こちら満腹堂【BL】
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#312 [ひとり]
再生停止した画面のようにピタリと止まった動き。俺の視線の先には声の通りの可愛らしい女の子と
「根岸・・・?」
こちらに向かってくる遅番の根岸。
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:10/01/04 13:57 :F01B :5D9948e6
#313 [ひとり]
俺は持ち上げかけていたブラックボードを下に置き直し、咄嗟にその陰に隠れた。
って何やってんだ俺。別に隠れる必要なんてないのに。もう一度陰から顔半分出してみる。いた。遠目で何喋ってっかはわかんねぇけど、ありゃ百パー根岸だ。
てか、腕・・・
「組んでるし」
全身白っぽい服で完全武装した女の子が、根岸の腕に自分の腕を絡めていた。うっわぁ〜・・・
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:10/01/04 13:58 :F01B :5D9948e6
#314 [ひとり]
つまり
「そゆことね」
彼女ができたか。
「なるほど」
納得している間にも、根岸と女の子は着実に店に近付いていた。今物陰からニュッと出て行くのも気不味い。
俺は咄嗟にしゃがんだ体制のまま、店の中まで戻るという妙案を思い付いた。
うっ、この体制結構腰にくんな・・・
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:10/01/04 13:59 :F01B :5D9948e6
#315 [ひとり]
キツいながらもなんとか無事戻れた店の中
「お前何してんの?」
顔を上げるとひろむがいた。
「何その格好、新しい遊び?」
俺のウンチングスタイル歩行法(と、名付けよう)を見たひろむは、怪訝な顔で言う。
「違げぇよ!"家政婦は見た"んだよ!!!!」
怒鳴りながら立ち上がる。あ、やっぱ腰痛って。
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:10/01/04 14:00 :F01B :5D9948e6
#316 [ひとり]
「お前んなバイト始めたん?てかボードどした?」
「ものの例えだお前がやっとけ!!!!」
俺はそれだけ言い捨てて、裏口に煙草を吸いに行った。イライラした。
深くベンチに体を預けて、ゆっくりと煙を肺に送って、貯めて、吐く。どうにか気持ちを鎮めようとして。イライラの意味をわかりたくなくて。俺はただ、吸って、貯めて、吐いた。
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:10/01/04 14:04 :F01B :5D9948e6
#317 [ひとり]
【休憩】
今晩は、ひとりです。
第十七話?だっけ?完結です。二話続けての三田目線です。見ちゃったよ彼、見ちゃったよ。根岸のやつやりますな。女子と三田の二股とは。むふふ、個人的に振り回し振り回される二人ってのが好きです。←聞いなry
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:10/01/04 20:01 :F01B :5D9948e6
#318 [ひとり]
【第十八話/秘伝のタレ】
「──それでね、今日は大学で──と───がマヂウケるから───」
かれこれ一時間、俺は耐え忍んでいる。
「───してイッキとか言ってコールかけ──」
目の前のグロスでギラギラした唇は未だペースを落とす事なく動き続けている。いや、むしろピッチ上がってんじゃなかろうか。
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:10/01/04 23:20 :F01B :5D9948e6
#319 [ひとり]
「───だよ超笑えるっしょ?」
俺の耳はここ数日で目まぐるしい進化を遂げた。ここは敢えてキテレツの効果音と共に紹介したい。ティーティティーティティティティティーティッドン
「鼓膜機能シナクナール」
「は?どしたのゆうちゃん急に」
「・・・・・いや、こっちの話し」
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:10/01/04 23:21 :F01B :5D9948e6
#320 [ひとり]
「何それ、てかどう思う今の話し?」
「あぁ、確かにザクロとイチヂクってキャラ被るよね」
「ちょっと全然聞いてなかったの?信じらんない!!だからね───」
「アキ、明日また聞くから、今日もう帰んな」
俺はとうとう限界が来てこう切り出した。
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:10/01/04 23:22 :F01B :5D9948e6
#321 [ひとり]
「えぇ〜まだいいじゃん!!」
「ダメ、俺明日早番だし」
「ケチ〜」
「ホラ、送るからコート着て」
言って壁に掛けていた白いコートを放ると、渋々といった感じでそれを拾って立ち上がった。
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:10/01/04 23:24 :F01B :5D9948e6
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