<<来栖>>
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#301 [nanoka]
「もうすぐ半年になります」
「半年か。長いなぁ。もしかして最高記録じゃないか?なぁ、蒼井くん」
話題をふられた蒼井さんは笑顔で「はい」と答えた。
:09/10/28 17:25
:P906i
:lksf9tkg
#302 [nanoka]
「拓真くんはよくやってくれてます」
不意討ちだった。蒼井さんに誉められた俺は思わずにやけてしまった顔を隠す暇がなかった。
「今までの子はすぐやめちゃってたからなぁ…」
:09/10/28 17:31
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:lksf9tkg
#303 [nanoka]
沢木さんと蒼井さんの会話を聞きながら、俺は空きテーブルを掃除していた。
いつもなら話し相手になっている間は仕事しないんだけど、自分から台拭きを手に掃除を始めた。
ほら俺、誉められて伸びるタイプだから。
:09/10/28 17:34
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:lksf9tkg
#304 [nanoka]
「拓真くん、霊感ゼロですし怖い話を聞くのも嫌いじゃないみたいなので」
蒼井さんの言葉に沢木さんは「そうかそうか」と笑っていた。
「そりゃこの店にピッタリな人材だなぁ」
:09/10/28 17:36
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#305 [nanoka]
どうゆう意味だろう?って些細な疑問が湧いた。
怖い話を聞く機会が多いのは蒼井さんの体質上わかるのだけど、俺に霊感がないことは何か関係があるのだろうか。
閉店後、何気なく蒼井さんにその質問をぶつけてみた。
:09/10/28 17:39
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:lksf9tkg
#306 [nanoka]
「僕といると霊感が開花されちゃうみたいなんです」
と、蒼井さんは少し困ったような表情で微笑んだ。
「僕の力が移るわけではなくてその人本来の力なんですけどね」
:09/10/28 17:41
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:lksf9tkg
#307 [nanoka]
「本来の力…ですか」
「よく赤ちゃんや小さい子供は霊が視えるって言うじゃないですか」
その手の話は何度か聞いたことがあったので、俺は頷いた。
:09/10/28 17:43
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#308 [nanoka]
「成長するにつれて視えなくなることが多いんですけど、僕と接しているうちに力が戻ってしまうみたいなんですよ、困ったことに」
「困るんですか?」
霊感があるなんて人によっては自慢する人もいるし、喜ぶ人もいるのでは…って思った。
:09/10/28 17:47
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#309 [nanoka]
「視えないほうがいいこともあるんですよ」
というのが蒼井さんの答えだった。
霊感が開花しすぎて辞めてしまった子や、単純に怖い話が苦手で辞めた子がほとんどらしい。
:09/10/28 17:49
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#310 [nanoka]
「あ。だから…」
俺はようやく面接の時に、蒼井さんにされた質問の意味が理解できた気がした。
「みんな三ヶ月ももたずに辞めてしまうんですよ。だから拓真くんがうちで働いてくれて助かってます」
:09/10/28 17:52
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