<<来栖>>
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#490 [nanoka]
だけど俺や他の人に何かしようとしているわけではないので人間に近い姿をしている…と。
だから彼女を初めて視た時俺は普通のおばさんだと思った。
おばさんって言ったら失礼かもしれないけど30代半ばにはみえた彼女と会ったのは店に向かう途中だった。
:09/11/12 16:29
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:RPC8pAAU
#491 [nanoka]
黒いスーツにゴムで無造作に一つに束ねた黒髪。
郵便局とか役場とかで事務とかやってそうなイメージだった。
その彼女が自動販売機の前で屈んで下を覗き込んでいた。
:09/11/12 16:35
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#492 [nanoka]
のんびり歩いていた俺は、五メートルくらい出前から彼女に気付き何の気なしにその光景を見ていた。
(自販機の下にお金でも落としたのかな?)
と、余計な想像をしながら彼女に近づいた。
:09/11/12 16:37
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#493 [nanoka]
近づいたって言っても彼女のいた場所がたまたま通り道だったんだけど。
特に話しかける気もなく、素通りした。
ちょうど彼女の後ろを通り過ぎた時だった。
:09/11/12 16:44
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#494 [nanoka]
「やっぱこんなとこにあるわけないかぁー」
突然彼女がそう口にした。独り言だと思うんだけど、あまりに突然だったんで俺は振り向いて彼女を見てしまったんだ。
目が合った彼女は驚いた顔で俺を見上げてた。
:09/11/12 16:52
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#495 [nanoka]
「どうかしたんですか?」
その状況で何もなかったように再び歩きはじめる勇気はなかった。
だからそう訊いた。
:09/11/12 16:53
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#496 [nanoka]
彼女は俺の質問に答えるかわりに俺に質問した。
「あなた私が視えるの?」
さっきよりも驚いた顔で、そう訊いてきた。
俺は咄嗟に蒼井さんに貰った数珠を確認した。
:09/11/12 16:57
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#497 [nanoka]
色が変わっていた。うっすらだけど間違いなく反応していた。
「視えます…ね」
俺の答えに彼女はもう驚いている様子はなかった。どっちかと言えば嬉しそうにみえた。
:09/11/12 16:59
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#498 [nanoka]
「時計を探してるの」
彼女は言った。
俺は自分の左手にある腕時計に目を落とした。CASIOのGーSHOCK。
父から貰ったその腕時計はバイトまであと15分だと告げていた。
:09/11/12 17:05
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#499 [nanoka]
「違う違う」
彼女は俺の腕時計を見ながら笑った。
「そうゆうゴツいのじゃなくて…」
なくしたという腕時計の説明をする彼女を俺は困惑しながら眺めていた。
:09/11/12 17:15
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