― 短編箱 ―
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#109 [栢]
そんなわけで、
可愛くて仕方がない。
もちろん話したことないし
名前も知らない
俺みたいなばかっぽい奴
相手にしてくれないかもなぁ‥
要は叶わぬ恋らしき一目惚れ
:09/10/14 15:57 :D905i :U5TmC86c
#110 [栢]
彼氏いんのかなー
いそうだなぁ‥。
そんなかんじで
ぼーっと眺めていると
ふと目があった
それだけで心臓やばかった、
その子はにこっと小さく笑って
また本を読み出した。
くそかわいいなこの野郎。
悶々とする思春期17才
:09/10/14 16:00 :D905i :U5TmC86c
#111 [栢]
思い切って
話しかけてみたいんだが、
なかなかタイミングがつかめずに早半年
眺めてるだけで
幸せって言えば幸せなんだけど‥
できるなら話してみたい。
できるなら‥うん。
話しかけようかと思っても
電車を降りると
友達と待ち合わせしてるらしく
ひとりでいないし‥あぁ
:09/10/14 16:04 :D905i :U5TmC86c
#112 [栢]
そんな日の帰りのこと。
いつも通り電車に乗って
駅につくと
ちょうど雨が降り出した。
「うわ‥最悪」
あいにく傘持ってきてなくて、
しかも雨のあの濡れた時の
べたべた感が苦手で
少し駅で雨宿りしていたんだ
:09/10/14 16:19 :D905i :U5TmC86c
#113 [栢]
すぐ止むかと思ったけど
なかなか止まなかった。
傘さしてる人たちを
ぼーっと見つめてるその間も
あの子のこと考えてて、
あの子いつもどこで乗るんだ?
俺よりも前の駅ってのは
わかってたけど‥。
まぁそれも
聞いてみなきゃわからない話で
やっぱり何一つ情報もなく
興味や勝手な妄想だけで
俺を支配してくあの子。
:09/10/14 16:23 :D905i :U5TmC86c
#114 [栢]
とりあえず
今度いい機会があったら
絶対話しかけると誓った。
そしてそのいい機会は‥
「早くやまねぇかな‥」
ふと横に目をやると、
あれ‥?なんで ?
:09/10/14 16:41 :D905i :U5TmC86c
#115 [栢]
あの子がいる。
俺の横にかわいいあの子
今さっき
自分に誓ってしまったことを
恨みたくなる‥
まだ心の準備できてないし、
自然と目が泳いでしまう
怪しく思われてないかなと
横目で様子をうかがう。
案の定
彼女は俺に目もくれていない
:09/10/14 16:45 :D905i :U5TmC86c
#116 [栢]
どうやらメールを打ってるようだ
やっぱり彼氏‥
あー‥なんかもう
話しかけるの怖い(笑)
やっぱり諦めようかななんて
考えていた‥
その時。
:09/10/14 16:48 :D905i :U5TmC86c
#117 [栢]
「すみません‥ちょっといいですか?」
とひとりのおばあさんが
彼女に話しかけた。
なぜか俺は息を潜め
様子をうかがっていた。
「西沼に行くバス停はどこですかね?」
:09/10/14 16:53 :D905i :U5TmC86c
#118 [栢]
彼女は困った様子だった
そりゃそうだろう
ここの人じゃないんだから、
‥これはチャンスだと思った。
「おばあちゃん、
西沼行きはあそこのバス停ですよ」
俺はうまく会話に入り込んだ
:09/10/14 16:56 :D905i :U5TmC86c
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