― 短編箱 ―
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#157 [栢]
終わったあとぎゅっと抱きしめてくれた
なんだか嬉しくて
はまってしまったの
もしかしたら
あたしは浮気相手かもしれない
ただのセフレかもしれない‥
何度もそんなことを考えた
だけど周りより
一歩先に進めた気がして
そんな自分に自惚れたのね、私
:09/10/23 20:09 :D905i :YKgWBHmg
#158 [栢]
会うたびにやって
獣みたいでしょう?
ただ腰を振るだけ
白い液体が喉に絡まる
なんて、不快感
快感なんて一度も‥
演技してる自分に自惚れた
それに興奮してる彼がバカみたいで
おかしかった
:09/10/23 20:11 :D905i :YKgWBHmg
#159 [栢]
ある日
ゴミ箱の"使い捨て"を
お母さんに見つけられてしまった
どこか少し
過保護な気がしていた
過剰に心配して
嫌味のようにしつこく注意される
あたし思春期よ。
嫌気がさすじゃない
:09/10/23 20:14 :D905i :YKgWBHmg
#160 [栢]
「お母さんに
心配かけるようなことしないで!!」
そう怒鳴られたけど
あえて黙って部屋にこもった
むかつく。
勝手に心配してるだけでしょう
放っておいて
もう子供じゃない。
:09/10/23 20:16 :D905i :YKgWBHmg
#161 [栢]
小さいころから
お母さんが大好きだった。
優しくておもしろくて、
ほかの子のお母さんなんかとは
どこか違う独特の魅力‥
お姉ちゃんの
反抗期を知っているあたしは
「あたしは絶対反抗なんてしないよ!」
そう言ったのは
つい最近だった気がする、
:09/10/23 20:19 :D905i :YKgWBHmg
#162 [栢]
だけどやってきてしまった
思春期に負けた
あたしの反抗期。
それからなんとなくだけど
壁を感じるようになった
お母さんはいつも
不機嫌そうな顔をしていた
そんな顔を見るたびに
彼のもとへ行くあたし。
履き違えた"大人"の意味
:09/10/23 20:21 :D905i :YKgWBHmg
#163 [栢]
ふとカレンダーに目をやる
月末‥
生理がこない。
いや、まさか
あたしに限ってそんなこと‥ね
鼓動は正直に‥
周りの音をかき消した。
お願いだから‥
愚かなあたし無知なあたし
命の芽をつんでしまいたい。
:09/10/23 20:26 :D905i :YKgWBHmg
#164 [栢]
「生理こない‥」
彼に電話で告げた。
産んでと言われたらどうしよう‥
そんな心配は無駄だった
「どうするの!?
俺、育てられないよ‥
病院行ってこいよ」
心配とは裏腹に、
この言葉を受け入れる準備を
まだ整えていなかったの
孤独が襲う
:09/10/23 20:29 :D905i :YKgWBHmg
#165 [栢]
あたし‥死のうか
ねぇ、一緒にあたしも消えるよ
すぐにあたし追いかけるから
ママと一緒に天国で暮らそうか
何度自らの腹を殴っただろう
1人になると
無意識に泣きながら
力を込めて殴る
鈍い音が響く
:09/10/23 20:32 :D905i :YKgWBHmg
#166 [栢]
「あんた‥生理は?」
張り詰めた空間
冷たい痛いお母さんの声
「そろそろ来る」
根拠なんてないの
あたしの願いよ
愚かなあたし。
:09/10/23 20:35 :D905i :YKgWBHmg
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