<<来栖>>
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#132 [nanoka]

おそらくその時もそうしていたのだろう。

市原さんは火をつけたままの煙草を指にはさみ、カウンターの向かいの壁に並べられたお酒のボトルを眺めていた。

「俺から見て右側に橋があったんだけど…高さはちょうど高速道路くらいの高さだったと思う」

⏰:09/10/20 21:21 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#133 [nanoka]

「その橋の上に女の子が立ってたんだ。女の子っていっても高校生くらいかな」

話を聞きながら俺は頭の中でその女の子をイメージしていた。

⏰:09/10/20 21:31 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#134 [nanoka]

「こんな時間から一人で何やってるんだろう?ってのが最初の印象かな」

市原さんの話では、その子は犬を連れてるわけでもなくただ橋に立っていただけらしい。

「それでどうなったんですか?」

⏰:09/10/20 21:42 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#135 [nanoka]

聞き耳を立てていることは隠していたはずなのについ口にしてしまった。

「え?あぁ…それでその女の子がな…」

突然俺に話しかけられた市原さんは面食らった顔をしながらも話を続けた。

⏰:09/10/20 21:49 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#136 [nanoka]

「こっちに向かって手を振ってきたんだ。最初は俺の他にもベランダに出てる奴がいるんだと思ったんだ。その子の友達とかな」

でもその視線はどう考えても自分に向けられているように思えたらしい。

⏰:09/10/20 21:52 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#137 [nanoka]

「違ったら恥ずかしいな何て考えながら俺も手を振ってみたんだ」

するとその女の子は、さっきよりも大きく手を振り返してきたらしい。

「あ、やっぱり俺にだったんだってちょっと嬉しくなって俺も大きく手を振ったんだ」

⏰:09/10/20 21:55 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#138 [nanoka]

「そしたらその子が何か叫んだんだ。でもうまく聞き取れなくて俺も叫んだんだ。え?何ー?って」

その市原さんの声で寝ていた友人が目を覚ましたらしい。

「ベランダにいる俺の姿を見るなりそいつすげー勢いで怒鳴ってきてさ」

⏰:09/10/20 21:59 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#139 [nanoka]

その時になってようやく市原さんは、友人から窓の外を見るなと言われていたことを思い出したらしい。

「でももう見ちゃった後だし何も変なとこないじゃんって俺笑ったんだ」

それでも友人は早く中に入れって市原さんの腕を引っ張ったという。

⏰:09/10/20 22:02 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#140 [nanoka]

「とりあえず落ち着かせようと女の子といいとこだからお前も来いよって言ったんだ」

そう言いながら視線を女の子のいた橋に戻した時だった。

市原さんの見ている前でその子は川に飛び込んだ。

⏰:09/10/20 22:05 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


#141 [nanoka]

驚いて一瞬、力が緩んだ。と市原さんは言った。

そのタイミングを逃さず友人は市原さんを部屋に引っ張っりこんだらしい。

「何するんだよってさすがに俺も怒ったんだ。女の子が川に飛び込んだんだぞって」

⏰:09/10/20 22:09 📱:P906i 🆔:XhA/sXmE


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