<<来栖>>
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#495 [nanoka]

「どうかしたんですか?」

その状況で何もなかったように再び歩きはじめる勇気はなかった。

だからそう訊いた。

⏰:09/11/12 16:53 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#496 [nanoka]

彼女は俺の質問に答えるかわりに俺に質問した。

「あなた私が視えるの?」

さっきよりも驚いた顔で、そう訊いてきた。

俺は咄嗟に蒼井さんに貰った数珠を確認した。

⏰:09/11/12 16:57 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#497 [nanoka]

色が変わっていた。うっすらだけど間違いなく反応していた。

「視えます…ね」

俺の答えに彼女はもう驚いている様子はなかった。どっちかと言えば嬉しそうにみえた。

⏰:09/11/12 16:59 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#498 [nanoka]

「時計を探してるの」

彼女は言った。

俺は自分の左手にある腕時計に目を落とした。CASIOのGーSHOCK。

父から貰ったその腕時計はバイトまであと15分だと告げていた。

⏰:09/11/12 17:05 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#499 [nanoka]

「違う違う」

彼女は俺の腕時計を見ながら笑った。

「そうゆうゴツいのじゃなくて…」

なくしたという腕時計の説明をする彼女を俺は困惑しながら眺めていた。

⏰:09/11/12 17:15 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#500 [nanoka]

(この人…ほんとに幽霊だよな?いわゆる)

数珠が反応していなかったら普通のおばさんにしか見えない。

どうしたものかと悩んでいるうちに彼女に手を握られた。

⏰:09/11/12 17:17 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#501 [nanoka]

氷みたいに冷たく冷えきった手だった。

「というわけで宜しくね」

途中から全く彼女の話を聞いていなかった俺は何のことだかわからなかった。

⏰:09/11/12 17:19 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#502 [nanoka]

「よ…宜しくって?」

「だから腕時計!探してくれるんでしょ?あれがないと私カズに会いに行けない…」

怒ったような口調だった彼女はカズという名前を口にした途端暗い表情になった。

⏰:09/11/12 17:21 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#503 [nanoka]

「私がもう死んでるってことはわかってるんでしょ?カズも一緒に死んだの。事故だった」

恐らくさっき一度したであろう話を彼女はもう一度してくれた。

「カズが誕生日にプレゼントしてくれた腕時計がないの」

⏰:09/11/12 17:25 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


#504 [nanoka]

「車の事故だった」

「デジタルじゃなくてアナログの時計。ベルトのとこが茶色い革で凄く気に入ってたの」

「事故にあった日の朝、家を出る時にはつけてた」

脈絡のない話だったけど、大体の内容は理解できた。

⏰:09/11/12 17:27 📱:P906i 🆔:RPC8pAAU


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