― 短編箱 ―
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#187 [栢]

やきもち‥?
―‥まさかね。

今まで彼氏できたって
妬いたことないし、


つまれた荷物の山
募る切なさ
気付いちゃいけない想い


あぁ、目眩がする。

⏰:09/10/25 18:18 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#188 [栢]

あたりはもう暗かった。
なんだか早く帰りたい


「適当に箱開けて荷物出してー‥
服はそこのタンスでー‥」

ハルトの声が耳の奥で渦を巻く
鼻がつんとする。


服に染み付いた匂い
もう懐かしくなってる

⏰:09/10/25 18:22 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#189 [栢]

「もうあれだなー、」

時計の音があたしを突き刺す
沈黙なんて‥似合わないのに

「なんかやっと解放されたって感じ
窮屈な生活も終わりだ(笑)」

ぐっと伸びをして
幸せそうな顔してるの?
それすら見たくない


あたしどうしちゃったんだろう

⏰:09/10/25 18:25 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#190 [栢]

「全く、いちいちメイは煩いからなぁ
隣の子は
おしとやかな子であってほしいわ」

この場から消えたい
だめだ‥来る。

「もうおさらばだしなぁ、
案外呆気ないな(笑)」

悔しい‥弱い自分、
急に息が苦しくなる
この雫がこぼれたら
ハルトは馬鹿にして笑う?

⏰:09/10/25 18:30 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#191 [栢]

―だめ‥、ばれる‥!

すべてを放り投げて駆け出した
体が動くままに。
ただ 訳の分からぬ気持ちが
あたしを狂わせた

「‥メイ!?
おい!どこ行くんだよ‥!」

すぐさまあたしの腕を掴んだ
止めて‥見られたくない

思い切り振り払って
真っ暗な夜に出た

⏰:09/10/25 18:35 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#192 [栢]

ハルトごときに泣くなんて‥
どうかしてる

見知らぬ道を歩く
街灯が寂しそうに消えかかってる
何しに来たんだろう、あたし

「も‥、わけわかんない」

目の奥が火傷しそうに熱い
まだひんやりした空気が包む

⏰:09/10/25 18:39 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#193 [栢]

月がぼんやりしてる
切ない、ばか

気付いていたのに
気付いちゃいけない気がするんだ
だってそうでしょ?
ただ辛いだけよ、こんなの


普通に学校とかで知り合ってたかった
幼なじみなんて、嫌。

⏰:09/10/25 18:42 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#194 [栢]

もやもやする胸を抑えて
投げやりに目を擦った

―‥ここどこだろう。
真っ暗な空間が不安にさせる


「メイ!!」

つい、振り向いてしまった

嬉しいのに何かが引き止める
かっこ悪いの。あたし

⏰:09/10/25 18:46 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#195 [栢]

「ばかかお前、
普通に寒みーから‥
それに、迷子になるだろ」

暗かったけど確かに見えた
ハルトの真剣な顔

「ごめ‥、」

言い終わる前に
暖かい手に包まれるあたしの冷たい手

「帰るぞ」
緩く笑ったのが見える
ハルトを近くに感じた

⏰:09/10/25 18:50 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#196 [栢]

小さい頃にも
一度こんなことがあったっけ

何でだか忘れたけど
こうして手を引かれて夜道を歩いた


過去の自分が羨ましい
もっと一緒にいたかった‥

ハルトの背中はいつのまにか
大きくなっていた
気づかなかったな‥
あたしより、小さかったのに

⏰:09/10/25 18:53 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


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