<<来栖>>
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#372 [nanoka]

15分ほど駅のまわりの路地を歩いたが何の収穫もなかった。

「拓真くんがその子を視た場所に戻ってみましょうか」

という蒼井さんの提案で、駅前に向かうと人だかりができていた。

⏰:09/10/31 16:04 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#373 [nanoka]

野次馬らしき人達に混じってテレビ局の人も来ていた。

「何だろう?」

俺は野次馬の間から駅を覗いた。

⏰:09/10/31 16:06 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#374 [nanoka]

注目を浴びていたのは駅ではなく、隣のマンションだった。

ドラマで見るような立ち入り禁止のテープと警官が、マンション内に入らないように見張っていた。

それだけ確認すると野次馬から少し離れた場所にいた蒼井さんのところに戻った。

⏰:09/10/31 16:08 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#375 [nanoka]

「何かの事件があったみたいですよ」

という俺の声に重なって、女性の声が耳に入ってきた。

「先ほどこのマンションの一室から少女の遺体が発見されました。少女は二週間前から捜索願いが出されていましたが、警察は何の捜査もしておらず両親は自分たちでビラを配り娘を探していたようです」

⏰:09/10/31 16:12 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#376 [nanoka]

リポーターの女性が原稿の練習をしていた。

リポーターの手には電話ボックスに貼られていたのと同じ、あのビラが握られていた。

「彼女だ…」

⏰:09/10/31 16:18 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#377 [nanoka]

俺が初めて視た幽霊は可愛い女の子だった。

彼女は頭のイカれた塾の講師に殺され、彼の部屋の浴槽に放置されていた。

「両思いだと思っていたから家に誘った」

⏰:09/10/31 16:26 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#378 [nanoka]

彼はそう証言しているらしい。

俺が見つけるまでもなく、マンションの住人から異臭がするという通報で彼女は発見された。

彼女はようやく家に帰ることができた。

⏰:09/10/31 16:28 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#379 [nanoka]

「これからもっと色んな霊に出逢うと思います。毎回彼女みたいに肩入れしてしまっていたら大変ですよ」

と、蒼井さんにしては少し厳しいような冷たいようなことを言われた。

それから数珠をもらった。

⏰:09/10/31 16:31 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#380 [nanoka]

「最初のうちは霊と人との区別がつきにくいかもしれないので」

ということらしい。

蒼井さんと同じ透明の数珠は霊に近付くと色が変化する。

⏰:09/10/31 16:33 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#381 [nanoka]

彼女のことがなったから、最初から恨みたっぷりって感じの血だらけの霊に出くわしていたら、彼らとは関わることはなかったかもしれない。

もしかしたら俺の為に彼女が引き合わせてくれたんじゃないかって思う。

彼らと出逢ったのもあの駅の前だった。

⏰:09/10/31 16:36 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


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