黒猫の唄。
最新 最初 🆕
#1 [あんず]


いつも私を優しく
撫でてくれたご主人様

ご主人様の大きな手は、
いつも温かかった。



今でも…
ずっと覚えてます。




黒猫の唄。



>>2 感想板
 

⏰:09/08/11 14:31 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#2 [あんず]
 

感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

まったりと更新していきます(*´ω`)
よろしくお願いします!

感想いっぱい待ってます(*´∀`)ノ

 

⏰:09/08/11 14:35 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#3 [あんず]



1.口癖



⏰:09/08/11 14:47 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#4 [あんず]
 



「リア、お前の瞳は本当に綺麗だね。」




ご主人様はいつも笑いながら私にそう言う。
まるで口癖のように。


“ブルーの瞳が綺麗だ”と。
 

⏰:09/08/11 15:06 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#5 [あんず]
 

私はご主人様にそう言われるのが嬉しかった。


笑いながら、頭を撫でて貰うのが好きだった。



ご主人様の手は、温かくて、大きくて。
撫でて貰うと、なんだかとても安心するの。
 

⏰:09/08/11 15:09 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#6 [あんず]
 




――私の名前はリア。

真っ黒な毛、
真っ青な瞳が特徴のごく普通の黒猫。



ご主人様に助けてもらう前は、その辺の道端で歩いている普通の野良猫だった。
 

⏰:09/08/11 15:21 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#7 [あんず]
 


「リア、ご飯だよ。」


そして今、私の目の前に餌の入った皿を置いてくれたのが……。




私の大好きな、大好きなご主人様。
 

⏰:09/08/11 15:25 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#8 [あんず]
 


名前は確か…ヒロ。

あまり覚えてないけど、ご主人様のお友達が「ヒロ」と呼んでいた。




そしてご主人様の髪の毛はとても綺麗な蜂蜜色。

ふわふわ柔らかくて。
私はご主人様の髪の毛が大好きなんだ。
 

⏰:09/08/11 15:34 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#9 [あんず]
 




――ご主人様と出会ったのは去年の冬。


凄く寒くて、まだ小さかった私は草むらで凍えていた。



そんな所を、ご主人様が見つけてくれた。
…助けてくれたんだ。



 

⏰:09/08/11 15:52 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#10 [あんず]
 




何も言わずに私の上に積もった雪を払い、コートに包んで温めてくれた。


優しく微笑みながら、
頭を撫でてくれた。



あの日、ご主人様は私を助けてくれた。
 

⏰:09/08/11 18:25 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#11 [あんず]
 




ご主人様は野良猫の私を拾ってくれたんだ。



優しくて、かっこよくて、面白いご主人様。


私はすぐにご主人様が大好きになった。
 

⏰:09/08/11 18:31 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#12 [あんず]
 



大好きなご主人様には、いつも笑顔でいて欲しい

ずっと笑ってて欲しい。


ご主人様は
私に幸せをくれた。

だからご主人様も幸せでいてほしい。



猫ながらも、ご主人様の幸せを願っていたんだ。
 

⏰:09/08/11 18:53 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#13 [あんず]
 





でも…でも……


私は見てしまったんだ。


 

⏰:09/08/11 18:54 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#14 [あんず]
 




ご主人様が、
ベッドに座りながら俯いているのを。


そのご主人様の手には、綺麗な女の人の写真があるのを。




そしてその写真に、水滴がぽたりぽたりと落ちているのを。
 

⏰:09/08/11 22:26 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#15 [あんず]
 




それがご主人様の“涙”だってことに気づくのに時間はかからなかった。



ご主人様が泣いている。

いつも笑顔でいてほしい、大好きなご主人様が泣いている。


なんで?なんで?
……………なんで…。
 

⏰:09/08/11 23:02 📱:W61K 🆔:qGBM5BGk


#16 [あんず]
 




私はただご主人様の膝に乗り、涙を舐め取ることしか出来なかった。


そんなことしか出来ない自分がふがいなくて、やるせない。



でもご主人様は私の頭を撫でて、「くすぐったいよ」と笑ったんだ。
 

⏰:09/08/13 09:56 📱:W61K 🆔:N1XzLosg


#17 [あんず]
 




その笑顔はとても無理してるように見えた。
だって…ご主人様の頬には、今でも涙が伝っている。


無理して笑ってくれるのは、私を心配させないため?




