
の続編になります(^ω^)
「その手を握らせて」を
読む場合には、前作を読
んで頂くことをおすすめ
します……(´・ω・`)*
:09/07/28 23:31
:P705i
:MQDAGHX.
#33 [さ う す ぽ ー]
月日はあっという間に過ぎ去り。悠真くんと付き合い始めてからもう2ヶ月が経とうとする。
ちなみに、あたしたちより1週間遅れではあったものの、綾那とハヤトくんも付き合い始めたらしい。
「ダブルデートしようよ!」
だからこそ、こんなことを言うのだ。
「ダブルデート…って言ったってどうせ最初だけじゃん」
「それはー…そうじゃん?」
「何それっ…」
:09/07/29 00:03
:P705i
:YRmdH/U.
#34 [さ う す ぽ ー]
「だってほら…“ダブルデート”って響きが良くない!?」
「響きの問題なの?」
「…美弥だって遊びたいんじゃないの〜?進展したいんじゃないの〜?」
「なっ…」
それはそうだ。
悠真くんとは週に2日か3日は会う。会って話して、たまにキスしちゃったりして。
…まあ、その先は無いわけで。
「綾、2人が仲良く手繋いで姿が見たいな!」
うっ…。
手、繋がなきゃ駄目ですよね。
:09/07/29 00:09
:P705i
:YRmdH/U.
#35 [さ う す ぽ ー]
>>34 綾の台詞「る」が抜けてました(´;ω;`)すみません。
‐‐‐‐‐
「ねっ?行こ!」
「分かったぁ」
結局流されるのはあたし。着いていくのはあたし。
「久しぶりだね、美弥ちゃん」
「あー…はい」
「知ってるとは思うけど、俺…綾那の彼氏になりました!」
「おめでとうございます」
今日は、綾那の楽しみにしていた“ダブルデート”の日。
:09/07/29 00:17
:P705i
:YRmdH/U.
#36 [さ う す ぽ ー]
ハヤトくんのテンションの高さに驚きながら、何とか挨拶を済ませる。悠真くんと綾那も何か話していたようで、笑い合っている。
あたしの前であんなに笑う?
「うわー怖いな。悠真かっこいいから綾那奪われそう」
「ハヤトくんもかっこいいですから大丈夫ですよ、きっと」
「へへ…そう思う?」
照れ笑いをしながら頭を小さく掻く姿は、悠真くんには見当たらない。ハヤトくんが新鮮に思える。
「お話は終わったのかよ」
「そろそろ行こっかー」
綾那と悠真くん…美男美女で、これもお似合い。大人みたい。
それに比べてあたしは、
:09/07/29 00:26
:P705i
:YRmdH/U.
#37 [さ う す ぽ ー]
「行くぞ」
視界が揺れて、悠真くんに腕を捕まれたことを理解する。
ふと横を見ると、綾那とハヤトくんはカップル繋ぎをしていた。甘い洋菓子みたいな雰囲気。
「いいなぁ…」
あたしたちは一体どんな雰囲気なんだろう。あたし、連行されてる人みたい。それにやっぱり…
後ろ姿しか見れない。
「ハヤトっ、綾これのこと言ってたんだぁ!美弥たちも来てっ!」
綾那たちの足が止まった。綾那の指先が巨大な建物を指差す。
「巨大迷路?」
綾那の説明によれば、迷路は迷路でもゴールは何種類かあるらしく。それぞれのゴールに『心が元気になる言葉』が書いてあるらしい。
:09/07/29 00:36
:P705i
:YRmdH/U.
#38 [さ う す ぽ ー]
「綾たち、先行ってくる!ゴールまで行ったら、あとは自由ってことにしよ!」
「うん、分かった」
ニコニコ笑顔の2人は、瞬く間に暗闇の中に吸い込まれていった。
「俺らも入る?」
「うん…」
あたしたちも中に入った。入場料を払うときに「兄妹じゃないよね?」って言われたのは…誰にでも言ってると分かってるけど、ショックだった。
手と手が、遠い。
「…今日、2ヶ月記念日だって知ってた?」
「ああ」
「そっか…だよね!」
暗闇なのを良いことに、あたしの涙腺はどんどん緩んでいく。理由も分からぬままに。
:09/07/29 00:45
:P705i
:YRmdH/U.
#39 [さ う す ぽ ー]
「当たり前だよね〜…っ」
無理してること。気付かないで欲しい。気付いて欲しい。
バラバラの感情がひとつになろうとして、あたしの中で渦巻いた。
「美弥の友達。綾那さん?綺麗だったな…美弥ももっと色気出せよ」
「…う、ん」
軽い冗談…ってことにさせてね?じゃないとあたし、耐えられそうにない。声を上げてしまいそうだから。
「話すこと無くなってきたよな、最近」
「そっ…うかなぁ…」
「最初は思い出話で盛り上がってたけどさ…もうネタ切れ?」
:09/07/29 00:53
:P705i
:YRmdH/U.
#40 [さ う す ぽ ー]
──「美弥ちゃん好きっ!」
あれは…恋愛感情じゃなかったのかな。…そうだよね。小さいのに、そんなの分かるわけないし。
たとえ恋愛感情だったとしても…それがずっと続くことなんて、あるのかな?
教えてよ…っ
「別れ「やっ…」
思わず声を上げてしまったことに自分でも驚く。今あたし、何を思い浮かべた?
「どうかした?」
「何でもない…」
その声が…いかにも「面倒な女」だと言われているようで、傷付く。チクチクと痛い。
:09/07/29 01:01
:P705i
:YRmdH/U.
#41 [さ う す ぽ ー]
「分かれ道だけど…どっち行く?って聞いたのに。何考えたの?」
すっと血の気が引く。嫌だ…悠真くんと別れたくなんかない。好きなのに…別れるなんて…
「ねえ、」
あたしは走り出した。
聞きたくない。別れ話なんて。
もし悠真くんの口から別れ話しか出てこないなら、あたしは口を閉ざすよ。話せなくてもいいから、傍に居たいんだ。
「う…っ」
一心不乱に走った。ねえ、早くあたしの心を元気にして…
言葉を頂戴。
:09/07/29 01:08
:P705i
:YRmdH/U.
#42 [さ う す ぽ ー]
小さく小さく、光が見えた。きっとあの先に、言葉があるんでしょう?“元気”にしてくれるんでしょう?
