らぶずっきゅん!!!!
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#401 [七瀬]
――――――――――…


「千頼ちゃん」

「‥なんですか」


次の講義まで、
時間があるし、ちょうど小腹も空いたということで、

花寿美とケーキの美味しい喫茶店へでも行こうと、

出たところに男はいた。
 

⏰:09/09/20 21:46 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#402 [七瀬]
 
 
「いやー、なんだか千頼ちゃんに会いたくなっちゃってー。来ちゃった」

にこにこと作りすぎた顔には、なにか企みが含んでいるように見えた。


「この人って合コンの帰りに千頼を送っていった‥」

「そうですか。では。
 行こ、花寿美」

驚く花寿美の言葉をさえぎり、颯太さんの隣を通り過ぎようとした。

⏰:09/09/20 21:46 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#403 [七瀬]
 
 
「なにするんですか!?」

が、手首を捕まれてしまう。


「ごめん。借りるねー」

困惑するあたしと花寿美を余所に、颯太さんは楽しそう。


結局、ケーキの美味しい喫茶店へは颯太さんと行くはめになってしまった。
 

⏰:09/09/20 21:47 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#404 [七瀬]
 
 
「そんな怒らないでよ」

「怒りますよ、誰でも」

「‥ご」

「え?なにか言いました?」

「敬語、直ってないね」


そう言った颯太さんの表情が、なぜかとても哀しげで

その一瞬は、怒りを忘れてしまった。

⏰:09/09/20 21:48 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#405 [七瀬]
 
 
「‥まあいいや。なんか飲む?」

メニューを手に握るそのすがたは一昨日のことを、あたしに思い出させた。


「じゃあ‥アイスミルクティー」

すぐ帰るつもりだったあたしは、飲み物のみを注文することにした。


「アイスミルクティーね。りょーかいしましたー」

⏰:09/09/20 21:49 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#406 [七瀬]
 
 
颯太さんは、アイスコーヒーとミルフィーユを注文した。


「‥なんで止めてくれなかったんですか」

「え?なにが?」

目の前の男は、氷を口の中に入れて、遊んでいる。


「だから、おととい‥」

この人といると調子が狂う。

⏰:09/09/20 21:49 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#407 [七瀬]
 
 
「はは、なに言ってんの」

「だからっ!あたしから、服脱いだとしても、と止めてほしかった‥っていうか‥その‥」

「据え膳食わぬは男の恥ってゆーだろ?誘われたらいっちゃうじゃん。オレは健全な男なんだから」

「それは‥っ」


だって、びっくりするくらい似てるんだもん‥。
 

⏰:09/09/20 21:50 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#408 [七瀬]
 
 
「‥‥ごもっともな、
 ご意見ですけど」

分かってる。
目の前で服脱がれて、なにもしない男の人なんて滅多にいない。


分かってたけど‥、

「そりゃどぉーも」


なんか、この人は違うな、って思ってた。
 

⏰:09/09/20 21:51 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#409 [七瀬]
 
それはまぁ、
あたしの過去の思い出が、勝手にこいつを美化してしまったんまったんだと思う。


「お待たせ致しました。こちらアイスミルクティーになります」

ただ"似てる"
という理由だけで。

「そして、アイスコーヒーと季節のイチゴを使ったミルフィーユです。注文は以上になります。ではごゆっくり」

⏰:09/09/20 21:52 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#410 [七瀬]
 
 
「わー!うっまそー!」

でも、あたしがバカだったというわけか。


「なに千頼ちゃん?」

「‥なにも」

「あ、もしかして食べたい?だから飲み物だけでいいの、って聞いたのに。
言っとくけど、イチゴ一粒もあげないからねー」


‥はぁ、なんか疲れた。

⏰:09/09/20 21:53 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#411 [七瀬]
 
 
「別に、ケーキがほしくて見てたわけじゃありません」

「ふーん‥。じゃあなに?見惚れてたの?オレに」

「違うっ!!」


もー、なんなのこの人‥。

意地でも見ない!