ご主人様…、ご主人様はどうしてそんなに優しいんですか?
 

⏰:09/08/13 14:11 📱:W61K 🆔:N1XzLosg


#18 [あんず]
 




もうご主人様を
泣かせたくない……。




――――私がご主人様を支えたい。

 

⏰:09/08/16 13:13 📱:W61K 🆔:RJ2wyNt2


#19 [あんず]
 




その想いが一気に強くなり、私の小さな心はぎゅっと締め付けられた。



でも…
ご主人様を支えるには、どうしたらいい…?

 

⏰:09/08/19 19:18 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#20 [あんず]
 




あぁ、どうして自分は
猫なんだろう。


私は猫だから、ご主人様と話すことも、慰めることも出来ない。


自分は凄く無力で、何も出来ない。
 

⏰:09/08/19 19:21 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#21 [あんず]
 




ご主人様と話したい。
ご主人様を慰めたい。
ご主人様と笑いたい。


…………私も、ご主人様みたいになりたい。

ご主人様と同じ、
“人間”になりたい!!

 

⏰:09/08/19 20:17 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#22 [あんず]
 



その時、ブルーの瞳が一層に輝いた。



人間になれば、私でも出来ることがあるかもしれない…!!


1つの閃きで、リアの気持ちは一気に高まった。

 

⏰:09/08/19 20:33 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#23 [あんず]
 




ご主人様、もう少し待ってて下さい。
私絶対、絶対に人間になって、ご主人様に会いに行きます。


その想いを込めて、私は1つ「みゃー」と鳴いた

 

⏰:09/08/19 20:36 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#24 [あんず]
 




するとご主人様は少し微笑みながら「リアの鳴き声は可愛らしいね。」と私の頭を撫でた。



その笑顔を見て、少し安心しながら私はご主人様の部屋を後にした。

 

⏰:09/08/19 20:40 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#25 [あんず]
 




パチパチ、と音を立てながら燃える炎。
そんな炎、暖炉の目の前で私は体を丸めた。


窓に映るお月様におやすみなさい、と告げて。
神様に祈りを捧げるかのように空を見つめて。

 

⏰:09/08/19 20:56 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#26 [あんず]
 




――――神様、

どうか、どうか私を
 人間にして下さい――




 

⏰:09/08/19 20:57 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#27 [あんず]


一旦切ります(*´ω`)

明日また
更新します!!


感想など、いっぱい
待ってます∩^ω^∩x


感想板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

⏰:09/08/19 22:27 📱:W61K 🆔:XZYRHRvE


#28 [あんず]
>>26





――― チュンチュン...

いつものように聞こえる鳥の鳴き声。
この街の朝が来た。


私は重たい身体を起こし、漆黒の長い髪を手で掻きあげた。



………………え?


 

⏰:09/08/20 19:06 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#29 [あんず]
 




長い髪……?
  手で掻きあげた…?


よく考えたら、
いつもは大きいベッドが凄く小さい………。


…………もしかして!!

 

⏰:09/08/20 19:09 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#30 [あんず]
 




私はベッドから降り、
洗面所の鏡に向かって足を走らせる。



心の中は、
喜びで溢れてた。


 

⏰:09/08/20 19:12 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#31 [あんず]
 




いつもはご主人様に開けて貰わないと入れないドアも、全て自分で開けて進む。


……気持ちいい。



そして私は洗面所のドアを開け、鏡に向かった。

 

⏰:09/08/20 19:16 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#32 [あんず]
 




鏡に映るのは、黒い髪で青い瞳の“女の人。”


あ、私女なんだ、とその時初めて気付いた。


私は感激して、その場から動けずにいた。


―私、人間になれた!!
 

