らぶずっきゅん!!!!
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#210 [七瀬]
――――――――――‥


「さ、入ってー。
 ちらかってるけど」

ひさびさに踏み入れる千頼の家には、女の子独特の
甘いにおいでいっぱいだった。


「和希‥どこ置けばいい?」

「あー、そうだねぇ。
悪いけど、カズはあたしの部屋に運んでくれるかな」 

⏰:09/08/29 22:34 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#211 [七瀬]
 
「わかった。お前の部屋って、二階に上がった右のつきあたりだよな」

「うん。そうだよー。
悪いけどよろしくね。
あたし、リビングでお茶入れてくるから」

「ん。了解」


階段を上がった。

一歩一歩踏みしめるたびに香りは濃度を増す。

⏰:09/08/29 22:35 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#212 [七瀬]
 
 
何年ぶりだろう千頼の部屋は、幼いころ来たときと、あまり変わってなくて、
緊張した。


「‥よいしょっと」

黄色いベッドに、和希を寝かした。


俺のほうが、千頼と出会った期間は早かったのに、

こいつのほうが、きっと
この部屋に来た回数は多い。

⏰:09/08/29 22:35 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#213 [七瀬]
 
このベッドの上で、
千頼を抱き締めて

キスして

押し倒して


そして―――



むしゃくしゃする。


ここで寝ている和希や
いま、下にいる千頼が

すごく遠い存在に感じた。

⏰:09/08/29 22:36 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#214 [七瀬]
 
 
「お待たせ!」

バーンと、お盆片手にドアを開けた千頼。


「陽?」


ああ、俺。


―――嫉妬してる
 
 

⏰:09/08/29 22:37 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#215 [七瀬]
 
 
「‥なんでもない。
 葉山、充電器貸して」


簡単に、
下の名前で呼べる和希―

何度も、千頼の乱れるすがたを見てる和希――

それでも、千頼を大切にしない和希に―――


嫉妬、してるんだ。
 

⏰:09/08/29 22:38 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#216 [七瀬]
 
「あ、うん」

引き出しのなかを探す千頼との距離は、さっきと1ミリも縮まっていなかった。


「あったぁ。はい陽」

「さんきゅ」


むしろ遠い。

さっきよりも、ずっと。


ずっと、ずっと――遠い。

⏰:09/08/29 22:38 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#217 [七瀬]
 
 
「陽がうちに来るの、めちゃくちゃ久しぶりだよね」

「ああ」

「昔はよく来たよねぇ。
遊びに来たり、ごはん食べに来たり!」

「ん‥」

「線香花火のことといい、なつかしいなー、ほんと」

「だな」


途切れてしまう、会話。

⏰:09/08/29 22:40 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#218 [七瀬]
 
 
それは、
めずらしいことじゃない。

いや、当たり前だった。
少なくとも俺にとっては。


だけど、

いつも流れてるような、
穏やかな沈黙じゃない。


どんよりとした空気。
 
 

⏰:09/08/29 22:40 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


#219 [七瀬]
 
 
「陽?どうかしたの?」

たぶん、それは俺のせい。


「なんでもない」

相変わらず流れる沈黙。

千頼は、心配そうに
じっと俺を見ている。


――なにか話さないと。

柄にもなく、そう思った。 

⏰:09/08/29 22:41 📱:N703iD 🆔:k2/mIJPU


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