こちら満腹堂【BL】
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#275 [ひとり]
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「お疲れしたー」

「お疲れー」

今日は皆一斉に店じまい。弘さんがシャッターを下ろし鍵を閉めるのを待つ。

「うし、で、皆今日どうするんだ?」

閉めたシャッターをチェックしながら弘さんが言った。

⏰:10/01/01 22:42 📱:F01B 🆔:C52atI8E


#276 [ひとり]
「津久井は?」

「俺明日一限から入ってるんで」

「俺暇よ」

「あたしも」

「じゃ俺んち?」

「そうするかー根岸は?」

「いや、俺はちょっと」

「そかぁー三田、お前は来るべ?」

⏰:10/01/01 22:43 📱:F01B 🆔:C52atI8E


#277 [ひとり]
弘さんに問い掛けられて、三田さんは一瞬チラッと俺を見た。それから

「今日なんか調子悪りぃから帰るわ」

「また風邪かよ?」

「わかんね、だと不味いからさ」

「だな、んじゃ俺達だけで行きますか」

「あ、俺も途中まで」

そうして弘さん、滝さん、長谷部さん、ノジコさん、それに津久井は、駅の方向に向かって歩き出した。

⏰:10/01/01 22:45 📱:F01B 🆔:C52atI8E


#278 [ひとり]
その後ろ姿が豆粒大になるまで二人で見送ってから

「嘘つきめ」

「そりゃそっちでしょ、いつ具合悪くなったんです」

「うるせー、行くぞ」

駅とは反対の方向に向けて歩き出した。

⏰:10/01/01 22:49 📱:F01B 🆔:C52atI8E


#279 [ひとり]
三月。暦の上では春かもしれないが、まだまだ俄然寒く、防寒対策が欠かせない。

「俺んちにお前が来るのってさ、チャーハン時以来だよな」

すっかりお馴染みになったポジション。自転車を挟んで右に三田さん、左に俺。

⏰:10/01/01 23:01 📱:F01B 🆔:C52atI8E


#280 [ひとり]
「そうでしたかね」

「『そうでしたかね』っておま、白々しいー」

「だって俺的にはチャーハンより告った事のが印象強くて」

「・・あぁ、まぁ、そうね」

横目で盗み観ると、三田さんは視線を宙に泳がせながら、顎髭を指腹でジョリジョリしていた。

⏰:10/01/01 23:12 📱:F01B 🆔:C52atI8E


#281 [ひとり]
この横からのアングル、俺的にかなりベストアングルだったりする。何がいいって、鼻の角度がいい。上向き過ぎず下向き過ぎない、程よい傾斜。本人は脂取り紙三枚半はかたいという自称ギッシュな鼻であるが、こうして見る限りそこまでとは思えない。

惚れた弱みか、未だ冬を主張するこの冷え切った夜気のせいか。男相手にこんな表現は似つかわしくないかもしれないが、横顔の三田さんは綺麗だ。

⏰:10/01/02 00:23 📱:F01B 🆔:Kzhnaq.I


#282 [ひとり]
「何、鼻糞でもそよいでる?」

俺の熱視線に気付いた三田さんだったが、残念。

「あんたのそういうとこ、なんか残念だよね」

「は?どゆ意味」

「三田さんてさ、女子より男子にモテるタイプだよね」

「え、喧嘩売ってんの?」

⏰:10/01/02 00:27 📱:F01B 🆔:Kzhnaq.I


#283 [ひとり]
「そういう喧嘩っぱやい発言とかも、なんか惜しいよね」

「よし、先ずその語尾の『ね』辞めようか、上から物言いな感じが勘に障る」

「だからそうじゃないんだよね」

「次言ったらマヂで俺の昇竜拳が火を噴くかんな」

「可愛いね」

⏰:10/01/02 00:31 📱:F01B 🆔:Kzhnaq.I


#284 [ひとり]
「£#&*@!?!?!?」

拳をグーの形にしたまま固まった三田さん。どうしたんだろ俺、これから三田さんちに二人きりだからって舞い上がり過ぎてるのかな。なんか、スイッチ入った感じする。

落ち着け、別に三田さんは俺を好きな訳じゃない。あんま浮かれて調子こいてると、バッサリいかれそうだし。ビークールだ、ビークール、俺。

⏰:10/01/02 00:37 📱:F01B 🆔:Kzhnaq.I


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