⏰:09/08/20 19:28 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#33 [あんず]
 




―――――神様、本当にありがとうございます!!


私、ご主人様のために
精一杯頑張ります。――



 

⏰:09/08/20 19:30 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#34 [あんず]
 




…さて、早速ご主人様に会いに行かなきゃ…。


そう思い、私は鏡から目を反らした。


………でも、
よく考えたらこの姿でご主人様に会いに行ってもご主人様が驚くだけ…。



この姿では、ご主人様に会いに行けない……。

 

⏰:09/08/20 19:36 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#35 [あんず]
 




どうしよう……!!



私はパニックになり、おろおろとその場を歩く。



ご主人様に会えない。

 

⏰:09/08/20 19:49 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#36 [あんず]
 




私はなんて
馬鹿なんだろう。

ご主人様は気付くわけないのに。
わかるわけないのに。

悔しさで胸がいっぱいになる。


悔しさと混乱からか、私の瞳にはじわり、と涙が浮かんだ。

 

⏰:09/08/20 22:14 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#37 [あんず]
 




その涙がポタリと床に落ちて滲む。

…これが、ご主人様の流した涙……。



私はぐいっと涙を拭い、ドアへ手を掛けた。


泣いてる暇なんてない。今はとりあえずこの家から出よう。

 

⏰:09/08/20 23:20 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#38 [あんず]
 




“この家から出る”

そう決心し、私はドアを引いた。


ドアを引き、狭い隙間から外を覗く。




…………あ、やばい。

一瞬で私はそう思い、
静かに上を見上げた。

 

⏰:09/08/20 23:29 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#39 [あんず]
 




大好きなご主人様の甘い香りが鼻を掠める。


そして視界いっぱいに広がるご主人様の、柔らかいふわふわな蜂蜜色の髪。



「…君は………?」



不思議そうな顔をした
ご主人様が、ドア越しの目の前に立っていた。

 

⏰:09/08/20 23:34 📱:W61K 🆔:s2zljno.


#40 [あんず]
 




「……………っ!!」

驚き過ぎて声が出なかったのか、私は口をパクパクしながらご主人様を見上げる。


ご主人様は目を見開く。



まさかこんな所で
ご主人様と鉢合わせになるなんて―――。

 

⏰:09/08/21 22:38 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#41 [あんず]
 




するとご主人様は私の肩をぐいっと掴んだ。

その手は震えていて、
力強くて、少し痛かった



「…………っっ、」


私はただ固まってるだけ。頭の中は大パニックだ。

 

⏰:09/08/21 22:41 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#42 [あんず]
 




肩を掴んでる手は、次第に強くなる。
少し痛いけど、それどころではなかった。

そしてゆっくりと、ご主人様は口を開いた。




「………リナ………?」

 

⏰:09/08/21 22:53 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#43 [あんず]
 




………リ…ナ?


なぜか聞き覚えのある名前だった。
どこか切なくて、懐かしい気持ちになる。




でも“リナ”って、
誰なの――――?

 

⏰:09/08/21 22:56 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#44 [あんず]
 




未だに声の出ない私を、ご主人様はじっと見つめる。


そしてご主人様は肩を掴んでる手を離し、頭を抱えて笑った。


「……な、訳ないよな。ごめんね、人違いだったよ。」



その笑顔はこの前見た笑顔と同じ、無理しているような笑顔だった。

 

⏰:09/08/21 23:01 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#45 [あんず]
 




私はただ顔を横に振る。


「あはは、そんな悲しそうな顔しないで。………で、君の名前はなんて言う?」


ご主人様は変わらない笑顔でそう言った。


「……私、は……。」

やっとの思いで絞り出した声は、あまりにも弱々しくて、小さかった。

 

⏰:09/08/21 23:05 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#46 [あんず]
 




なんて言ったらいいんだろう……。
リアって言っても、大丈夫かな………?