「はぁっ…っ…ぅっ」
あった。
ご丁寧に額縁に入れられて、役目を果たそうとしている文字が。
「…あれ?おひとり、ですか?」
声を掛けられたけれど、そんなのもう気にしてられない。
早く、行かなきゃ。
あたしはいつも、あと一歩を踏み出せないだけ。
:09/07/29 01:14
:P705i
:YRmdH/U.
#43 [さ う す ぽ ー]
来た道を戻る。悠真くんに辿り着けるのか分からないけれど。
『大丈夫。案外うまくいくよ』
こんなにぴったりの言葉に出会えるなんて。
「ゆ、悠真くんっ!」
あたしが頑張らなきゃいけないんだよね。人任せじゃ駄目なんだよね。
「なんだよ」
思ったとおり冷たい。でも、あなたのこの手にしがみついていたいの。
「あっ…綾那のこと、好き…みたいな言い方しないで!」
:09/07/29 08:59
:P705i
:YRmdH/U.
#44 [さ う す ぽ ー]
「は?」
「冷たくしないでっ…ふぇ」
「何言ってんの?」
「好きなの…離れてかないで」
馬鹿みたい。バカ。
こんなので分かってくれるかな。こんなあたしの言葉で…
「…へ、」
悠真くんに抱き締められる。
「離れてったのそっちじゃん」
顔が見たいのに、見れない。後ろ姿さえも、見れない。
「俺の台詞だから」
:09/07/29 09:09
:P705i
:YRmdH/U.
#45 [さ う す ぽ ー]
「離れてくなよ」
「離れないよ…絶対」
悠真くんのことが、こんなに好きだとは知らなかった。
「…美弥こそ、あんまハヤトと仲良さそうにすんなよ」
悠真くんの腕から解放されて、真っ先に顔を見る。あ…赤くなってる?
「ハヤトのこと好きになんじゃねえかって、滅茶苦茶心配だったんだからな」
「悠真くん…?」
やきもち、かなぁ…。そうだったらちょっと嬉しいかも。
「だから、八つ当たりした。ごめん」
しゅんとしてしまう悠真くんに、不覚にも胸がときめいた。
:09/07/29 09:28
:P705i
:YRmdH/U.
#46 [さ う す ぽ ー]
「あたしのこと、好き?」
聞いちゃった。図々しいけど、確かめずには居られない。
「うん…自分で思ってたより好きみたい」
嬉しさに、引っ込んでいた涙がまた顔を出す。
「手…っ、繋ごう?」
「うん」
躊躇してしまって、ゆっくりゆっくり腕を伸ばしていると、ぱっと手を掴まれた。
「やっと繋げたね?」
「う、うん」
ドキドキする。体が振動しているんじゃないかっていうくらいに。
「今夜はお泊まりだよね?記念日だし」
:09/07/29 09:41
:P705i
:YRmdH/U.
#47 [さ う す ぽ ー]
「なんか美弥…肌つやつやしてるよねー?もしかして、「言わないでっ!」
「へえ〜ついに美弥が」
「もう…っ」
そりゃ、あの日の夜は…甘い時間を、ね。
「あっ、美弥お迎えじゃなーい?ラブラブじゃんっ!」
「ーっ!じゃーね!」
「ばいばーい」
帰りは悠真くんのお迎えが当たり前になって、手も繋ぐようになった。
これからもこの手を握らせてね。
*fin*
:09/07/29 09:48
:P705i
:YRmdH/U.
#48 [さ う す ぽ ー]
:09/07/29 09:54
:P705i
:YRmdH/U.
#49 [さ う す ぽ ー]
:09/07/31 00:05
:P705i
:gyOo3Cyg
#50 [さ う す ぽ ー]
『はぁ?好きなんかじゃないよ、あんな奴!寧ろ嫌い…みたいな?』
小学6年の初夏だったと思う。あたしの所属する仲良しグループでは、クラスメイトの村山 翔(むらやま かける)の話題で持ちきりだった。
『猿じゃんね〜あれは!』
良い意味ではなく、悪い意味で。実はその村山。グループ内では嫌われ者だったのだ。
:09/07/31 00:29
:P705i
:gyOo3Cyg
#51 [さ う す ぽ ー]
あたしは、村山を嫌いではなかった。いや…「好きだった」と言った方が早い。
しかし、グループの中で一人だけ「村山のことが好きだ」と言うことは出来なかった。
小学校を卒業するまでずっと、このことは誰にも言わなかった。
中学生になり、同じ中学に進んだ村山とはクラスが離れた。しかし、何も感じなかった。
気持ちを押し込めていたから。
:09/07/31 00:37
:P705i
:gyOo3Cyg
#52 [さ う す ぽ ー]
「花菜のコイバナって全然聞かないんだけど」
満山 花菜(みつやま かな)。それがあたしの名前。
どうしてこんな名前になったのか教えてくれないけど、今はすごく感謝している。
だって…
「そもそも好きな人が居ないの」
村山とイニシャルが同じだから。…これじゃまさに「恋する乙女」。
:09/07/31 00:44
:P705i
:gyOo3Cyg
#53 [さ う す ぽ ー]
「違ったらごめん…レズ?」
「違うしっ!!」
それにね、苗字の「山」も一緒なの。運命みたいでしょ?
「花菜の好きになりそうな人…」
「探さなくていいのっ!」
まあ…今は村山のこと、そこまで好きなわけでもないんだけどさ。
小学生の頃は、独りでキャッキャしてたんすよ。共通点探してみたりしてね。…今思えば相当恥ずかしいけどさ!!
:09/07/31 00:49
:P705i
:gyOo3Cyg
#54 [さ う す ぽ ー]
「でも…瑠衣(るい)がこんなに早く彼氏つくるとはね…」
「しょーがないじゃん!告られたんだもーん」
「っ、自慢?」
「そっ!自慢」
数は少ないものの、周りはカップルだらけ。あたしにはまだ彼氏というものは居ない。
だってまだ…中2じゃん。
「前から気になってたんだけど、付き合って何するの?みんな形だけじゃない?」
「それはそうだな〜」
みんな「付き合っている」とは言いながら、何もしていない。
:09/07/31 08:44
:P705i
:gyOo3Cyg
#55 [さ う す ぽ ー]
カレカノで一緒に帰っている姿を見ることは稀にしかない。ましてや休日に遊ぶなんて、聞いたこともない。
「今の2年って“お利口さん”って感じじゃん?その分、消極的とみた!」
「ふーん…」
確かに、今の2年は大人しい。1年と3年はどちらも男女仲が良い。
3年に関しては、一緒に帰るのを見るのは普通だ。遊んでいる姿も何度か見た。
:09/07/31 08:52
:P705i
:gyOo3Cyg
#56 [さ う す ぽ ー]
「あたしは“彼氏”要らないや」
「え〜…何で?」
「高校生になってからで充分」
「…まあねー」
まあねーとか言うんなら別れれば良いのに。瑠衣、矛盾だよ。
* * *
「満山、ちょっと」
…?誰だ?
