<<来栖>>
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#234 [nanoka]

「ええっ!?まじですか!?」

俺の反応が面白かったのか神崎さんはちょっと得意気に笑った。

「他の社員もそのマンションのことは知ってたけど、家賃安いからよく紹介してるみたいだしな」

⏰:09/10/27 22:09 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#235 [nanoka]

「家賃安いって言っても、幽霊出るんじゃ退去者も多いんじゃないですか?」

「それがあんまいないんだよ。出るのは例の女の霊だけみたいで、俺が担当した夫婦みたいに気にしない人は気にしないから」

そう言った神崎さんは少し不満そうな表情を浮かべていた。

⏰:09/10/27 22:14 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#236 [nanoka]

感情をストレートに表に出す人というのが、俺の抱く神崎さんのイメージだった。

ちょっと接客業には向かないタイプなのでは、と余計な心配をしてみたりもした。

⏰:09/10/27 22:15 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#237 [nanoka]

そんな神崎さんが、今まで見たことないくらい暗い顔で店に入ってきた。

初めて神崎さんに会った人でも

「何かあったんですか?」

と、訊いてしまいそうな雰囲気だった。

⏰:09/10/27 22:23 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#238 [nanoka]

「寝不足なんだ」

と、神崎さんは開口一番俺にそう言った。

自分でも暗い雰囲気を出していることに気付いているらしい。

⏰:09/10/27 22:25 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#239 [nanoka]

「仕事忙しいんですか?」

という俺の質問に

「あぁ…まぁ」

と、曖昧な答えが返ってきた。

⏰:09/10/27 22:27 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#240 [nanoka]

「前に幽霊マンションの話をしたの覚えてるか?」

「はい。社員さんの間で有名なマンションですよね」

記憶力がいいのは、自分の中で自慢できる部分だ。

⏰:09/10/27 22:30 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#241 [nanoka]

「他にもあるんだよ、そうゆうマンションや部屋」

「そうなんですか」

話の意図がよくわからなくて俺はそんなありきたりな相槌を返した。

⏰:09/10/27 22:33 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#242 [nanoka]

「この間話したマンションみたいに家賃を下げれば入居者がつくこともあれば、下げてもずっと空き部屋のままの物件もあるんだ」

返す言葉が思い付かず俺は黙ったまま神崎さんの話を聞いていた。

「そうゆう物件はさらに家賃を下げるんだ。それでも入居者がつかない場合どうするかわかるか?」

⏰:09/10/27 22:40 📱:P906i 🆔:BSCzB462


#243 [nanoka]

俺は首を横に振った。

「入居者がいないってのは気まずいんだ。大家さんにしてみたらここの不動産屋に仲介を頼んでるから入居者がいないんじゃないかって思われることもあるし」

その辺の事情は何となく理解できた。

⏰:09/10/27 22:43 📱:P906i 🆔:BSCzB462


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