― 短編箱 ―
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#183 [栢]

そんな感じの緩い関係も
もう何年立つのかな。
ってかいつから仲良くなったんだろ

「引っ越し手伝って!」

「は?」

そんなことかとか思ったけど
よくよく考えたら
力仕事な気がしてきて

やっぱりあたしは
女として見られてないと実感。
なんだか最近はそれが
あたしを締め付けるように痛い

⏰:09/10/24 16:04 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#184 [栢]

今日から大学生になるわけで、
ハルトは地元を離れることになった
もう、お隣さんも終わり。

「引っ越しって‥
まだ終わってなかったの!?
もう4月じゃん(笑)」

「荷物はあっちに届いてる
だから、整理手伝って(笑)」


雑用ねー‥はいはい
どことなく清々しい顔をしてる
そんな風に見えた

⏰:09/10/25 18:03 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#185 [栢]

やっぱりあたしと隣って
やだったのかなぁ 、

ずしりとした物がのしかかる
もう会えないのかななんて
珍しく恋しく思う

「ちゃんと電車賃払うし!
帰りも送るからっ
俺の新しい部屋、見たいだろ?」

にこにこ嬉しそうだ
離れちゃうのを寂しがってるのは
あたしだけなんだなぁ‥

⏰:09/10/25 18:06 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#186 [栢]

結局行くことになって

ハルトの新しい部屋は
すごくきれいで
周りの風景もいいとこだった

「隣の部屋、女なんだぜ♪」

なんでそんな嬉しそうなのよ‥
今までが嫌だったみたいに
笑わないでよばか、

隠れていた気持ち

⏰:09/10/25 18:13 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#187 [栢]

やきもち‥?
―‥まさかね。

今まで彼氏できたって
妬いたことないし、


つまれた荷物の山
募る切なさ
気付いちゃいけない想い


あぁ、目眩がする。

⏰:09/10/25 18:18 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#188 [栢]

あたりはもう暗かった。
なんだか早く帰りたい


「適当に箱開けて荷物出してー‥
服はそこのタンスでー‥」

ハルトの声が耳の奥で渦を巻く
鼻がつんとする。


服に染み付いた匂い
もう懐かしくなってる

⏰:09/10/25 18:22 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#189 [栢]

「もうあれだなー、」

時計の音があたしを突き刺す
沈黙なんて‥似合わないのに

「なんかやっと解放されたって感じ
窮屈な生活も終わりだ(笑)」

ぐっと伸びをして
幸せそうな顔してるの?
それすら見たくない


あたしどうしちゃったんだろう

⏰:09/10/25 18:25 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#190 [栢]

「全く、いちいちメイは煩いからなぁ
隣の子は
おしとやかな子であってほしいわ」

この場から消えたい
だめだ‥来る。

「もうおさらばだしなぁ、
案外呆気ないな(笑)」

悔しい‥弱い自分、
急に息が苦しくなる
この雫がこぼれたら
ハルトは馬鹿にして笑う?

⏰:09/10/25 18:30 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#191 [栢]

―だめ‥、ばれる‥!

すべてを放り投げて駆け出した
体が動くままに。
ただ 訳の分からぬ気持ちが
あたしを狂わせた

「‥メイ!?
おい!どこ行くんだよ‥!」

すぐさまあたしの腕を掴んだ
止めて‥見られたくない

思い切り振り払って
真っ暗な夜に出た

⏰:09/10/25 18:35 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#192 [栢]

ハルトごときに泣くなんて‥
どうかしてる

見知らぬ道を歩く
街灯が寂しそうに消えかかってる
何しに来たんだろう、あたし

「も‥、わけわかんない」

目の奥が火傷しそうに熱い
まだひんやりした空気が包む

⏰:09/10/25 18:39 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


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