「いーから、早く」
…何も良くないと思うんですが。
「着いてきて」
:09/07/31 08:59
:P705i
:gyOo3Cyg
#57 [さ う す ぽ ー]
「一体何だっていうのよ…大体こいつ誰?」
「聞こえてるからな」
体が強張って、あたしは口を閉ざした。返り討ちにあうなんてとんでもない。
「入って」
「ちょ、だってここ」
「いーから」
「何も良くない…っ」
あたしは教室に放り込まれた。それも違うクラスの。
違うクラスの教室には、入っちゃいけないのに…
:09/07/31 09:04
:P705i
:gyOo3Cyg
#58 [さ う す ぽ ー]
もしかしてイジメ?とか思いながら辺りを見回すと、真ん中に座っている人を見つけた。
やっぱりイジメなの!?でも男子だよね?男子が女子をいじめるなんて、卑怯だぞ!!
「あっ…!」
その人がゆっくりとこっちを向いた。
「…よぉ」
「なに…何するの!」
村山…もしかして小学生の時の恨みを今、あたしにぶつけようと!?
:09/07/31 09:26
:P705i
:gyOo3Cyg
#59 [さ う す ぽ ー]
た、確かに…気持ち悪いだの嫌いだの言ったかもしれないけど!本気じゃなかったよ…許してー!
「満山…ごめん」
嫌だ…殺さないで…
まだ生きたいの!
「俺、満山のことが好きです。付き合ってください」
あ、なーんだ。そういうことね。殺されるとか、あたし馬鹿らしいね!
…て、えー!!!!????
「あたっ、あたしあんたのこと嫌いなんだからねっ!?覚えてないわけ?」
「覚えてるよ」
:09/07/31 09:31
:P705i
:gyOo3Cyg
#60 [さ う す ぽ ー]
「ずっと好きだった。嫌いだってばかり言われて、ちょっと傷付いてた」
「ちょっ…」
「まあ…考えといて」
村山はそれだけを言って、そそくさと教室を出ていく。
「考えといてって…」
“好き”なの?村山があたしのことを?あれだけ嫌って…るフリしてても。
* * *
「瑠衣…あたしね…告られたっぽいんだぁ」
:09/07/31 09:40
:P705i
:gyOo3Cyg
#61 [さ う す ぽ ー]
「えっ!?花菜が?すごいじゃん!で、誰に?」
「村山…」
「…あちゃー」
瑠衣は小学校が同じ。当時は特別仲が良かったわけじゃないけど、事情は知っている。
だけど、あたしが村山のことを好きだったということは知らない。
「断ったの?」
「返事する前に帰っちゃったの!考えといてって」
「ふーん」
「ね、どうすればいいと思う?」
「そんなの自分で考えな」
「えーっ!!」
:09/07/31 09:46
:P705i
:gyOo3Cyg
#62 [さ う す ぽ ー]
「あ、でもー」
「なになにっ?」
「返事は早くした方が良いと思いまーす」
「えーっ!!」
正直、迷っている。本当は気になってる。付き合っても構わない。
けど…周りの目が。
小学校が同じ人はいくらでも居る。ほとんどの人が事情を知っている。
そんな中で付き合うのは、恥ずかしい。
「…花菜?」
「へっ、何?」
「お顔が赤いでちゅよー?」
「大丈夫っ!!」
:09/07/31 09:55
:P705i
:gyOo3Cyg
#63 [さ う す ぽ ー]
数日後。グループの中に居た、リーダー格のリサがあたしを訪ねてきた。
「村山に告られたって、ほんとの話?…軽く噂になってたよ」
「あ…うん。ほんと」
「返事…は?」
「まだ、してない」
「そっか…じゃ」
「うん…」
噂の真相を知りたかっただけなのか、リサは自分の教室に戻っていった。
* * *
“リサが村山に告ったらしいよ”
:09/07/31 10:06
:P705i
:gyOo3Cyg
#64 [さ う す ぽ ー]
「リサちゃん…村山のこと好きなのに嫌いとか言ってたのかな?愛情の裏返し?」
「そう、かもね」
「これで村山がOKしたら、花菜は何だったんだって話だよねー」
「瑠衣…どうしよ」
心臓の音が鳴り止まない。焦る気持ちが先走りする。
「…どした?」
「あたし…あたし」
言ってしまっていいの?
