<<来栖>>
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#275 [nanoka]

カタカナのコのようなコンクリートでできた壁の出っぱりが見えたという。

そのコの字型の部分は東側の壁にくっつくように作られているようだ。

二つ目の疑問は、一面コンクリートの壁のその空間から音が聞こえるということだ。

⏰:09/10/28 04:22 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#276 [nanoka]

「玄関を出てすぐの通路も壁で行き止まりだし、ベランダ側も壁だから入り口がないはずなのに…」

神崎さんの口にした疑問に俺は部屋に入ってから初めて怖さを感じた。

確かにそうだ。部屋があると過程しても入り口のない部屋の意味がわからない。

⏰:09/10/28 04:26 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#277 [nanoka]

「五階の角部屋はどうなってます?」

蒼井さんの質問に、神崎さんはあっ!と声を漏らした。

「そういえば五階の角部屋もなかなか入居者が決まらなくて空き部屋なんです」

⏰:09/10/28 04:29 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#278 [nanoka]

「その部屋見れますか?」

「はい。大家さんの家すぐ近くなので鍵借りてきますよ」

そう言って出ていった神崎さんが戻ってくるまで10分もかからなかった。

⏰:09/10/28 04:32 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#279 [nanoka]

「部屋を見たいっていうお客さんがいるって言ったらすぐ貸してくれました」

と、手に持った鍵を蒼井さんに見せた。

「じゃあ早速行きましょうか」

⏰:09/10/28 04:34 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#280 [nanoka]

調べた結果、五階は普通の角部屋だった。

ただその部屋の上にあるのは位置的に神崎さんの住む部屋ではなく、あの奇妙な空間だろうという結論にまとまった。

「こっちの角部屋を借りなくて良かったですね」

⏰:09/10/28 04:38 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#281 [nanoka]

そう言って蒼井さんは微笑んだ。

「えっ?」

「だってほら、あの空間が真上にあるってことは夜中に目を開けたら視線の主とバッチリ目が合ってしまうことになるじゃないですか」

⏰:09/10/28 04:40 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#282 [nanoka]

とりあえず一度神崎さんの部屋に戻ろうということになりその部屋を後にした。

「あの空間の中が心霊現象の原因でしょうね」

蒼井さんの言葉に神崎さんも俺も同意した。

⏰:09/10/28 04:45 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#283 [nanoka]

「壊しましょうか」

そう言った蒼井さんはいつもにも増して笑顔だった。

「大家さんへの言い訳は後で考えましょう」

⏰:09/10/28 04:48 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#284 [nanoka]

蒼井さんの提案で半ば強引に壁を壊すことになったのだが、これが結構大変だった。

ドリルで穴を開けながらハンマーで叩くという作業を何度か繰り返した。

ちなみにドリルもハンマーも蒼井さんの車に積んであった。

⏰:09/10/28 04:53 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


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