― 短編箱 ―
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#180 [栢]
   春の青い芽

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⏰:09/10/24 15:50 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#181 [栢]

「メイ!!明日頼みがある!!」


いきなり電話。
いきなりの依頼。
そんなことをするのは
ハルトくらいしかいない

「お金なら貸さないよ?」


ハルトの頼みごとと言えば
大概、お金

って言っても、
最高でも500円なんだけど(笑)

⏰:09/10/24 15:55 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#182 [栢]

「金じゃねーのよ今回は
ちょっと手伝ってー」

にこにこしながら
手を合わせて頭を下げる
なんとなく、犬を思わせる奴


ハルトは家が隣で幼なじみ。
一緒に遊んだりお泊まりしたり、
お風呂とかも‥入ったかも

お互いのことなんて
意識してるわけがない

普通に技かけられるし
下着姿で会えるし(笑)

⏰:09/10/24 15:59 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#183 [栢]

そんな感じの緩い関係も
もう何年立つのかな。
ってかいつから仲良くなったんだろ

「引っ越し手伝って!」

「は?」

そんなことかとか思ったけど
よくよく考えたら
力仕事な気がしてきて

やっぱりあたしは
女として見られてないと実感。
なんだか最近はそれが
あたしを締め付けるように痛い

⏰:09/10/24 16:04 📱:D905i 🆔:NjgA4wYU


#184 [栢]

今日から大学生になるわけで、
ハルトは地元を離れることになった
もう、お隣さんも終わり。

「引っ越しって‥
まだ終わってなかったの!?
もう4月じゃん(笑)」

「荷物はあっちに届いてる
だから、整理手伝って(笑)」


雑用ねー‥はいはい
どことなく清々しい顔をしてる
そんな風に見えた

⏰:09/10/25 18:03 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#185 [栢]

やっぱりあたしと隣って
やだったのかなぁ 、

ずしりとした物がのしかかる
もう会えないのかななんて
珍しく恋しく思う

「ちゃんと電車賃払うし!
帰りも送るからっ
俺の新しい部屋、見たいだろ?」

にこにこ嬉しそうだ
離れちゃうのを寂しがってるのは
あたしだけなんだなぁ‥

⏰:09/10/25 18:06 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#186 [栢]

結局行くことになって

ハルトの新しい部屋は
すごくきれいで
周りの風景もいいとこだった

「隣の部屋、女なんだぜ♪」

なんでそんな嬉しそうなのよ‥
今までが嫌だったみたいに
笑わないでよばか、

隠れていた気持ち

⏰:09/10/25 18:13 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#187 [栢]

やきもち‥?
―‥まさかね。

今まで彼氏できたって
妬いたことないし、


つまれた荷物の山
募る切なさ
気付いちゃいけない想い


あぁ、目眩がする。

⏰:09/10/25 18:18 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#188 [栢]

あたりはもう暗かった。
なんだか早く帰りたい


「適当に箱開けて荷物出してー‥
服はそこのタンスでー‥」

ハルトの声が耳の奥で渦を巻く
鼻がつんとする。


服に染み付いた匂い
もう懐かしくなってる

⏰:09/10/25 18:22 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#189 [栢]

「もうあれだなー、」

時計の音があたしを突き刺す
沈黙なんて‥似合わないのに

「なんかやっと解放されたって感じ
窮屈な生活も終わりだ(笑)」

ぐっと伸びをして
幸せそうな顔してるの?
それすら見たくない


あたしどうしちゃったんだろう

⏰:09/10/25 18:25 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#190 [栢]

「全く、いちいちメイは煩いからなぁ
隣の子は
おしとやかな子であってほしいわ」

この場から消えたい
だめだ‥来る。

「もうおさらばだしなぁ、
案外呆気ないな(笑)」

悔しい‥弱い自分、
急に息が苦しくなる
この雫がこぼれたら
ハルトは馬鹿にして笑う?

⏰:09/10/25 18:30 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#191 [栢]

―だめ‥、ばれる‥!

すべてを放り投げて駆け出した
体が動くままに。
ただ 訳の分からぬ気持ちが
あたしを狂わせた

「‥メイ!?
おい!どこ行くんだよ‥!」

すぐさまあたしの腕を掴んだ
止めて‥見られたくない

思い切り振り払って
真っ暗な夜に出た

⏰:09/10/25 18:35 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#192 [栢]

ハルトごときに泣くなんて‥
どうかしてる

見知らぬ道を歩く
街灯が寂しそうに消えかかってる
何しに来たんだろう、あたし

「も‥、わけわかんない」

目の奥が火傷しそうに熱い
まだひんやりした空気が包む

⏰:09/10/25 18:39 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#193 [栢]

月がぼんやりしてる
切ない、ばか

気付いていたのに
気付いちゃいけない気がするんだ
だってそうでしょ?
ただ辛いだけよ、こんなの


普通に学校とかで知り合ってたかった
幼なじみなんて、嫌。

⏰:09/10/25 18:42 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#194 [栢]