あたしの中に潜む、もう1人のあたしが囁く。
言ってしまったら、あたしだってリサと同じ。「愛情の裏返し?」って笑われてもおかしくない。確実に笑われ者。
:09/07/31 10:14
:P705i
:gyOo3Cyg
#65 [さ う す ぽ ー]
「…花菜。好きなら好きって言いな?ほんとの気持ち分かんなくなっちゃうよ」
「うん…そうだね」
結局、瑠衣に本当の気持ちは打ち明けられなかったけど。もう気付いただろう。
でも…村山に言うなんて、そんなこと。出来そうにないよ…
* * *
「いつまで待たせんの」
「あんたには関係ないでしょ!?」
「関係ある」
:09/07/31 10:21
:P705i
:gyOo3Cyg
#66 [さ う す ぽ ー]
ある日の放課後。あたしを呼び出した人物・永井にまた呼び出された。
「返事はちゃんとする」
「…あんまり遅いと藤崎の方にOKするかもよ」
「リサに…あたしには関係ないことだし」
「意地っぱりだね」
「違うしっ」
永井の言うことは当たっている。事情もある上、あたしは意地を張ってしまう性格なのだ。
村山も何も言わないから、ついつい先延ばしにしてしまう。うじうじして、答えを出せない。
:09/07/31 16:02
:P705i
:gyOo3Cyg
#67 [さ う す ぽ ー]
このまま、まだ先延ばしにするつもりだったのに。答えを出さなければならない時が来てしまった。
「ごめん…俺、せっかちで」
「あぁ、や、うん」
今度は村山から呼び出しを食らった。さすがに待たせすぎた…よね。
「少しは…考えた?」
少しどころじゃない。迷いに迷った。今もその途中なんだ。
言うか、言わないか。
気持ちはもう1つに絞られてしまったのに、こんなことで悩むなんて。
:09/07/31 22:52
:P705i
:gyOo3Cyg
#68 [さ う す ぽ ー]
好きなのに。
好きなのに、好きなのに。
どうして好きだと言えないの?自分に苛立つ。自分に呆れる。意地っぱりも良いところだ。
「あの…?」
「あのっ!順を追って説明したいの。…今日、一緒に帰れない?」
自分自身が言ったことに、自分自身が驚いてしまう。
「いいっ、いいよ!?」
部活への言い訳とか、帰りのルートとか。色々言い出しちゃって、思わず吹き出してしまう。
:09/07/31 23:09
:P705i
:gyOo3Cyg
#69 [さ う す ぽ ー]
「じゃあ、帰りね」
「正門で待ってるよ」
「うん」
残りの授業は、終わるのが待ち遠しかった。帰りのことを想像しては、胸を躍らせていた。
「お待たせー」
「いやっ、待ってない」
「行こ!うまく言い訳出来た?」
「それは…大丈夫」
案外落ち着いて話せている自分が不思議に思えてくる。
「あそこの階段なら死角になってて見えないんだー。3年の人がいっつもここで話してるの」
:09/07/31 23:33
:P705i
:gyOo3Cyg
#70 [さ う す ぽ ー]
帰宅部のあたしは、よく3年のカップルによく遭遇する。見るのは決まってこの階段。
遊歩道の途中にあって、人目も気にならない。
「じゃ、ここで」
「うんっ」
2人並んで階段に座る。遊歩道より高さが低いため、何処か安心する。
「…返事の前に、ちょっとだけ話聞いてくれない?」
「もちろん」
「…ごめん。小学生の時は。あたしほんとは…気持ち悪いとか嫌いとか、思ってなかったよ」
:09/07/31 23:40
:P705i
:gyOo3Cyg
#71 [さ う す ぽ ー]
>>70 「よく」が2つもあるし…(´pωq`)すみません
‐‐‐‐‐
「流されてた部分もあったんだ…ごめんね」
「そんな、謝らなくていいよ!俺だって、自分のこと気持ち悪いと思うし」
「そんなことないよ…」
たくさんの言葉が、態度が、村山をどれだけ傷付けたのだろう。
「村山はかっこよくなったよ…かっこいいよ!」
「いやぁ…そんな」
:09/07/31 23:45
:P705i
:gyOo3Cyg
#72 [さ う す ぽ ー]
「村山はかっこいいよ」
あぁ…感じ取ってくれないかな。あたしのこの気持ち、この想い。
好きだと言えないの。
意気地無しのあたしは。
「…分かった!」
「え!?」
「無理に付き合ってとは言わないから。俺のこと、嫌ってないって言ってくれない?」
え?…何だか拍子抜け。
「嫌って…ない」
「うん!サンキュ!それだけで充分っす!」
充分って…
:09/07/31 23:54
:P705i
:gyOo3Cyg
#73 [さ う す ぽ ー]
「人来ちゃうとまずいでしょ?噂って怖いから、変な方向に行っちゃうし」
「あ、あの…」
「じゃー!話せて良かった。夢みたいだった」
「村山っ」
すたすたと歩き去っていく村山。このままで…良いわけないじゃん!!
「村山ぁーっ!!」
村山は無言であたしの方を振り返る。言わなきゃいけないんだ。
「あたし、村山のこと好き!」
:09/08/01 00:02
:P705i
:CTlrkpX6
#74 [さ う す ぽ ー]
それだけを言って「言っちゃった…叫んじゃった…」なんて思っていると、村山が走ってくる。
あたしとの間を2メートルくらい開けて、村山は立ち止まる。
「…はあっ…作戦成功」
「…は?」
「だから言っただろ」
「お前の言うことに間違いはねえって分かったよ」
「ふんっ」
え、何?何の話?着いていけてないんですが。
「何?」
「俺がちょっと入れ知恵してあげたの。あんたが好きだって言うようにね」
さらっと言ってしまったのは、永井。そういえばこいつ…テストいつも1番!
:09/08/01 00:09
:P705i
:CTlrkpX6
#75 [さ う す ぽ ー]
「満山…俺と付き合って」
「断っても、あんたが翔のこと好きだっていうのはバレるけどな」
お…脅し!?
まあ…あたしだって
「断るつもりなんて、これっぽっちも無いんだけど?」
*fin*
:09/08/01 00:12
:P705i
:CTlrkpX6
#76 [さ う す ぽ ー]
:09/08/01 00:18
:P705i
:CTlrkpX6
#77 [さ う す ぽ ー]
:09/08/02 00:14
:P705i
:l1TuNHaQ
#78 [さ う す ぽ ー]
「あの…くるみ?」
「なーに?けーちゃんっ」
今日はけーちゃんの家にお邪魔して、2人でDVD鑑賞。
2人きりだから、少し緊張…。
「突然だけど…1週間後アメリカ行くことにした」
「えっ…?」
どういうこと…?
けーちゃん…アメリカ行くの?
なんで…なんでー!?
「いやっ、そーじゃなくて」
「やだっ!やだやだ!!」
「あの、聞いて?」
:09/08/02 21:50
:P705i
:l1TuNHaQ
#79 [さ う す ぽ ー]
「行かないって言うまで、もう会わないんだからねっ!!」
「くるみ、お願いだから…」
* * *
「…で、逃げてきたわけねー」
「うん…独りは寂しかった」
「恵太さんも大変だ…」
今は、場所を喫茶店に変えて、友達の有紗とお話中。
有紗は頼りになるお姉さん的存在なんだ!
「だって…もうちょっと早く言ってくれたら私だって…」
ちょっとだけなら、考えたかもしれないのに…!!
