こちら満腹堂【BL】
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#461 [ひとり]
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「いや〜久々だったぁ〜」
「俺今回当たりだったわ」
「マヂ?俺は悪かないんだけどイマイチ」
「とか言ってやることはやってるくせに〜」
「やらしー」
ひろむと滝とべぇやんが盛り上がってる。担当した娘のここがよかったあそこがおしかったでもまた指名して行っちゃおうかな云々カンヌン。俺はその輪には入らずに、一人微妙に距離をとって先を歩いた。
「オイ、三田はどうだったんさ?」
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:10/01/19 21:44 :F01B :Dj8enbd2
#462 [ひとり]
話に加わらない俺に小走りで駆け寄ったべぇやんが、肩を組んでくる。
「いや‥なんか俺・・・どうしよう」
気持ちが重たい。これは男としての危機かもしれない。
「なんどした?」
俺の落ち込みように、べぇやんがちょっと心配した声音で問いかけてきた。その後ろから、滝の声が。
「お前まさか、いかずじまいで」
「・・・・・・」
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:10/01/19 21:44 :F01B :Dj8enbd2
#463 [ひとり]
無言のYES。三人の間にどよめきが走った。
「え゙マヂどしたお前」
「まさかのイ〇ポかよ」
「言い出しっぺなのに」
三人のそれぞれ哀れむ声が、余計俺のテンションの下降に勢いをつける。
「だってなんか・・起たなくて・・」
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:10/01/19 21:45 :F01B :Dj8enbd2
#464 [ひとり]
「酒飲み過ぎたんじゃね」
「疲れてたんだよな」
「波って誰にでもあるし」
あの滝まで、俺の失態をフォローしてくる。やめてくれ。益々情けなくなるだけなんだから。
「・・・・うん」
力なく返事をした。そんでさっきのことを思い返した。
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:10/01/19 21:45 :F01B :Dj8enbd2
#465 [ひとり]
ベッドに横になって、おっぱいに集中しようとして、ちょっと揉んだりしてみて、そんで女の子がわざとらしくあはんあはん言って、下をくわえられて、上下上下。
雲行きが怪しくなって、女の子が『あれー?』とか『んー何でだろ』とか言いながら、プロとしてのプライドでどうにかこうに俺のジュニアの機嫌をとろうと奮闘したけど。結局ジュニアは眠り続け、時間がきちまった訳だ。
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:10/01/19 21:46 :F01B :Dj8enbd2
#466 [ひとり]
去る間際、女の子の目が『マヂありえないって』と無言のメッセージを送ってきた。それは酷く白けきった表情で、でもいきすぎの上目遣いより何倍かましな顔に見えた。
てか、そんなん俺が言いたいさ。
「マヂありえないって・・・」
ボソッと零した一言は誰の耳にも届かずに、夜のネオンに吸い込まれた。
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:10/01/20 19:47 :F01B :LKvQxKtw
#467 [ひとり]
ひろむ達は俺を励ますためか、はたまた久々の風俗で浮き足立ってか、よし飲み直しだとか騒いでいる。
横一列に広がって肩を組む。もちろん俺も強制的に参加させられ、ひろむに肩をがっしり掴まれて逃げられない。
すれ違う人は皆他人に無関心そうで、幅をとって闊歩する俺達に特に迷惑がる様子もなく、前から後ろへ通過通過通過。
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:10/01/20 19:54 :F01B :LKvQxKtw
#468 [ひとり]
困ったことに母校の校歌をアカペラしだしたアホチントリオ。マヂでおやじくさいからやめて欲しい。
肩まで組まれて言い逃れなんてムリなんだろうけど、俺は関係なさげな顔で、歩き去る一人一人をぼんやり眺めていた。
こうしてすれ違うだけの人達にももちろんそれぞれの環境があって、立場があって、家族や恋人や仲間があって、悩みがあって。
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:10/01/20 19:59 :F01B :LKvQxKtw
#469 [ひとり]
でもそれはこうしてすれ違っただけじゃ当然わからないことだし、相手だって俺が事を成せなかったってゆう残念な事実も、俺のやるせなさもわかりっこない。
皆、どっから来て、どこに帰るんだろう。家に家族がまってるのかな。可愛いペットがいるのかな。それとも恋人がいて・・・・
根岸も今頃、彼女と同じ布団にくるまって、あのデカい手で頭とか撫でてるのかな。
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:10/01/20 20:06 :F01B :LKvQxKtw
#470 [ひとり]
あのちょっと見キツい目を緩ませて、見つめ合ったりしてるのかな。それから抱き合って・・・・
「ギャッ!!!!!」
「なんだよ三田、トカゲが潰れたみたいな声出して」
「トカゲって声でんの?」
「知んね、イメージだよ」
「ぐえ、想像しちゃった」
想像しちゃった。
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:10/01/20 20:12 :F01B :LKvQxKtw
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