もやもやする胸を抑えて
投げやりに目を擦った

―‥ここどこだろう。
真っ暗な空間が不安にさせる


「メイ!!」

つい、振り向いてしまった

嬉しいのに何かが引き止める
かっこ悪いの。あたし

⏰:09/10/25 18:46 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#195 [栢]

「ばかかお前、
普通に寒みーから‥
それに、迷子になるだろ」

暗かったけど確かに見えた
ハルトの真剣な顔

「ごめ‥、」

言い終わる前に
暖かい手に包まれるあたしの冷たい手

「帰るぞ」
緩く笑ったのが見える
ハルトを近くに感じた

⏰:09/10/25 18:50 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#196 [栢]

小さい頃にも
一度こんなことがあったっけ

何でだか忘れたけど
こうして手を引かれて夜道を歩いた


過去の自分が羨ましい
もっと一緒にいたかった‥

ハルトの背中はいつのまにか
大きくなっていた
気づかなかったな‥
あたしより、小さかったのに

⏰:09/10/25 18:53 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#197 [栢]

玄関には
乱暴に脱ぎ捨てたスリッパ

部屋の灯りに目を細めた

「止めたのによー‥
何で振り払うんだよ、ばか」

少しふてくされてた
愛おしく想っちゃうよ‥もう

「止めが足りないのよ
もっとちゃんと止めなきゃ‥」

冗談よ冗談。
強がり‥わかってたの?

⏰:09/10/25 18:57 📱:D905i 🆔:Bcm9GRAE


#198 [栢]

「これならもう‥
何処にも、行かない?」

ぎゅっと優しく包まれた

つま先立ちで戸惑う
ハルトはもう、こんなに成長したんだ

鼓動が速まる
ばれてしまわぬように
そっと息を吐く

こくり、と小さく小さく
頷いたの

⏰:09/10/26 00:33 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#199 [栢]

どうしよう‥
もう、抑えられない

溢れ出す気持ちを
はっきりと感じた。

「‥何の日だったか、知ってる?」

その低い声が
体の奥底まで響く

「‥わかん ない、」

途切れる言葉をやっと繋げた

⏰:09/10/26 00:37 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#200 [栢]

「嘘‥ついでもいい日。」

4月1日‥あぁそうか、
こんなにうまく行くはずないもんね

一気に涙が溢れ出す
いくら何でも
一番つらい嘘 つくなんて‥

「あたし‥バカなんだから、
期待しちゃう‥やめてよ」

そっと離れようとする体を
また優しく包む大きな手

⏰:09/10/26 00:41 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#201 [栢]

「もう、終わった‥」

ふと時計を見る
―‥0時2分

「嘘‥」

嘘なんかじゃない、
この温もりが事実

「メイがいいや、やっぱり
ってか‥じゃなきゃ駄目っぽい」

耳元で囁く声が春を告げた

⏰:09/10/26 00:46 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#202 [栢]

「ばかだよね‥。もう、ばか」

何かがほどけて雫になる
今までの不安も、隠してた想いも
全部が溢れ出る。


うるせぇよって緩く笑って
また荷物を整理し始めた

さっきとは違うわ‥
時計の音が愛おしい

⏰:09/10/26 00:51 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#203 [栢]

さっきよりも少し
近くに座ってみた。

だけどもどかしい、初めての感覚
‥むずがゆいね

「あ‥懐かしい(笑)
これ、覚えてる?」

そう言って
小さな封筒を渡された。

⏰:09/10/26 00:53 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#204 [栢]

"はるとくんえ

めいをおよめさんにしてね"


子供ながらに歪だけど
丁寧に書いたような字
何度も消した跡があった。

「幼稚園のとき、メイがくれたんだよ?」

正直記憶にはなかったけど
一気に体が熱くなった

⏰:09/10/26 00:56 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#205 [栢]

「うわぁ‥恥ずかしい」

そんな何年も前の手紙を
持っててくれたなんてね、
嬉しくて仕方がない

くすりと隣で笑われた。


そして、ある一通の手紙が
あたしの手元に現れた

何年も前の
まだ渡していない小さな手紙

⏰:09/10/26 00:59 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#206 [栢]

"めいちゃんえ

ぼくをおよめさんにしてね"


「やっぱり‥ばかだね」

思わず笑ってしまったの
可愛い文面

顔を赤くする"ぼく"が愛おしい

ねぇ‥
運命を信じたくなったよ

⏰:09/10/26 01:02 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#207 [栢]

二通の手紙を重ねて

声を一つにして、笑った



―‥長年待ち続けた、春の訪れ。

⏰:09/10/26 01:05 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


#208 [栢]

>>180-108

なんかキュンとするやつが書きたかった
書きたかった‥(´・ω・`)
なかなか難しいですね ×

幼なじみとか
ありがちな設定だし、笑
最早ネタ切れです ´`。

後先考えずに書き始めたので
ごちゃごちゃになってしまいました
反省(・_・)
遠まわしすぎる表現も反省
もっと勉強します!

⏰:09/10/26 01:18 📱:D905i 🆔:0HxquaIU


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