「くるみは子供っぽいとこあるからね…年上の恵太さんとよく釣り合ってるよ」
:09/08/02 22:03
:P705i
:l1TuNHaQ
#80 [さ う す ぽ ー]
「子供っぽくなんかないよ!標準だよー!!」
「はいはい。で、あんたどーするつもり?軽くケンカみたいな状態なんでしょ?」
「うん…どうしよう!?」
「あんたね〜ちょっとぐらい後先考えなさいってば!」
「ごめーん…」
こうやって有紗のとこに相談を持ち込むのは毎度のこと。
悪いとは分かってるけどー…
「大体あんたが一方的にやってんだから、さっさと謝っちゃえばいーじゃん」
「そしたらっ!アメリカ行っちゃうもん…」
それだけはいや!!
絶対一緒に居る!!
:09/08/02 22:10
:P705i
:l1TuNHaQ
#81 [さ う す ぽ ー]
「有紗ぁーどうにかしてー!」
「どうにかって言われましても…あたしには」
「有紗さまっ!!」
「今回はあたしの関わる問題じゃないでしょ?くるみが自分で解決しなさい」
えー…!!
私が?無理だよ…。
でも、どんな手を使ってでもけーちゃんを止めなきゃ!
* * *
「あの、さぁ…自分でどうにかしろって言ったよね?あたし」
「やっぱり独りじゃ寂しいの。有紗の所に泊めてっ!」
「なんでよー!てか、毎晩独りだったよね!?」
:09/08/02 22:17
:P705i
:l1TuNHaQ
#82 [さ う す ぽ ー]
「いいでしょ!入ーれーてー」
「明日、ちゃんと恵太さんと話すって約束する?」
「…するからっ」
「…どうぞ」
明日かぁ…言わなきゃ。私も、根性あるってとこ見せなきゃ!
「…って、あれ?」
「どしたの?」
「やばい…」
「何がよ?」
明日、けーちゃん行っちゃうんじゃない!?明日…だよね?えー!!どうしよう!?
「明日…行っちゃうのかも」
「かもって…」
「行っちゃう!!」
:09/08/05 21:38
:P705i
:gVz9PZ4.
#83 [さ う す ぽ ー]
「あんったねぇ〜!毎日毎日、ぼけっとして過ごしてんじゃないわよ!!」
「ごめーん…」
「どーすんの!?もうあたしは知らないよー」
「…けーちゃん家行く」
いつ日本に帰ってくるのかも分かんないのに、アメリカなんて遠い所…
「着いてきて…?」
「…わかった」
私は、けーちゃん家に行くことにした。けーちゃんと話をしに。
* * *
「え〜っ!?」
:09/08/05 21:47
:P705i
:gVz9PZ4.
#84 [さ う す ぽ ー]
「なに?」
「鍵かかってる…けーちゃん、ここに居ない」
もう…行っちゃった?でも、1週間後って。確かにそう言ったのに。嘘なの?
「どこ…に…」
「あー…ほら!実家じゃない?実家だったら空港にも近いって、言ってなかった?」
そうだ…。前に言ってたことがある。じゃあ今は…実家に居る。
でも…実家なんて行ったことないよー…。
:09/08/05 22:48
:P705i
:gVz9PZ4.
#85 [さ う す ぽ ー]
「くる「決めた!」
私…
「明日…誰よりも早く空港に行って、けーちゃんを待つ!けーちゃんを止める!」
きっと会える。絶対会うもん。
「そんなに簡単じゃないとは思うけど……頑張ってね」
有紗…そんなこと言ってくれたの初めてじゃない?…嬉しすぎるっ!!
「ありがとーっ!!」
「うん…っ」
有紗も私も疲れたから、そのまま有紗の家へ帰った。何だかんだ言って、有紗はやっぱり優しい。
:09/08/05 22:56
:P705i
:gVz9PZ4.
#86 [さ う す ぽ ー]
「くーるーみー!?誰よりも早く空港に行って、恵太さん止めるんじゃなかったっけー?」
「んー…あぁあ!!」
寝ぼけてた!あ、いや、寝てたんだけど…ってどうでもよくて!!
「行く!行こう!?」
「おっけ〜」
「ん!?有紗何でお洒落してるの?メイクまで…」
「早起きしたのー」
「ずるいっ!!何で私も早く起こしてくれなかったの?」
Tシャツと短パンにサンダルを引っかけて、しかも素っぴんのままで、有紗の家を飛び出した。
:09/08/05 23:16
:P705i
:gVz9PZ4.
#87 [さ う す ぽ ー]
タクシーに乗り込んだ。間に合いますように!
「ずるいよ〜私にも何かして」
「何か…?じゃ、簡単にねっ」
「わぁ!やったー!!」
運転手さんが近道をしてくれたのか、思っていたよりも早く空港に着いた。
「どこっ!?けーちゃーん!!」
なかなか見つからない。相当早く出てきたはずなのに、もうこんなに人が居るもんなのー?
泣けてくる。
「…けー、ちゃん」
:09/08/05 23:29
:P705i
:gVz9PZ4.
#88 [さ う す ぽ ー]
もう、行くとか行かないとかどうでもいいから、早く会いたい…
「うっ…泣くな!泣くな泣くな」
ここは空港。ここで泣いたら、色んな人に迷惑かけちゃうじゃん。
「駄目っ!泣いたらだめーっ」
もうっ!止まんないよ!どうしてくれんのよ!けーちゃん!!
ぼろぼろ、ぼろぼろ。しゃっくりみたいなのも止まんない。呼吸が落ち着いてくれない。
「どうされました?」
やば…っ
「…お嬢ちゃんいくつ?」
:09/08/05 23:38
:P705i
:gVz9PZ4.
#89 [我輩は匿名である]
おまんこ
:09/08/06 02:56
:N705imyu
:VTKNjFr2
#90 [ゆか]
:09/08/06 03:50
:P01A
:VwJZeZSY
#91 [さ う す ぽ ー]
書き込みびっくりした…
続き書きます(´・ω・`)
‐‐‐‐‐
>>88
お…お嬢ちゃんっ!?どう見たってそんな年じゃないでしょ!
「なんでも…ないっ、です!」
うわぁ…説得力ないな。って自分で思った。
「大丈夫…なんですか?」
うるさいなぁ…!!
「もうっ「すみません」
:09/08/07 23:34
:P705i
:dqDpUo.w
#92 [さ う す ぽ ー]
「あっ…お連れ様、ですか?」
「はい、まあ…そんなのです」
そんなのって…けーちゃん?どうしてここに居るの?まだ…行ってなかったの?
