<<来栖>>
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#365 [nanoka]

駅の出入口で座り込んでいた彼女の姿を思い出して何だか切なくなった。

「俺に遺体を見つけてほしかったんですか?」

俺の質問に、蒼井さんは複雑そうな表情を浮かべた。

⏰:09/10/31 15:29 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#366 [nanoka]

「警察や探偵じゃないんですから遺体を見つけるのは難しいと思います」

「でも…」

「拓真くんの気持ちはわかります。でも例え霊が視えてもどうにもできないこともたくさんあるんですよ」

⏰:09/10/31 15:34 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#367 [nanoka]

蒼井さんの言っていることも意味もわかった。

でもあの子の膝を抱えてうつ向いていた姿を思い出すと何とかしてあげたいと思ってしまう。

「多分遺体があるのはその地下鉄の駅の近くだと思いますけど…」

⏰:09/10/31 15:40 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#368 [nanoka]

見かねたように蒼井さんはそう言った。

「そうなんですか!?」

「はい。遺体から遠い場所には行けないはずです」

⏰:09/10/31 15:49 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#369 [nanoka]

遺体を探しに行くと言い出した俺を蒼井さんは止めなかった。

それどころか一緒に探してくれると言ってくれた。

「今日はご予約も入ってませんし、少し遅めの開店にしましょう」

⏰:09/10/31 15:51 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#370 [nanoka]

彼女に会った駅までは歩いても10分かからない。

駅周辺なだけあって建物も多く彼女の遺体を見つけるのは困難に思えた。

「この近くって言っても、結構範囲広いですね」

⏰:09/10/31 15:59 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#371 [nanoka]

自分で言い出したくせに弱気な発言をした俺に

「ま、彼女にまた会えたら遺体まで案内してもらいましょう」

と、蒼井さんは微笑んだ。

何とも行き当たりばったりな計画だ。

⏰:09/10/31 16:01 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#372 [nanoka]

15分ほど駅のまわりの路地を歩いたが何の収穫もなかった。

「拓真くんがその子を視た場所に戻ってみましょうか」

という蒼井さんの提案で、駅前に向かうと人だかりができていた。

⏰:09/10/31 16:04 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#373 [nanoka]

野次馬らしき人達に混じってテレビ局の人も来ていた。

「何だろう?」

俺は野次馬の間から駅を覗いた。

⏰:09/10/31 16:06 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


#374 [nanoka]

注目を浴びていたのは駅ではなく、隣のマンションだった。

ドラマで見るような立ち入り禁止のテープと警官が、マンション内に入らないように見張っていた。

それだけ確認すると野次馬から少し離れた場所にいた蒼井さんのところに戻った。

⏰:09/10/31 16:08 📱:P906i 🆔:aBgdcliI


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