こちら満腹堂【BL】
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#636 [ひとり]
タバコの話からなんでテメェーの硬派ぶりのプレゼンにシフトしたのか。まぁ一途か一途じゃないかと言われれば

「一途・・かもね」

「なんすか『かもね』って、全然可愛くないんだけど」

「かっ!別にそんなん狙ってねぇよ!!」

「かもねはなしです、一途か、違うか、一か百しかないんです」

なんだよそれ、完全なお前ルールじゃねぇか。もしかしてコイツ、また酔ってやがんな。

⏰:10/04/11 20:43 📱:F01B 🆔:6Q6imcXo


#637 [ひとり]
「お前、めんどくさいのな」

「・・・・傷つきました」

「はいはい」

「俺の心を傷つけた上に、答えまではぐらかすんですか」

「んなつもりねぇけどさぁ・・」

面白いから意地悪してみた。めんどくさいのは本当だけど、酔った根岸は可愛くもある。気分がよくて手元の缶ビールを口に含んだ。

「わかりました、じゃ、チューしますよ」

「ぶっ!!!」

「あーあー、何やってるんすか、まだ気管につまるような年でもないでしょう」

呆れ口調でツッコミつつ、緩慢な動作で箱ティッシュを手繰り寄せた根岸が俺の吹いたビールを始末してくれる。

て、違げぇだろ。

⏰:10/04/11 20:51 📱:F01B 🆔:6Q6imcXo


#638 [ひとり]
今の俺悪くねぇし!!完全に根岸が悪いだろ!!!!何だろねこの子はいきなり『チュー』なんて破廉恥な!!!バカじゃねーの!!?バーカーバーカー!!!!!!

「げほっ、ごほっ、うぇ、ごふっ」

本当は言ってやりたいその台詞達は、咽せ返って次々でる咳に邪魔されて、頭の中を駆け巡るだけ駆け巡っただけだった。

根岸が、優しく背中をさすってくる。自分が起因であるくせに、第三者面で心配顔だ。何だよチクショー!!

⏰:10/04/11 21:00 📱:F01B 🆔:6Q6imcXo


#639 [ひとり]
そこではたと気付いたんだが、酔ってつっかかる根岸を面白がっていた俺だけど、今のこの状況は完全に逆転しているんじゃあないか。酔った根岸の気まま発言に動揺して咽せるだなんて。

よくよく見れば心配面を貼り付けた顔の中で、口元。左の口角だけが微妙に上がっていた。

「からかったな」

それを見過ごさなかった俺は、咳でまだ整わない息のまま言ってやった。

「わかりました?」

とろんと虚ろな目をして、『わかりました?』と来たもんだ!!!!!

⏰:10/04/11 21:07 📱:F01B 🆔:6Q6imcXo


#640 [ひとり]
「俺が店長だってことを忘れんなよ、あんま調子こいて嘘ぶいてっと減給すんぞコノヤロー」

「別に嘘ぶいちゃいないですよ」

「は?」

飄々と答えた根岸は凄げぇ自然に俺の片腕を掴むと、『よっ』と言って立ち上がった。

「おい、ちょっと」

腕を拘束されている俺は、相手が立ったら必然的に立ち上がらないと体制が苦しい。

訳も分からず立ち上がった俺の腕は、まだ根岸に掴まれたままで、俺が立ったと確認した根岸はそのまま俺を引っ張って廊下へと連れ出した。

え、何で?

⏰:10/04/11 21:15 📱:F01B 🆔:6Q6imcXo


#641 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:10/04/12 16:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#642 [◆S2mRWfM3VE]
>>400-700

⏰:10/04/14 21:18 📱:SH705i 🆔:y1p8TQvo


#643 [ひとり]
───
────

「・・・・・」

無言で腕をひかれて、大人しく付いて来てしまった先は便所だった・・・・連れしょん?な訳ないか。

「なぁ根岸」

「はい」

「狭い」

「そうですね」

『そうですね』、じゃねぇよ。何が嬉しくて大の大人が二人仲良く同じ便所に入らなきゃならないんだ。

⏰:10/04/18 06:53 📱:F01B 🆔:Kn5n1jUU


#644 [ひとり]
「『なんでこんな所連れてきたんだ』って思ってるんでしょ」

根岸はお見通しだと謂わんばかりに目を細めてこちらを伺ってくる。その表情から、完全にこの状況を楽しんでいやがるんだと容易く知れる。

「当たり前だ、用足したいなら一人でしろよ」

「んな訳ないでしょ、三田さん、俺が嘯いてるとか謂うから」

「だから何だよ」

ただでさえ密着してる狭いこの空間で、根岸は故意にその距離を縮めて来た。

俺は無意識に後ずさる。が、すぐ膝裏に便座が当たって、これ以上の退路はないぞと主張してくる。

⏰:10/04/18 07:06 📱:F01B 🆔:Kn5n1jUU


#645 [ひとり]
「お前ねぇ」

俺は溜め息をついて言った。

「こんなとこ誰かに見られでもしたらどうするよ」

そうだ。俺はそれが気が気じゃなかった。まだ誰にも謂ってない俺達の関係を、もしこんな形で知られることになんかなったら。考えただけで白眼むきそうだ。

俺の言葉を聞いて相変わらずフォンデュなみにとろんとした眼で何事か考えたらしい根岸は

「・・・・待ってて」

そう謂って一人便所から出て行った。

⏰:10/04/18 07:16 📱:F01B 🆔:Kn5n1jUU


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