ピンクな気分。U
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#91 [のの子]
風を切る音とエンジンの音で普通の声の大きさじゃ聞き取りづらいのをすっかり忘れていた。
「あっ‥えっと〜‥まだやってるんですかぁ?」
さっきまで泣いてたせいか、喉が痛いのを我慢して大きな声を出す。
「何を〜?」
昇さんは軽く私の方を見る。
「総長ですよぉ!」
「あははっうん、まだ現役でやってるー♪」
昇さんが笑うと襟足がくるっとはねて揺れる。
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:09/10/23 00:03
:SH06A3
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#92 [のの子]
「でも俺これでも大学生〜♪」
「えっ!大学行ってるんですかっ?」
「うん。全く、本当学業と両立すんの大変だよねー。俺にはやっぱキツイわぁ。」
あははっと笑う昇さんに私もクスッと笑う。
「でも毎日充実しているよ。」
そう言った昇さんな背中からはどこか寂しげに見えた。
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:09/10/23 01:13
:SH06A3
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#93 [のの子]
「私も‥もう高2になりましたっ。」
「高2ぃっ?!うわぁ‥なんか時間過ぎんのマジ早いねぇ。」
「‥はい。本当に‥」
それから二人共黙ったまま、生温い強い風の音とエンジンの音だけが響く。
―――――――
「はぁい。到着っ!」
バイクが止まったのは小さな茶色いアパート。
メットを外そうとすると昇さんが外してくれた。
「あっごめん。お兄さんぶっちゃった。」
照れ笑いをしながらメットを置くと、私の手を握って一階の端から二番目の部屋に向かう。
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:09/10/23 01:33
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#94 [のの子]
前から一人暮らしだった昇さん。
「懐かしいです‥」
「また懐かしいって‥おばぁちゃんじゃないんだから。せめて心ん中で思ってくださぁい。」
ガチャ
ドアが開くと昇さんは先に私を中に入れてくれた。
「んじゃとりあえず風呂入ろっか。
中に入ると大学の教科書とプリントらしき物が重なっているのが見えた。
「どこの大学に行ってるんですか?」
「ん〜?‥灘崎大学。あいつが行きたがってたとこ。」
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:09/10/23 18:56
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#95 [のの子]
灘崎大学は、この辺じゃ良い所の大学だ。
「うわぁ‥すごい。」
「めちゃくちゃ頑張ったからねー。今の俺頭いいよぉ?」
ははっと笑う昇さんがクローゼットからTシャツとジャージを出してきた。
「ほれっ着替え。行ってきんしゃーい♪」
肩を押されてお風呂場に入ると、居間の方からテレビの音が聞こえてきた。
スルッ‥‥
服を脱いでから初めて鏡を見ると思っていたより擦りむいたり小さな痣があった。
:09/10/23 19:04
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#96 [のの子]
それにしても
「本当ボロボロ‥」
鏡に映る私の目は赤いのに、目の回りやほっぺは所々化粧で黒くなっていた。
カチャ
シャーーッ
熱いシャワーで一気に浴室は湯気に包まれていく。
私はシャワーを頭から浴びる。
「 ‥‥‥‥‥‥ 」
擦りむいた所がチクチク痛む。
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:09/10/23 19:10
:SH06A3
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#97 [のの子]
『冷めた』
『終わりにしよう』
『さよなら』
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:09/10/23 19:12
:SH06A3
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#98 [のの子]
シャーーッ
「‥ッ‥‥‥ック‥‥嫌だぁ‥‥ッ‥」
膝を抱え込むように座りこむ。
『もし俺が別れようって言ったらどうする?』
『泣いて泣いて、空っぽになるよ』
…空っぽになる。
空っぽになっていくのを
感じる。
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:09/10/23 19:33
:SH06A3
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#99 [のの子]
「‥りゅっじく‥ッ…‥」
シャーーッ
居間からのテレビの音とシャワーの音に隠れて私は泣きつづけた。
――――――
「おっ!お帰り〜。」
「あっお風呂ありがとうございました。」
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:09/10/23 19:54
:SH06A3
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#100 [のの子]
結局メイクを落とすのにも時間がかかって1時間も入っていた。
「いいえ〜。ってかスッピンになるとやっぱさとちゃんだねぇ。」
「はははっ‥」
部屋にある時計に目をやるともう6時を過ぎているのに気づく。
「ちょっとゆっくりしてきな?バイクで送るし。」
「‥はい。」
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:09/10/23 22:39
:SH06A3
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