<<来栖>>
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#118 [nanoka]

「その話、あながち間違いではないんですよ」

「えっ?」

「正確には霊が喋っている声なんですけどね」

こんな話をしている時でも蒼井さんは笑顔を絶やさない。

⏰:09/10/19 19:38 📱:P906i 🆔:SzarbkRI


#119 [nanoka]

「ただ霊の声って普通の人にはうまく聞き取れないことが多いんですよ。耳鳴りみたいな“音”としてしか変換できないんです」

俺は市原さんの顔色を伺うように視線を移した。

⏰:09/10/19 19:41 📱:P906i 🆔:SzarbkRI


#120 [nanoka]

蒼井さんの話って単純に言えばあなたに霊が憑いてますよってことだから。

そんなこといきなり言われたら、若めのお兄ちゃんなら怒り出すんじゃないかとて心配だった。

でも俺のそんな心配は取り越し苦労に終わった。

⏰:09/10/19 19:43 📱:P906i 🆔:SzarbkRI


#121 [nanoka]

市原さんは真剣な表情で蒼井さんの話を聞いていた。

「じゃあずっと霊が俺に話しかけてるってことか?」

その言い方は何だか心当たりがあるようなそんな感じ言い方だった。

⏰:09/10/19 19:47 📱:P906i 🆔:SzarbkRI


#122 [nanoka]

「えぇ、おそらく」

「何て言ってるんだ!?」

その質問に蒼井さんはちょっと困った顔をした。

「店の外なのでよく聞こえないんですよ」

⏰:09/10/19 20:00 📱:P906i 🆔:SzarbkRI


#123 [nanoka]

意味がわからないという顔をした市原さんに、蒼井さんは説明を続けた。

「僕がいると霊が近くに来れないみたいなんです」

普通なら笑い飛ばされそうな話だが、蒼井さんが言うと真実に聞こえるから不思議だ。

⏰:09/10/19 20:06 📱:P906i 🆔:SzarbkRI


#124 [nanoka]

まぁ真実なんだけど。

「だからここは静かなんだ…」

市原さんも納得したように頷いていた。

でも市原さんには納得するに至った別の理由があった。

⏰:09/10/19 20:07 📱:P906i 🆔:SzarbkRI


#125 [nanoka]

事の始まりは市原さんが友人の部屋に泊まりに行ったことらしい。

「終電なくなっちゃったし泊めてくれ」

市原さんの言葉にそれまで陽気に飲んでいたその友人は渋い顔で言ったらしい。

⏰:09/10/20 17:24 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#126 [nanoka]

「泊めるのはいいけど絶対に窓の外を見るなよ」と。

訳がわからず理由を聞いても答えてくれなかったらしい。

「まぁ夜中だったし窓開けることもないだろうと深くは追及せずに泊めてもらうことにしたんだ」

⏰:09/10/20 17:29 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#127 [nanoka]

ポツポツと語り始めた市原さんの話に、いつの間にか俺は夢中になっていた。

「その晩は散々飲んだ後だったし、シャワーだけ借りてすぐに寝たんだ」

友人がベッド、市原さんはソファーに横になった。

⏰:09/10/20 17:32 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


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