「け…けーちゃん?」
無言で引っ張られていたけど、聞きたいことがいっぱいある。
「アメリカは…?まだ行ってなかったんだねっ…」
「忘れ物したの」
忘れ物…かぁ。だよね。行くの止めたとか、そんな都合のいいような話じゃないよね…
:09/08/07 23:45
:P705i
:dqDpUo.w
#93 [さ う す ぽ ー]
「大事なもの…忘れてた」
「大変っ…何忘れたの?」
「…くるみ」
「え?なに?」
「くるみ連れてくの、忘れてた」
えっ…
それって…
「早く準備してね、ただの旅行なんだからさ」
旅行、だったんだぁ…
私、何勘違いしてたの?
早とちりしてたの?
「もうっ!忘れないでよ〜」
けーちゃんとの初海外旅行だ♪
*fin*
:09/08/07 23:51
:P705i
:dqDpUo.w
#94 [さ う す ぽ ー]
>>77-93 忘れたのは、
最後の最後で「続き」
出ちゃった(´;ω;`)
「続き」出さないよう
頑張ってたのにさっ←
またまたオチが微妙で
ございます(´pωq`)
お許しくださいませ。
>>94 おまけ(side有紗)
:09/08/07 23:57
:P705i
:dqDpUo.w
#95 [さ う す ぽ ー]
「あはっ、私けーちゃんと一緒にアメリカ行くんだよ〜♪」
「準備はいいの?」
「いーかな?有紗チェックして」
「何であたしが!?」
くるみはずるい。
「ごめんね有紗ちゃん、くるみが迷惑かけて」
「いえ、そんな」
「けーちゃん!行こっ」
一気に静かになった。
「いいなーあのポジション」
くるみに飽きたらあたしのとこに来てよ、恵太さん。
──ほんとにおわり*
:09/08/08 00:05
:P705i
:fsU2qBIY
#96 [さ う す ぽ ー]
:09/08/08 00:06
:P705i
:fsU2qBIY
#97 [さ う す ぽ ー]
:09/08/08 00:09
:P705i
:fsU2qBIY
#98 [さ う す ぽ ー]
:09/08/12 23:02
:P705i
:ZTvoy6.Q
#99 [さ う す ぽ ー]
──英里奈、絶対お金持ちの人と結婚するんだ〜!!
…小学生の頃からこんなことを言っていたあたし。
高校生になった今でも、お金への執着心は抜けていない。
そんなタチの悪いあたしは、自分で稼ごうとはせずに男に頼ってしまった。
最初は罪悪感もあった。
もうそんなもの…消え去ったけどね。
:09/08/12 23:16
:P705i
:ZTvoy6.Q
#100 [さ う す ぽ ー]
「隣歩かせるには良い女だと思ってたけどさー…あんまり酷かったから。別れよう」
「ふーん…だよねぇ。じゃーね」
フラれた。「彼氏」に。
あ、でも悲しくないです。
そこに愛情は無かったですから。
「あー…でもバッグくれたな…ヤサシイじゃん」
優しいのか。
易しいのか。
あたしには分からないけど。
「新しい人見つけなきゃー…」
:09/08/12 23:21
:P705i
:ZTvoy6.Q
#101 [さ う す ぽ ー]
泣く?有り得ません。
寧ろ笑顔です。
だって没収されなかったし。
あたしにくれた、たくさんのプレゼント。
前の彼氏とか「今まで貢いだ分返せ」なんて言ったからね。
あれは最低。
「ははっ、あたしの言うことじゃなかったし!」
まだ財布買ってもらってない!欲しいなぁ…
って。
また次のこと考えてるしねー。
:09/08/12 23:27
:P705i
:ZTvoy6.Q
#102 [さ う す ぽ ー]
* * *
「す…好きですっ!付き合ってください!」
まさかこんなあたしが。
告白されるとはね。
今までは自分からだったし。
それ以前に年上ばっかだったし。
「うーん…」
同級生とか新鮮!
「はい…よろしくお願いします」
「あ、えっと…うん」
「井上…優樹くん」
「優樹でいいよ!」
「わかった」
:09/08/12 23:34
:P705i
:ZTvoy6.Q
#103 [さ う す ぽ ー]
「優樹…」
「わぁぁ!すごい!城崎さんに名前呼んでもらえるなんて」
「大したことじゃないよー」
やっぱり年上の人とは違うな。喜んでる姿が可愛く思えてくる。
「あのっ…一緒に帰ってもらっていいかな!?」
「もちろんっ!」
今度はガッツポーズ。堪えきれずに爆笑してしまった。
「ふはははっ!!」
「え?何が可笑しいの?」
「優樹だよっ」
「え?…え?」
:09/08/12 23:39
:P705i
:ZTvoy6.Q
#104 [さ う す ぽ ー]
あたしと付き合って、良いことなんてあるのだろうか。きっとないのに。
「俺って、そんなに変?おかしいかな?」
こんなに喜ぶなんて…
「あ、優樹も。英里奈って呼んでね!“城崎さん”は変だから」
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴って、慌ててメアドを交換した。
優樹は本当に嬉しそうだった。
「何か嬉しそうじゃなーい?英里奈さーん」
「別に…嬉しいわけじゃないんだけどさっ…井上 優樹に告られた」
「へぇー付き合うの」
:09/08/12 23:45
:P705i
:ZTvoy6.Q
#105 [さ う す ぽ ー]
「うん…付き合うよ」
頭に財布がちらついた。
「英里奈…いいの?」
「え?」
「同級生だよ?」
「…いいよ」
自分で言うのは恥ずかしいけど、あたしはそこそこ綺麗な顔立ちをしていると思う。
今まで上手く欲しい物を手に入れてきたのも、この容姿のおかげ。
どうせ今までのあいつらなんて、あたしの顔目当てだ。
だからこっちも遠慮なく物をねだることが出来た。
:09/08/12 23:52
:P705i
:ZTvoy6.Q
#106 [さ う す ぽ ー]
どーせあっちだって、見栄張りたいだけなんだから。そのためにあたしを利用してるんだから。
その分の報酬。
「しろ…英里奈!」
「優樹ー」
裏門で待つようにメールが来ていた。あたしも早めに出たつもりだったけど、優樹の方が早かった。
「優樹、家どこ?」
「駅前のマンションだよ」
「…正門からのが早くない?」
優樹抜けてる。
:09/08/12 23:57
:P705i
:ZTvoy6.Q
#107 [さ う す ぽ ー]
「何でわざわざ、裏門なの?」
あたしは半笑いしながら、優樹に聞いた。
「だって…英里奈の家はこっちからのが近いじゃん」
びっくりした。
…それだけ。
まさかそこであたしの名前を出してくるとは、思わなかった。
「どうして、知ってるの?」
「そりゃー見てましたから!」
自然に。自然現象で。
あたしの顔面が笑った。
:09/08/13 00:02
:P705i
:hDTGunTk
#108 [さ う す ぽ ー]
「ありがと」
「いーえっ!」
優樹は色んな話をしてくれた。
どこかに触れているわけではないのに、ふたりの距離は近かった。
べたべた触ってるだけで、距離が遠かったあの時とは違う。
「あっという間だー…」
「近いからこの高校選んだんだもん。…ははっ!」
「酷っ!笑わなくていーじゃん」
「だって…優樹の落ち込み様」
今日。付き合い始めたとは思えない。
まるで幼なじみみたい。
:09/08/13 00:09
:P705i
:hDTGunTk
#109 [さ う す ぽ ー]
「今度は…寄り道しよーね」
「うんっ!そうだね」
「じゃ」
「またねー」
素っ気ないのに。
暖かいのは何故?
