<<来栖>>
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#221 [nanoka]

「押し入れ使えませんね、それ」

俺の言葉に

「その子も同じこと言ってたよ」

と、神崎さんが笑った。

⏰:09/10/27 21:24 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#222 [nanoka]

「それでその子どうなったんですか?」

俺がそう質問すると神崎さんの顔から笑顔が消えた。

「わかんない」

⏰:09/10/27 21:35 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#223 [nanoka]

「えっ?」

「本気みたいだったから、名刺渡したんだけど結局一度も連絡なかったから」

そう言った後で独り言のように元気なのかなと呟いていた。

⏰:09/10/27 21:37 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#224 [nanoka]

神崎さんいわく

「よくあること」

のようだ。

「幽霊が出るってわかってても平気で入居者募集するしな」

⏰:09/10/27 21:39 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#225 [nanoka]

多分“大人の事情”というやつなのだろう。

「やっぱり幽霊が出るとかって入居前に伝えないんですか?」

「伝えないよ。殺人事件とか自殺とかあった部屋は事前に伝えなきゃいけないんだけど、自然死や幽霊の類いは黙ったままだね」

⏰:09/10/27 21:42 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#226 [nanoka]

「そうなんですか?」

「あぁ。まぁ俺たちは入居者を探して大家さんに紹介するのが仕事だから」

そう言って神崎さんは何か考えるように黙りこんだ。

⏰:09/10/27 21:44 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#227 [nanoka]

沈黙を破ったのは蒼井さんだった。

「よろしければもう一杯いかがですか?」

いつの間にか神崎さんのグラスは空になっていた。

⏰:09/10/27 21:45 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#228 [nanoka]

「あ…じゃあ同じものを」

蒼井さんは静かに微笑むとカクテルを作り始めた。

同時に神崎さんが再び口を開いた。

⏰:09/10/27 21:48 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#229 [nanoka]

「俺のとこの不動産屋で扱ってる物件で社員の間でも有名な物件があってさ」

と、神崎さんは幽霊マンションについて説明してくれた。

外から見た外観も暗くて、いかにもってマンションらしい。

⏰:09/10/27 21:50 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#230 [nanoka]

「両側にもマンションがあって、日が当たらないからなんだけど、それだけじゃない暗さがあるんだよな、あそこは」

「そこは何か事件とかあったんですか?」

「いや、何も。でもこの間そのマンションに住んでる夫婦が部屋を探しに来たんだ。担当したのが俺だったんで色々と聞いたよ」

⏰:09/10/27 21:53 📱:P906i 🆔:BSCzB462


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