ピンクな気分。U
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#671 [のの子]
 
「真琴ここ病院だよ?わかるっ?」

その時私達はこのまままこ姉は助かるって思った。



でも、違うって事に私は一人早く気づく。

たぶんまこ姉自身が一番わかっていたんだと思う。


「真琴?なに?なんて言ってるの?」

まこ姉は唇を震わせながら口を微かに動かした。
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⏰:10/05/14 11:22 📱:SH06A3 🆔:EuBew5nc


#672 [のの子]
 


「‥あ っ  ‥   」

そこにいる誰もがまこ姉の声を聞き取れず、その事がまた胸を苦しめる。


でもまこ姉はいつもと同じように笑った。

「‥ ‥ ね っ ‥」


っ!

その時、確かに一瞬まこ姉は私を見つめて笑った。


うん‥ うん

わかる。
わかるよ、私には。
.

⏰:10/05/14 11:30 📱:SH06A3 🆔:EuBew5nc


#673 [のの子]
 
まこ姉の言葉は‥ちゃんと私には伝わってるから。



「 ‥ っ‥かっ‥ 」


最後、一筋の涙を流してまこ姉はまた意識をなくした。



そして、


その後目が覚める事なく


まこ姉は



逝ってしまった‥


.

⏰:10/05/14 11:38 📱:SH06A3 🆔:EuBew5nc


#674 [のの子]
 




――――――――


ミーンミンミンミーン


「彰君、私ね‥まこ姉が死んじゃってから今みたいに話せるようになったの。‥やっぱり変に思う?」

俯きながら黙って聞いてくれてた彰君が顔をあげる。
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⏰:10/05/15 22:23 📱:SH06A3 🆔:ryUNYQxE


#675 [のの子]
 

「思わないよ。むしろ今、お前とこうやって話せて良かったって思うし‥」

「そっか、ありがと‥それ結構嬉しいかも。」

私が照れながら笑うと、彰君も笑ってくれた。

「あのね‥私が話せるようになったの、まこ姉のおかげなの。」

私達は真っ直ぐ前を見つめる。


「私の声は‥まこ姉の最期の言葉を伝えるために、戻ってきたの。」

.

⏰:10/05/15 22:36 📱:SH06A3 🆔:ryUNYQxE


#676 [のの子]
 
ふわっと風が吹くと髪を揺らす。


「‥‥‥あいつの最期の言葉って?」

彰君はベンチに足をのせると体育座りをして自分の肩を掴んだ。

私は前を向きながら、まこ姉の顔と最期の言葉を思い浮かべる。


「『ありがとう、ごめんなさい』」


これを話した時のお母さん達は、悲しげに笑っていた。

⏰:10/05/15 22:43 📱:SH06A3 🆔:ryUNYQxE


#677 [のの子]
 

「『よろしくね』」


たぶんこれは私に言ったんだと思う。


最期の言葉を私にたくす、そんな意味があったんだろう。


そして


本当に


本当の‥

まこ姉の最期の言葉。


.

⏰:10/05/15 22:45 📱:SH06A3 🆔:ryUNYQxE


#678 [のの子]
 


「『バカ、愛してる』。

‥この言葉だけ、誰にたいしてなのかわからなかったんだ。バカなんて私達家族には言わないと思って。でも、今ならわかる‥」

彰君はギュッと肩を掴む手に力を入れる。


「この言葉は、まこ姉から彰君への最期の言葉だよ?」

私は優しく彰君の手に触れる。

彼の手は微かに震えてて、でも温かい。
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⏰:10/05/15 22:55 📱:SH06A3 🆔:ryUNYQxE


#679 [のの子]
 

「っ‥違うかもだろ‥」

「そんな事ない。彰君からまこ姉の話聞いて確信持てたもん。」

彰君はまだ俯いたまま肩を掴む。

「まこ姉は最期もふざけ半分で『バカ』って言ったんだろうけど『愛してる』は、本当の気持ちを彰君に言ったんだよ。」

「‥っ‥‥でも‥」

「まこ姉らしい告白でしょ?そう思わない?」

.

⏰:10/05/15 23:05 📱:SH06A3 🆔:ryUNYQxE


#680 [のの子]
 

「‥‥っ‥‥でも‥俺は‥」

キュッと丸くなって黙り込む彰君は小さくて、子供のように感じた。


「彰君、もういいよ?‥もう自分を許してあげて?」

もういいよ。

まこ姉を死なせてしまったと思う自分。

助けられなかった自分。

生きている自分。

お願い‥もう彰君自身を、許してあげて。
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⏰:10/05/16 22:22 📱:SH06A3 🆔:rNVBZsSE


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