私は不安に感じながらも


「…リア、です。」


と呟いた。

 

⏰:09/08/21 23:07 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#47 [あんず]
 




「リア…?」


「あの…住む所がなくて……さ迷ってたら…ここにたどり着きました。」


あまりにも見え見えな嘘。猫だったから、嘘なんて考えたことなかった。

意外と嘘って、難しいんだな、と改めて感じた。

 

⏰:09/08/21 23:09 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#48 [あんず]
 




「……そうか、大変だったんだね。」


そう言ってご主人様は私の頭を優しく撫でた。
この感覚が大好きなのは、人間も猫も関係ないんだなぁ…。


「ごめんなさい…っ」

私は頭を下げ、その場から立ち去ろうとした。

なんか、このままいたら涙が溢れそうだから。
 

⏰:09/08/21 23:25 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#49 [あんず]
 




するとご主人様は私の腕を強く掴んだ。


「…君は昔の知人によく似ているんだ。なんだか放っておけない。」


その時のご主人様の表情は真剣で、その綺麗な目が私を動けなくした。

 

⏰:09/08/21 23:28 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#50 [あんず]


今日の更新は
これで終わります!!

用事があって、明日は更新出来ません(´;ω;`)
すみませんっ

更新頑張りますので、
これからも是非見て下さいね☆

感想、いっぱい
待ってます∩^ω^∩x

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

⏰:09/08/21 23:32 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#51 [あんず]
>>49




初めて見た
ご主人様の表情。
胸がドキドキする。


「…でも………、」



鼓動が煩いくらいに聞こえてくる。

 

⏰:09/08/24 20:34 📱:W61K 🆔:BWBDQQJM


#52 [あんず]
 




するとご主人様は私を腕を掴んでいた手を離し、頭を抱えた。


「っ…突然、ごめんね。君があまりにも知り合いに似てたから、少し動揺しただけなんだ。…君がリナなわけないのに……。」


ポツリ、と呟くご主人様の姿は、表情は、とても悲しげだった。

 

⏰:09/08/31 12:57 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#53 [あんず]
 




そんなご主人様を見て、とても胸が締め付けられた。


返す言葉が見つからない



「…でも、本当に住む所がないのなら部屋ぐらい貸してあげるよ。遠慮することはない。」


そう言いながらご主人様は、いつもの優しい笑顔で私の頭を撫でた。

 

⏰:09/08/31 13:00 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#54 [あんず]
 




「よろしく、お願いします……。」


私はご主人様の優しさに甘えることにした。
やっぱり、ご主人様の側にいたいから。


「…じゃあ部屋に案内しよう。おいで。」


ご主人様は優しく私の手を取り、少しずつ歩き始めた。

 

⏰:09/08/31 13:03 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#55 [あんず]
 




階段を上がりたどり着いた部屋は、私でも入ったことのない部屋だった。


薔薇の香りのする、大きく綺麗な部屋。


「こんな綺麗な部屋…、いいんですか?」


私はご主人様を見上げながら、遠慮がちに呟いた

 

⏰:09/08/31 13:08 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#56 [あんず]
 




「いいんだよ。何年も使ってないから埃っぽいけど……。」


2階にこんな素敵な部屋があるなんて知らなかった……。
こんな綺麗な部屋を使わしてくれるなんて、やっぱりご主人様は優しいな……。

 

⏰:09/08/31 16:16 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#57 [あんず]
 




「本当に、ありがとうございます…!!」

私は深く頭を下げ、ご主人様に感謝の気持ちを伝えた。


「こちらこそ、強引に住ませてしまってごめんね。僕の名前はヒロ。よろしく。」


柔らかく微笑んでいるご主人様は、やっぱり綺麗だった。

 

⏰:09/08/31 17:11 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#58 [あんず]
 




