黒猫の唄。
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#113 [あんず]
「…確かあれは…僕がまだ18歳の時だった。
18歳の、春。
僕は雨の中、彼女を見つけたんだ。」
ご主人様は写真の女性を指差しながらで昔話をするように話始めた。
その女性を見つめるご主人様の瞳は、とても愛しそうに見えた。
:09/09/28 23:23
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:.BwwR9Ac
#114 [あんず]
「彼女の名前は…リナ。綺麗なブルーの瞳が特徴的だった。」
この人が……“リナ”
夢に出てきたあの女性は、“リナ”だったんだ。
:09/09/28 23:26
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:.BwwR9Ac
#115 [あんず]
ドクン、ドクンとだんだん鼓動が激しくなる。
それと同時に、感じる頭の痛み。
突然の体の異変に、私は少し動揺した。
…突然、なに……?
「……リア?
どうかしたのか?」
:09/10/03 09:41
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#116 [あんず]
動揺している私に気付いたのか、ご主人様は心配そうに私の顔を覗き込む。
「……な、なんでもないです…。」
「…そうか?…具合悪くなったら、言ってね。」
ポンポン、とご主人様に頭を撫でられ、私はまた新たな異変に気が付いた。
:09/10/03 09:47
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#117 [あんず]
………なんで…………。
いつもは頭を撫でられると嬉しくて、堪らなかった。
でも今は、
切なくて、悲しくて
今にも涙が溢れそうだ。
:09/10/03 17:43
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#118 [あんず]
溢れそうな涙を必死にこらえて、私は笑顔を作る
「…はい、ありがとうございます。」
そう言うと、ご主人様は再び話始めた。
リナさんと一緒に住んでいたこと…危なっかしいリナさんから目が離せなかったこと……。
そしていつの間にか、
恋におちていたこと。
:09/10/03 17:49
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#119 [あんず]
話を聞いてる度に、どんどん大きくなる鼓動。
頭の痛み。
切なさや悲しさ。
「リナと結婚の約束だってしたんだ。…結婚して、子供も作ってさ。温かな家庭を作っていこう、って約束した。」
切なさの原因が、私がご主人様が好きだから、とかの嫉妬に近いものなら良かった。
でも違う。
この感情は嫉妬じゃない
:09/10/03 17:55
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#120 [あんず]
やっぱりいつも、どこかに懐かしさを感じる。
リナさんに対しての、妬み等の感情なんて全くなかった。
…懐かしくて、切なかった。
自分は何が懐かしいの?
何が切ないの?
…なにを、思い出しているの………?
:09/10/03 17:59
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#121 [あんず]
ぼんやりとした昔の記憶
微かだけど、蘇ってきている記憶。
――――…春…
雨の中…――――。
結婚の約束…
温かな家庭を―――…。
ご主人様の思い出話が、頭の中で響く。
:09/10/03 20:09
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#122 [あんず]
ズキン、ズキン…
次第に強くなる頭の痛み
ふいに頭によぎる、
あの光景、あの言葉。
――私のことは、貴女が
1番わかるはずよ。
:09/10/04 18:48
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:AIo9yaMM
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