言葉がないのに。
伝わるのは何故?
ご飯を食べていても、お風呂に入っていても。思い浮かぶのは優樹の顔。
あれ?おかしい。
財布のこと考えてたはずなのに。
どうして?
:09/08/13 00:15
:P705i
:hDTGunTk
#110 [さ う す ぽ ー]
まあ。一応“初めて”告白されたんだし。意識しないわけがないよね。
* * *
「英里奈っ!」
「優樹ー…何で今日は正門?」
「言ったじゃん。寄り道」
「あ、そっか!」
どこに連れてってくれるのかな〜って期待しながら優樹の後に続く。
「…あの、俺じゃ思い付かなかったからさ。ぶらぶらして気になったとこに入ろうよ」
「うんっ」
:09/08/13 10:49
:P705i
:hDTGunTk
#111 [さ う す ぽ ー]
好きなとこ行っていいんだぁ…でも、優樹は高校生。ちょっとは遠慮するよね…。
「アイス食べたいんだけど…それで良いかな?」
「アイス…で良いの?」
あれ?もっと高価なものが良かったですか?
「もちろんっ!」
美味しいと評判のお店に入ってから、お気に入りのアイスを頼む。
席に座って待っているとアイスが運ばれてきた。
「美味しーいっ」
:09/08/13 10:59
:P705i
:hDTGunTk
#112 [さ う す ぽ ー]
あーあっ。でも“高校生だから”って遠慮してちゃ、ただのカップル止まりだよねー…。
それは駄目だ。
「英里奈と食べれてるから倍美味しい!」
「あははっ」
どうやってねだろうか。まあ…優樹のことだし、何でもやってくれそうだけどさ。
「英里奈、誕生日いつ?」
「あたし?9月12日」
「9月12日ね。覚えた!」
「優樹は?」
「えー教えない」
:09/08/13 11:05
:P705i
:hDTGunTk
#113 [さ う す ぽ ー]
「何でよー教えて?」
「やだよ。教えたら英里奈、プレゼントとか買いそうだもん」
「え?…買っちゃだめなの?」
「だーめっ」
意味分かんない。どうしてだめなの?何がだめなの?
「9月12日…は…日曜だ!一緒に居てもいいかな!?」
「当たり前じゃん!」
先のことなのに。まだずーっと先のことなのにね。優樹は別れてるとか考えてないのかな。
「ねー、優樹の誕生日って知ってる?…知らないよね」
「知りたいの?」
「や…別に」
:09/08/13 11:14
:P705i
:hDTGunTk
#114 [さ う す ぽ ー]
隠されたら余計知りたくなるってやつ。知ったからって、プレゼントとか買わないし。
「調べてあげるよ、英里奈のためにねーっ」
「わざわざしなくていいよ!」
「知りたいんでしょ?珍しいねーあの英里奈ちゃんが」
「何、その言い方」
知りたいのは知りたいけど。何て言うんだろ。そんなんじゃない。
放課後。優樹のとこに向かう直前だった。
「分かった、英里奈。7月5日」
「は?」
:09/08/13 11:20
:P705i
:hDTGunTk
#115 [さ う す ぽ ー]
「は?じゃないし!井上の誕生日だよ!…てかもう終わってんね」
「7月…5日」
「じゃ、愛しのダーリンのとこに行ってらっしゃーい」
7月5日。
あの日じゃん。
アイス食べた、あの日。
「優樹!」
「英里奈ー帰ろっか」
「…うん」
このこと。言った方が良いの?でも終わってるんでしょ?…知らなくても知ってても、変わんないじゃん。
「英里奈、大丈夫?」
「へっ?…大丈夫だよ?」
「…ごめんねー」
「何が?」
:09/08/13 11:25
:P705i
:hDTGunTk
#116 [さ う す ぽ ー]
「無理矢理付き合ってもらってるみたいで」
「や、そんなんじゃ…」
「優しいから、断れなかったんでしょ?もー嫌だったらフっちゃっていーよ」
優しい…だなんて。
あたしは、その正反対なのに。
利用しようとしてたのに。
だけど…正直、優樹に何かを買うように仕向けるのは出来なさそう。どこまでも遠慮が付いてくる。
だったら…フった方が。
別れた方が都合が良い…?
:09/08/13 11:30
:P705i
:hDTGunTk
#117 [さ う す ぽ ー]
言い訳はいくつでも思い付いた。なのに、それを声に出来ない。あたしには、言えないよ。
「着いたね…ごめん、あんな話するつもりなかったのに」
「ううん」
「じゃ」
あたしが家の中に入るまで見てる優しさ。今までには無かったんだ。
あたしは…優しさが欲しかっただけなのかな。だから、まだ手放せないのかな。
易しい人よりも
優しい人を
求めていたのかな。
:09/08/13 11:35
:P705i
:hDTGunTk
#118 [さ う す ぽ ー]
静まり返った家に「ただいま」を告げて、自分の部屋に入る。
3週間…とちょっと。
優樹の彼女だった。
月日が流れるのは、早かった。
あっという間だった。
この関係は…壊れてしまうの?
