死神の約束
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#1 [ゆきな]
私達は死神
翼の折れた死神達
願いが叶うのなら 光を
この身体が消えるほどの光をください
:09/11/03 17:24
:SH001
:rGmrN.4M
#2 [ゆきな]
『疲れた〜…』
今日も“報告書”を手にして飛び回る私。名前は…ルナということにしておく。名前なんてあまり使わないから意味がないのだ。
私が任されている仕事(つまり報告書に関してである)は自殺者の後片付け。事故・病気など色々な分野があるなかで、何故か1番嫌な“自殺”担当になるなんて…やっかいな話だ。
バシッ
「お前今日の分まだだろ」
『いったー…』
私の頭を分厚い紙で叩いたのは事故担当のレイ。憎たらしい奴。まぁでも1番喋るのはこいつかもしれない。
ってそれよりも気になるのはその報告書の分厚さである。
『まさかそれ…』
「そ。お前のだよ。頑張れよな」
手をヒラヒラとさせて飛んでいったレイに憎らしさを感じた。
『ったく多すぎでしょ』
:09/11/03 17:36
:SH001
:rGmrN.4M
#3 [ゆきな]
この紙を受け取る度に…見る度にこの世界は腐っている。と思う。
何て汚い 世界なんだろう。
『駄目だ…』
こんな事を考えても意味がないことは分かっている。やめよう。
私は少し頭を横に振って次の仕事場所へと向かった。
:09/11/03 18:24
:SH001
:rGmrN.4M
#4 [ゆきな]
ここはビルの屋上。たった今一人の男が飛び降りた。
うん。報告書通り…
笹川太一 43歳
死因:飛び降り
原因:リストラ
報告書の内容はこんな感じ。後は顔写真が貼ってある。死んだ人にこんな事思うのはいけないかもしれないが…なんていうか冴えない、いかにも弱そうな人だな。
「えっ…何だこれ」
身体が死んで抜けた“魂”
これを地獄に届けるのが私の仕事。
『えーっと笹川太一さんですね。今から地獄に送るんで』
魂の頭に手をかざすと、消える。
『はぁ…』
:09/11/03 18:40
:SH001
:rGmrN.4M
#5 [ゆきな]
ビュー
『あ…ありえない』
私は強風で飛ばされた紙を見て呆然とした。運が悪い。
「あーあ。ちゃんと拾えよ?」
いつの間にか後ろにいたレイに驚きながらも、
『分かってるわよ』
アスファルトの地面に向かって飛んだ。
:09/11/04 07:09
:SH001
:phpnXEx.
#6 [ゆきな]
地上を行き交う人間達は、白い息を吐きだしながらポケットに手を入れて足早に歩いている。
“寒さ”を感じない私でも今が冬と分かる。
『あーあ…随分散らばったな』
アスファルトに散らばった紙を見て、もうこのまま天界に帰ってしまおうかと思ってしまう。
まぁそんな事できないんだけど。
:09/11/04 20:29
:SH001
:phpnXEx.
#7 [ゆきな]
すり抜けて行く人間を気にせず紙を集めていた私は、呼ぶ“声”に気づくはずがなかった。
『はぁ…これで全部かな』
分厚い紙を持っている自分の手を見てよく頑張ったと褒めてやりたい。
“力”を使えば多分5秒で集まるのだが、なんせ地上での力の使用は禁止なのだ。
:09/11/05 07:35
:SH001
:zxzHSQTI
#8 [ゆきな]
私は寝ない
天界でも寝る人は多いのだが、別にで体に支障はないから寝なくても大丈夫
だから私は眠らない
夜になっても地球は静かにならなくて
そのざわめきが何だか私を安心させる
:09/11/06 18:01
:SH001
:h8SmDiPU
#9 [ゆきな]
「ルナ!」
私と同じ自殺担当のカナが数枚の紙切れを渡してきた
『どうしたのこれ?』
昨日とは明らかに違う報告書の量。例えるなら昨日が国語辞典で…今日がノート、といったところだろうか
「今日人手足りてるからそれだけでいいよ」
『本当?ラッキー』
出来れば昨日と半分ずつにしてほしかった…が過ぎた事は仕方がない
:09/11/06 20:48
:SH001
:h8SmDiPU
#10 [ゆきな]
私の仕事は案の定一時間程度で終わった
『うーん…暇かも』
やることがなさすぎる
まぁそれだけ自殺する人が少ないのだから、良いことなのだけれど。
:09/11/07 22:47
:SH001
:/onOpHjo
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