あたしは頭を横に向けた。 

⏰:09/09/20 21:54 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#412 [七瀬]
 
 
「あははー。ジョークだって、ジョーク!」

一人はしゃぐ颯太さん。


「ごめんって。ね?こっち向いてよ、ちよ」



――きゅん


だっ、だから!

「その名前で呼ばないでって‥ふむっ!??」

⏰:09/09/20 21:55 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#413 [七瀬]
 
 
「だからジョークだって、言ったじゃん。ちゃんと
千頼にもおすそ分けー」

な、なにこのシチュエーション!


「おいしー?」

無理やり突っ込まれたためあたしの口の周りには、生クリームが付いていて、ちょっと違和感。

でも、
ほんと甘くて甘くて‥。

⏰:09/09/20 21:56 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#414 [七瀬]
 
 
「おいしい‥」

「それは、よかったよかった。じゃあオレもー」

そうやって、赤い粒を付けたフォークを口へと運ぶ。


ふんわりとした甘いクリームに、サクッとしたパイと甘酸っぱいイチゴ。

ほんとのほんとに
美味しかった。

たぶん人生で食べたすべてのケーキの中でいちばん。

⏰:09/09/20 21:57 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#415 [七瀬]
 
「んん〜!
 ほんとうまいな〜!!」

だけど、味だけの問題じゃない。

「おいしいものって、つい独り占めしたくなるけど、やっぱさ、好きな人と半分こするほうが、何倍にも、うまくなるよな」


いま颯太さんが言ったとおりなんだと思う。

‥あたしの好きな人が、
颯太さんってわけじゃないけどね!!

⏰:09/09/20 21:58 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#416 [七瀬]
 
 
甘い甘いイチゴが
あたしたちの体に溶ける。


「形‥崩れちゃいましたね」

半分こにしたミルフィーユは、崩れてもう原型を留めてはいなかった。



「でも、うまいのは同じじゃん。甘いのは変わらないだろ?」
 

⏰:09/09/20 21:59 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#417 [七瀬]
 
「それはそうですけど‥」

「じゃあいいじゃん」

颯太さんは、ぐちゃぐちゃのケーキを頬張りながら、言った。


「終わり良ければ、すべて良し。食べて、あーおいしかったなまた食べたいなぁと思えればそれでいーの」


「‥へりくつ」

納得しかけた自分に言い聞かせるように言った。

⏰:09/09/20 22:00 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#418 [七瀬]
 
 
「頭堅いね、千頼ちゃん」

「大きなお世話です」

げんなりとした男は、
苦笑した。


「困った困った」

そして、また残りのケーキをむしゃむしゃと口に運びはじめた。
 

⏰:09/09/20 22:01 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#419 [七瀬]
 
 
「あ、あとね」

ケーキを食べ終えて、コーヒーを一口すすったあと、一息も付かず、平然と前の男は言った。


「はい?」

あたしも乾いた口内を
ミルクティーで潤している最中だった。


「一昨日の夜、
 なにもなかったから」
 

⏰:09/09/20 22:02 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#420 [七瀬]
 
 
「‥‥‥はああぁあ!?」

バン!と机に置いたグラスが割れるんじゃないかってくらい音を立てた。


「あは、いい
 リアクションだねぇ」

それでも、のんきに笑う
颯太さんは、この状況を楽しんでいるようす。



「もうやだーー!!」
 

⏰:09/09/20 22:03 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#421 [七瀬]
 
 
 
すっごく疲れたけど


甘くておいしい、
たのしく快い。



そんな甘美な一日だった。



のかも、ね‥。
 
 

⏰:09/09/20 22:04 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


#422 [七瀬]
 
今日の更新分
>>377-421



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⏰:09/09/20 22:07 📱:N703iD 🆔:AJOkFi7.


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