<<来栖>>
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#279 [nanoka]

「部屋を見たいっていうお客さんがいるって言ったらすぐ貸してくれました」

と、手に持った鍵を蒼井さんに見せた。

「じゃあ早速行きましょうか」

⏰:09/10/28 04:34 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#280 [nanoka]

調べた結果、五階は普通の角部屋だった。

ただその部屋の上にあるのは位置的に神崎さんの住む部屋ではなく、あの奇妙な空間だろうという結論にまとまった。

「こっちの角部屋を借りなくて良かったですね」

⏰:09/10/28 04:38 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#281 [nanoka]

そう言って蒼井さんは微笑んだ。

「えっ?」

「だってほら、あの空間が真上にあるってことは夜中に目を開けたら視線の主とバッチリ目が合ってしまうことになるじゃないですか」

⏰:09/10/28 04:40 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#282 [nanoka]

とりあえず一度神崎さんの部屋に戻ろうということになりその部屋を後にした。

「あの空間の中が心霊現象の原因でしょうね」

蒼井さんの言葉に神崎さんも俺も同意した。

⏰:09/10/28 04:45 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#283 [nanoka]

「壊しましょうか」

そう言った蒼井さんはいつもにも増して笑顔だった。

「大家さんへの言い訳は後で考えましょう」

⏰:09/10/28 04:48 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#284 [nanoka]

蒼井さんの提案で半ば強引に壁を壊すことになったのだが、これが結構大変だった。

ドリルで穴を開けながらハンマーで叩くという作業を何度か繰り返した。

ちなみにドリルもハンマーも蒼井さんの車に積んであった。

⏰:09/10/28 04:53 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#285 [nanoka]

作業を担当したのは俺。

もしかしたら蒼井さん初めから壁を壊すつもりで道具を用意して俺を連れてきたのかもしれない。

ようやく人が入れるくらいの洞窟の入り口のような穴が空いた時には、俺は汗だくになっていた。

⏰:09/10/28 04:57 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#286 [nanoka]

「やっとあいたーっ!」

と、床に尻餅をついた俺を横目に神崎さんが穴を覗いた。

次の瞬間「ひッ!!」という声と共に俺の上に倒れ込んできた。

⏰:09/10/28 05:01 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#287 [nanoka]

「テレビ…テレビが…」

と、繰り返していた。

スペースにしたら二畳くらいのその謎の空間にはテレビが一台だけ置かれていたらしい。

⏰:09/10/28 05:03 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


#288 [nanoka]

らしいというのは、俺は見ていないからだ。

蒼井さんに

「見ないほうがいいかもしれません」

って言われたから。

⏰:09/10/28 05:05 📱:P906i 🆔:lksf9tkg


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