「よろしく、お願いします。……ヒロ…さん。」


初めてご主人様の名前を呼ぶ。
なんだろう、とても恥ずかしい。


私は少し頬を赤らめながら、ご主人様の手を握った。

 

⏰:09/08/31 17:15 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#59 [あんず]
 




「あぁ、よろしくな。リア。」


いつもと変わらない声色で私の名前を呼ぶ。


強く、強く握り返してくれた温かい手が、
とても心地よかった。

 

⏰:09/08/31 17:17 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#60 [あんず]



2.彼の過去


⏰:09/08/31 20:28 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#61 [あんず]
 




パタン…。


私は静かに部屋のドアを閉め、そのままずるりと床に座り込む。


「……緊張した…。」

胸を締め付けるような緊張が一気に解け、力が抜ける。

 

⏰:09/08/31 20:42 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#62 [あんず]
 




トクン、トクンとまだ胸の音がする。

顔は相変わらず赤い。


「…どうしちゃったんだろう……。」


火照る頬を、冷たい手で触れる。
ひんやりとした手が気持ちいい。

 

⏰:09/08/31 21:10 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#63 [あんず]
 




私はため息を1つ吐いて、力の抜けた足で立ち上がった。



少し、部屋の中色々と探索してみよっかな。


そんな好奇心で、私はまずテーブルに向かった。

 

⏰:09/09/01 09:05 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#64 [あんず]
 




「可愛いテーブル…。」


そのテーブルは、洋風でお姫様の部屋にありそうなテーブル。

女の子の部屋みたい。


でもよく見れば、この部屋の家具全てが可愛くて、女の子らしかった。

 

⏰:09/09/01 09:13 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#65 [あんず]
 




ご主人様の趣味?なんて一瞬思った。

けど、ご主人様は男だし、何よりご主人様の部屋は女の子らしくなかった。


…もしかしたら、昔誰かがここに住んでいたのかもしれない。

 

⏰:09/09/01 13:25 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#66 [あんず]
 




一瞬頭に浮かぶ、
あのご主人様の顔、
      あの言葉。



―――――リナ?



 

⏰:09/09/04 21:56 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#67 [あんず]
 




あの時、ご主人様が言っていた「リナ」と呼ばれる人物。


一体誰なんだろう。
ご主人様と、どんな関係なんだろう。



心がモヤモヤして、少し苦しくなった。

 

⏰:09/09/04 22:07 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#68 [あんず]
 




そして…
何よりも気になるのが、


ご主人様が見せた、愛しそうな表情。


そして「リナ」と呼ばれた時に感じた、懐かしさ



あれは何なんだろう。
どこか懐かしくて、
    愛しかった。

 

⏰:09/09/04 22:11 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#69 [あんず]
 




不思議な気持ち。


でもどんなに記憶を辿っても、思い出せない。


もしかしたら思い違いなのかもしれない。


でもやっぱり、どこか懐かしい気持ちになる。

 

⏰:09/09/04 22:41 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#70 [あんず]
 




このことを考えていると、頭が混乱してしまう。


……もう考えないようにしよう!!


これ以上頭が混乱するのを避け、真っ白なベッドに飛び込んだ。

 

⏰:09/09/05 20:51 📱:W61K 🆔:Foo0Nez2


#71 [あんず]
 




「ふかふか…。」


ベッドに埋まっていると、黒猫の時を思い出す。


ご主人様が買ってくれた、猫用のベッドもふかふかだったなぁ、なんて思い出し微笑む。


しばらくベッドの上に横たわり、目を閉じた。

 

⏰:09/09/05 21:05 📱:W61K 🆔:Foo0Nez2


#72 [ひい]
まってます(・ω・)/

⏰:09/09/08 18:19 📱:Premier3 🆔:bPvwwYqg


#73 [あんず]


>>42
ひい様


更新遅くなり
すみませんっ><

これから
更新しますので、
是非見て下さいっ*´ω`

コメント、
ありがとうございました∩^ω^∩x!

