ピンクな気分。U
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#366 [のの子]
 
彼との待ち合わせは小さな公園。

学校へ行く時、竜二君と待ち合わせ場所にしていた公園だ。


ドクン ドクン ドクン

大丈夫‥大丈夫‥

心の中で何度も唱える。


「お姉ちゃん待ってよぉ〜!」

っ!

「ほらっ早く来ないと置いてっちゃうぞ!」

小さな姉妹が私の横を元気よく走り去る姿を見て思わず振り返る。

姉の手を握って一生懸命走ってく後ろ姿は、小さい頃の私とそっくりだ。

「まこ姉‥‥」
.

⏰:09/12/11 20:27 📱:SH06A3 🆔:674JS7fg


#367 [のの子]
 
――――――

『まこ姉、私足遅いから運動会出たくない‥』

小学低学年の頃、運動会の50b走に出たくないとまこ姉に相談した事があった。

『えぇっ別に足遅くたっていいじゃん。』

『やだよっ‥ビリ恥ずかしいもん。』

『恥ずかしいって‥なんで?』

まこ姉が私と目線を合わせるようにしゃがみ込む。

『‥だってバカにされるもんっ。』

『誰もバカにしないよ〜。そんな奴いたら私がぶっ飛ばしてやるから。』

まこ姉が笑って私の頭を撫でる。
.

⏰:09/12/11 20:35 📱:SH06A3 🆔:674JS7fg


#368 [のの子]
 
『でも‥やっぱ嫌だ‥』

『しょうがないなぁ。』

まこ姉は困った顔をしながら笑う。


運動会当日。

結局50b走に出なきゃいけなかった私は周りで笑う友達とは違って俯いていた。

どうせビリなのに‥

そう思いながらあっという間に私の番が来た。

『ヨーイッ‥』

パァン!!
.

⏰:09/12/11 20:53 📱:SH06A3 🆔:674JS7fg


#369 [のの子]
 
案の定私は他の子の背中を追いかける。

やっぱり‥

走りながら目線が段々下に落ちていく。

『聡美っ!!』
グイッ

『うわぁっ!‥まこ姉!?』

まこ姉が笑いながら私の手を握って走り出す。

運動神経の良いまこ姉にグイグイ引っ張られ、私はいつの間にかまこ姉の背中だけを追いかけていた。

⏰:09/12/11 20:58 📱:SH06A3 🆔:674JS7fg


#370 [のの子]
 
『あはははっあっという間に一位〜♪ほらっ行ってこい!』

まこ姉が私の手を離すと、私はそのまま走りつづける。

『ハァッハァッ‥』

パァンッ!

私は一番最初にテープを切った。


‥もちろんこれは無し。
結局私は時間もないからって事でビリにされた。

後々まこ姉は先生やお母さんから怒られるし、

私も皆にズルイって言われたけど、羨ましいって言ってくれる子もたくさんいた。

⏰:09/12/11 21:08 📱:SH06A3 🆔:674JS7fg


#371 [のの子]
 
『お姉ちゃんかっこよかったよぉ!』

『すっごい早かったもん!あんなお姉ちゃんいて羨ましいなぁ。』


まこ姉にその事を話すと

『でもせっかく一位になったのにビリになっちゃったのは私のせいじゃん。ごめんね?』

まこ姉はそう言って私の頭を撫でてくれた。

確かにズルをしたけど、私が一位になれたのはあれが最初で最後。
.

⏰:09/12/11 21:14 📱:SH06A3 🆔:674JS7fg


#372 [のの子]
 
何年後か、まこ姉とその話をした時まこ姉は優しく笑って

『私はたまたま聡美より運動神経が良かっただけだよ。聡美は聡美のやり方で誰かを引っ張ってあげな?』

そして大きくなっても私の頭を優しく撫でてくれた‥

―――――――


「私のやり方か‥‥」

私はまた前を向いて歩きだす。

.

⏰:09/12/12 20:17 📱:SH06A3 🆔:FzfRDSnw


#373 [のの子]
彰Side

サァーーーッ

生暖かい風が公園の木の葉を揺らす。

伸びっぱなしの髪の毛も頬をくすぐるように揺れた。

そろそろ髪の毛切るかな‥

ベンチに座りながら前髪をいじる。

公園には俺以外に親子や小学生ぐらいの子達が遊んでいた。

こんな暑いのに公園には笑い声がたえない。

子供ってすげぇ‥

高校生の俺は太陽から隠れるように日影のベンチを陣取っていた。

⏰:09/12/12 20:27 📱:SH06A3 🆔:FzfRDSnw


#374 [のの子]
 
それにしても

「場違いだろ。」

こんな笑い声がたえない公園で、俺達はこれから話すのかと思うと余計気分がのらない。

ただでさえここに来るまでに何回も立ち止まったのに‥

「はぁ‥あっちー。」

俺は頭を抱え込むように地面を見つめる。

日影にいてもやっぱり暑い。



「大丈夫?」
.

⏰:09/12/12 20:33 📱:SH06A3 🆔:FzfRDSnw


#375 [のの子]
 
っ!
ドクン   ドクン

声に反応して顔をあげると

ドクン   ドクン

黒い日傘をさした聡美が笑って立っていた。

「ずーっと下向いてたから気づかなかったでしょ?」

「ん、ちょっと驚いた。ってか日傘とかさすんだ。」

「日焼け止めなくって。」

笑いながら聡美が俺の横に座る。
.

⏰:09/12/12 20:41 📱:SH06A3 🆔:FzfRDSnw


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