* * *
夏休みになった。
優樹と会わなくなった。
会う機会が無くなった。
優樹が気になってしょうがない。
思いきってケータイを手に取る。
:09/08/13 11:43
:P705i
:hDTGunTk
#119 [さ う す ぽ ー]
[優樹、元気にやってる?]
初めて自分から送る。たったこれだけの文章を打つのに、20分はかかった。
返信を待つのに、これ程ドキドキしたことはない。
しばらくして、着信音が鳴った。
[元気ちょーだい]
げ…元気じゃないのかな。風邪?
[大丈夫?風邪ひいた?]
:09/08/13 11:51
:P705i
:hDTGunTk
#120 [さ う す ぽ ー]
[ひいた(~_~;)]
風邪…なんだ。
[お見舞い行こうか?]
駅前のマンションって言ってたよね。だったら迷わずに行ける。
[いいよ。来ないで]
…突き放されたみたいで、悲しくなった。
明るい文面のメールも作ったのに送信ボタンが押せなかった。
[優樹に会いたい]
:09/08/13 11:55
:P705i
:hDTGunTk
#121 [さ う す ぽ ー]
―送信しました―
「え…あっ!!…送っちゃった」
画面に表示される文字に、自分が驚いてしまった。まさかあたしがあんなことを書くなんて。
恥ずかしすぎる。
[俺も会いたい]
階段を駆け下りて、全速力で走った。迷ったけど、学校の中に入って近道をした。
「はぁ…はあっ…」
着いた。
:09/08/13 12:04
:P705i
:hDTGunTk
#122 [さ う す ぽ ー]
マンションに住んだことはなくて何が何だか分からない。何とか自動ドアが開いて、エレベーターに飛び乗る。
7階…7階…早く…
7階に着いて「開」ボタンを連打する。壊れても…そんなの知らない!
「あったー…」
何故か涙が溢れてきた。涙を流す理由はないのに。声を抑えて、震える手でインターホンを押す。
ガチャ…
「…ほんとに来てくれた」
:09/08/13 12:19
:P705i
:hDTGunTk
#123 [さ う す ぽ ー]
本当に風邪をひいてるみたい。弱々しく嘆いてからあたしにもたれ掛かる。
あたし…どうして
「来ないでって言ったじゃん」
「う、うん…っ」
どうしてここに来ちゃったの?
「……入りな」
「うん…」
テキトーに理由つけて行かないことだって出来た。来て、何か得するわけでもない。
あたし
:09/08/14 08:53
:P705i
:v2g8J2Eo
#124 [さ う す ぽ ー]
優樹のこと好きなのかな
「風邪移っちゃうよ」
「…っ、いいよ」
自覚した途端に恥ずかしくなってきた。でも…嘘つけない。この気持ちは…恋。
「…ここおいで」
妙に緊張した空気の中で、優樹が自分の隣を指差す。黙って隣に座ると、優樹は珍しく手を握ってきた。
「英里奈、俺のこと好き?」
「えっ…?」
:09/08/14 09:04
:P705i
:v2g8J2Eo
#125 [さ う す ぽ ー]
「…だよね。そーだよね…」
「何言ってるの…」
「英里奈は優しいから…だから我慢してくれてるんだよね」
「違うよっ!!優しくなんかない」
利用しようとしてるのに。金づるだとしか考えてないのに。あたしは優しくなんかない。
「優しいからそんなこと言えるんだよ?英里奈は心の綺麗な優しい女の子なんだよ」
違う…のに。
:09/08/16 20:54
:P705i
:sI7630cY
#126 [さ う す ぽ ー]
「好き…だよ。優樹のこと」
…言っちゃったよ。
顔が熱い。熱を持ってる。隣に優樹が居るから、また熱さを増す。
「ありがとう、英里奈」
「本当だよ…?」
「別れようか」
なんで…?なんでなの?
どうしてそんなこと言うの?
「…うっ…、やだって…言ってんじゃん!…絶対別れないっ」
…泣いちゃったよ。
:09/08/16 21:01
:P705i
:sI7630cY
#127 [さ う す ぽ ー]
「ちょ…英里奈?泣かないで」
「優樹のせい…だよ!…っ、別れるとか言うから…だからね…!!」
あー…完全にキャラ崩れちゃったんじゃない?あたし。
なんて冷静に考えていると。
「ごめん!!…別れないから泣き止んで?ね?」
子供をあやすように、大きな手が背中を擦る。
:09/08/16 21:06
:P705i
:sI7630cY
#128 [さ う す ぽ ー]
必死にわき上がってくる嗚咽を抑えて、優樹にしがみつく。
「英里奈…?」
「なに?」
「…キスするよ?」
「え」
優樹の熱い唇があたしの熱い唇を覆った。そっか…優樹、風邪だったんだよね…。
「っあ!!ごめん…風邪移るかも」
優樹の口癖って…「ごめん」だよね…口を開けばごめんばっかり。
:09/08/16 21:13
:P705i
:sI7630cY
#129 [さ う す ぽ ー]
「もー…いいよ、そんなの」
優樹のものなら、何でも移してくれて構わない。ふたりで一緒に共有したい。
そう思えたの、初めて。
「ついでにその“ごめん”って言う癖まで移しちゃってよ」
「ごめん…あ」
「ふ…ははっ」
可愛くて、かっこよくて
愛しい人は
優しい人。
:09/08/16 21:18
:P705i
:sI7630cY
#130 [さ う す ぽ ー]
:09/08/16 21:25
:P705i
:sI7630cY
#131 [さ う す ぽ ー]
:09/08/16 21:36
:P705i
:sI7630cY
#132 [ねこちむ]
ヤサシイヒト
大好き

:09/08/20 15:53
:D904i
:SErhok9k
#133 [さ う す ぽ ー]
>>132 ねこちむ様
ありがとうございます!!
そう言って頂けて本当に
嬉しいです(´pωq`)
とゆーかぐだぐだで本当
ごめんなさい(´;ω;`)
是非他の作品も読んで
みてくださいね(^ω^)
:09/08/21 11:17
:P705i
:3wtaS6xA
#134 [ん◇◇]
↑(*゚∀゚*)↑
:22/10/26 21:22
:Android
:AtV/.tU6
#135 [ん◇◇]
:22/10/26 21:34
:Android
:AtV/.tU6
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