⏰:09/09/08 22:08 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#74 [あんず]
>>71




…なんだか、このまま眠ってしまいそう。


急に睡魔が襲ってきて、私の意識は朦朧としている。



……………眠たい。


そう思った時にはもう、私は夢の中だった。

 

⏰:09/09/08 22:15 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#75 [あんず]
 




―――――ヒロ!!




鮮やかな花畑の中で、
誰かがご主人様の名前を呼ぶ。


ご主人様を
呼んでいるのは、誰?

 

⏰:09/09/08 22:17 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#76 [あんず]
 




色とりどりの花の中で、柔らかくなびく黒髪。


綺麗な服を身に纏う
その女性の隣には、

大好きなご主人様。


優しく微笑む、
大好きなご主人様の姿。

 

⏰:09/09/08 22:21 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#77 [あんず]
 




ご主人様の隣にいる、
貴女は誰?


どうして、私はこの光景がとても懐かしく感じるの?



夢の中にまで、私を追い詰める謎。

再び懐かしさを感じる光景は、とても優しかった

 

⏰:09/09/08 22:24 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#78 [あんず]
 




私は勢いよく、その二人がいる所まで走る。


「…っご主人様!!」


呼んでいるのに、
ご主人様は気付かない。


ご主人様は、何故だか
遠ざかるばかりで。


手が、届かない。

 

⏰:09/09/08 22:27 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#79 [あんず]
 




どうして届かないの?


私はただ、
走って走って走って、
ひたすら走って…。



思いきり手を伸ばし、
ご主人様の隣にいる女性の腕を掴んだ。

 

⏰:09/09/08 22:30 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#80 [あんず]
 




私の荒い息が胸の鼓動と一緒に聞こえる。

私は1つ深呼吸をし、
女性を強く見つめた。




「……貴女は、
      誰なの?」

 

⏰:09/09/08 22:32 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#81 [あんず]
 




時間が止まったかのように、無言の時間が続く。


聞こえるのは、
私の胸の鼓動だけ。



するとその女性はゆっくりと振り返り、口を開いた。

 

⏰:09/09/08 22:34 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#82 [あんず]
 




黒髪がふわりと揺れる。


その女性の顔を見て、
私は思わず目を見開いた



「…私のことは、貴女が1番わかるはずよ。」

 

⏰:09/09/09 18:53 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#83 [あんず]
 




――私が、1番わかる?


その女性の悲しげな目が私の胸を締め付けた。



「…貴女は、大切なことを忘れてる。」


 

⏰:09/09/09 22:19 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#84 [あんず]
 




「っ……!?」


大切なことを…
    忘れてる…?


その女性はそう言い放ち、鮮やかな花々の中へ足を踏み入れる。


「ま、待って!!」


私は彼女の腕を掴もうと手を伸ばす。


 

⏰:09/09/09 22:22 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#85 [あんず]


今日の更新は
ここまでにします!!

なんだか、私も
展開がわからなく
なってきましたが…(笑)
明日も精一杯、
更新頑張りますので
是非見て下さいねっ★


感想などなど、一言でも貰えると泣いて喜びますっ(´;ω;`)

感想待ってます!!

⏰:09/09/09 22:26 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#86 [あんず]



bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

↑↑感想板です∩^ω^∩

感想はこちらにどうぞ!

⏰:09/09/09 22:27 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#87 [あんず]
 



スッ……―――


私は彼女の腕を掴んだ。
…掴んだはずだった。



でもその女性は、一瞬吹いた風と共に、私の目の前から消えていった。

 

⏰:09/09/21 17:09 📱:W61K 🆔:Gs77xxoQ


#88 [あんず]
 



一瞬の出来事に、私はただ呆然とする。


「なんで……。」


私はまるで狐に化かされたような気分になり、その場に座り込んだ。

 

⏰:09/09/21 18:57 📱:W61K 🆔:Gs77xxoQ


#89 [あんず]
 




なにがどうなっているんだろう…?

