<<来栖>>
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#24 [nanoka]

そこまで聞く限りでは、楽しいバーベキューの話としか思えなかった。

事態を変えたのは、急に降りだした雨らしい。

「山だから急に天気が変わることは珍しくないし、川で泳いだ後だったからすでに身体も濡れてたし、大したことじゃなかったんだが…」

⏰:09/10/18 02:03 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#25 [nanoka]

そこまで話すと、加藤さんはグラスに残っていたカクテルを一気に飲み干し話を続けた。

「急に雨が降りだしたからみんな慌てて、バーベキューしてた小屋の辺りまで走ったんだ」

⏰:09/10/18 02:07 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#26 [nanoka]

「小屋って言っても、屋根があるだけで壁があるわけじゃなくて…」

「わかります。僕もキャンプ場やバーベキュー場には何度か行ったことありますから」

加藤さんの話をフォローするように、蒼井さんがそう言った。

⏰:09/10/18 02:12 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#27 [nanoka]

「そうか。多分あれだろうな。バーベキューの煙や何かを籠らないようにする為に屋根だけにしたんだと思うんだけど」

と、加藤さんは少しホッとしたような顔をした。

「そこで雨宿りしていると川が見えたんだ。それまで泳いでた川がな」

⏰:09/10/18 02:16 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#28 [nanoka]

「夕立みたいな強い雨だったからすぐに止むだろうと何気なく川を眺めてたんだ」

そこで加藤さんは口を閉じた。

その先が気になっていたが必死で「それで続きは?」そう訊くのを我慢した。

⏰:09/10/18 02:21 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#29 [nanoka]

動揺しているのか、空になったグラスを手に取った加藤さんに

「もう一杯召し上がりますか?」

と、蒼井さんが声をかけた。

⏰:09/10/18 02:23 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#30 [nanoka]

「あぁ。それじゃ同じものを」

誰も口を開かなくなった店内に、蒼井さんがカクテルを作る音が静かに響いた。

続きが気になって仕方なかった俺は、バイト中なのも忘れて突っ立ったまま加藤さんを見ていた。

⏰:09/10/18 02:27 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#31 [nanoka]

「どうぞ」

そう言ってグラスを置くのが蒼井さんの普段の出し方だった。

でもその時は違っていた。

⏰:09/10/18 02:29 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#32 [nanoka]

「薄い水色のワンピースを着た女性ですか?」

そう言って蒼井さんがグラスを置くと、うつ向いていた加藤さんは驚いた顔で蒼井さんを見上げた。

「視えるのか!?」

⏰:09/10/18 02:34 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


#33 [nanoka]

「はい」

蒼井さんには全部わかっているようだった。

「そうか。やっぱり連れて帰ってしまってたか」

全く意味がわからずに間抜けな顔で蒼井さんに助けを求めていると目が合った。

⏰:09/10/18 02:38 📱:P906i 🆔:Fnj.Jafo


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