私は不思議な感覚に囚われながら、その場に寝転がる。


色鮮やかな花々の香りが私を柔らかく包んだ。

 

⏰:09/09/22 18:48 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#90 [あんず]
 




その香りのせいなのか、私は突然の睡魔に襲われた。

視界がだんだんとボヤけていく。



私は睡魔に勝てず、花の甘い香りを感じながらもう一度目を閉じた。

 

⏰:09/09/22 18:51 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#91 [あんず]
 



――――――…。


目を開けると、淡いクリーム色の天井が目の前に広がった。


やっぱり、
夢だったんだ……なんて思いながら、私は重たい体を起こす。


寝ても覚めても、
姿は人間のようだ。

 

⏰:09/09/22 18:57 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#92 [あんず]
 



私はベッドから下り、
ご主人様の所へ向かうため部屋を出る。


――…目が覚めても、頭から離れないあの女性の表情。


夢なんだから…、気にしなくてもいいよね。

 

⏰:09/09/22 19:02 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#93 [あんず]
 



きっと…
気にしない方がいい。

今はご主人様のために、精一杯頑張らなきゃ!!


私は自分に思い聞かせ、軽快な足取りで階段を下りた。

 

⏰:09/09/22 20:58 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#94 [あんず]
 



階段を下りると、すぐに目に映るご主人様の姿。


エプロンを付けて、キッチンで料理をしているご主人様はなんだか可愛くて。


頬が少し緩んだ。

 

⏰:09/09/22 21:22 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#95 [あんず]
 



「…何を、作っているんですか?」


私は緩んだ頬を引き締めて、ご主人様を見上げた


「おぉ、びっくりした。今日の夕飯を作っているんだ。リアも食べるだろう?」


柔らかく微笑むご主人様の瞳は、本当に綺麗で、優しかった。

 

⏰:09/09/23 13:43 📱:W61K 🆔:nBpH.fFQ


#96 [あんず]
 




そんなご主人様の笑顔を見て、私もつられてはにかみがちに小さく頷いた。


するとご主人様は、
優しく私の頭を撫でてくれたんだ。


 

⏰:09/09/27 23:22 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#97 [あんず]
 




ドキン、と胸が騒ぐ。

猫でも人間でも変わらない、人間になっても変わらないご主人様の手の温かさに、安心感を覚える。


ご主人様の手が好き。
優しくて、温かい…
ご主人様の手が大好き。

 

⏰:09/09/27 23:27 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#98 [あんず]
 




「そういえば、リアの瞳はブルーなんだね。
凄く綺麗だ。」


ご主人様は突然私の目を覗きこみ、目を細めて笑う。


「本当…ですか?
嬉しいです……。」


ご主人様の顔が凄く近くて、私は少し顔を赤くしてしまった。

 

⏰:09/09/27 23:35 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#99 [あんず]
 




そんな私とは裏腹に、
突然ご主人様は少し顔を曇らせた。

どこか悲しげな表情。


「……どうか、したんですか?」


私は心配になり、ご主人様の手を強く握り締めた

 

⏰:09/09/27 23:40 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#100 [あんず]
 




「…少し、色んなことを思い出してしまったんだ。ごめんね、心配かけて。」


ご主人様はそう言いながら無理したような笑顔を私に見せる。
今にも泣きそうな表情。


「…ヒロ、さん。
無理して笑わなくてもいいですよ…?」

 

⏰:09/09/27 23:44 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#101 [あんず]
 




そう言うと、ご主人様はまた目を細めて笑った。


「…ありがとう。」


「私で良ければ、何でも聞きます…。役に、立ちたいんです…!!」

私は強くご主人様を抱き締めた。

ご主人様の大きな背中に必死に手を回し、離れないように服をぎゅっと握りながら。

 

⏰:09/09/27 23:47 📱:W61K 🆔:rtofEr46


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