こちら満腹堂【BL】
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#823 [ひとり]
そしてまた。



『らっしゃーせー!』


津久井の声に反応して、表に行こうとしてるし。


『はいはい、ストップストップ』


いい加減に目障りだ。行ったり来たり、気が散って仕方ない。

丁度俺の横で、豆腐サラダの仕上げにかかっていた三田さんの、肩を掴んで動きを制した。

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⏰:12/09/16 12:54 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#824 [ひとり]
『ん?何だよ?』


「なんだよ」はこっちの台詞だ。


『何をそんなにソワソワしてるんですか、友達でも来るんですか』


すると、何故か三田さんは狼狽えだした。


『と、と、友達、うん、友達・・・かなー』


なんだ。「かなー」って。

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⏰:12/09/16 13:07 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#825 [ひとり]
で、またフロアに行くし。駆け足だし。





その日は、終始そんな感じで落ち着きがない三田さんを、横目でチラチラ見ながら1日が終わった。



客引きよく、レジ金の差異もなし。
腕の時計に目をやれば、時間はまだ11時半を少し過ぎたところ。


こんな日にはきっとまた・・・

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⏰:12/09/16 13:19 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#826 [ひとり]
『姐さんが言うことは〜?』


突然、声を張った滝さん。


『『『ぜった〜い!!!!』』』


それに続くオーディエンス。
やっぱり、そうなるんだ。


『では!』

『いざ参らん!』

『長谷部城へ!!!』


長谷部城とは。なんとも守りの緩そうな名前だ。

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⏰:12/09/16 13:24 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#827 [ひとり]
肩を組んだ滝さんとノジコさんを先頭にして、店をでる一向。


もちろん参加するんだろうと、三田さんを探すと、一人店の隅。何か紙切れのようなものを凝視している。

真一文字に結んだ口元。


『三田さん』


入口のドアを開いて声をかける。が、返答がない。電池が切れたかの様に、微動だにしない。


『三田さん!』


『・・・へっ!?ん!?!?何だ、どした!?!?』


『早く、皆外で待ってますよ』


『あぁ・・おうよ』


「悪りぃ悪りぃ」と言いながら、チンタラとこちらに向かって歩いてくる三田さん。

本当に、今日は変だ。

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⏰:12/09/16 22:19 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#828 [ひとり]
俺が出勤して間もなくはこんな調子じゃなかった筈だ。


いつからだろうか。どの辺りから様子が・・・




───────ブラックボード


そうだ、仕舞いに行くと出ていって、いやに戻りが遅くて、それで────────


あの時、何かあったんだ。俺は直感した。

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⏰:12/09/16 22:27 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#829 [ひとり]
丁度、ドアを開いて待つ俺を、横切ろうとした三田さん。まるっきり、心ここにあらず。といった風だ。


はぁ、と溜め息をついて、自分の足元に視線を落とした。




『ちょっと、早く出てくださいってば、閉めますから』


落とした視界の隅に、中途半端に立ち止まった三田さんの足を捉えて。

言いながら、顔を上げた俺の目の前の三田さんは、さっきまでの脱け殻のような様から一転。何故かバッキバキに目玉(メンタマ)をひんむいていた。


戦慄く口元。

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⏰:12/09/16 22:48 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#830 [ひとり]
『す・・・・す・・・・・』


『す?』



必死になって、何事か言おうとする、その人の視線を辿れば。






鼻を掠める、仄かな香り。




真っ暗な夜に、パン、とそこだけスポットライトを当てたような。


世界が一気に華やいだ感覚。




三田さんは、振り絞るように。







『すみれ───────!』

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⏰:12/09/16 22:50 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#831 [ひとり]
【休憩】


こんばんは。わんばんこ。ひとりです。


第三十六話、完結いたしました。
遂に現れた!彼女の名はすみれ!!!
名前からして儚げ!女子力はカンストッッ!ってかんじです ( ゚∀゚)・∵.グハッ


あーあーどうなんだーどうすんだー。
ひとりにも収集がつかない予感がムンムンです ( ゚∀゚)HA-HA-HA

⏰:12/09/16 23:04 📱:Android 🆔:8K9twFOI


#832 [ひとり]
【第三十七話/二次会の相談はよそでしてくれ】



これって、夢?それとも、幻?



グイッ



『痛デデデデデッッツ!?!!!?───ってぇなァァア!!!!』


突然の頬の痛みに、「何すんだコノヤロー」と身をよじる。いつの間にか横にいた滝が、俺の頬肉をねじりあげていた。


『いや、夢かなんかかと思って・・・』


信じられないといった表情(カオ)で、一点を見つめる。なら、自分の頬をつねればいいだろ。加減がないんだよ、このバカ。


頬のピリピリした痛みを、掌でゴシゴシと擦って紛らせる。





やっぱ──────
本物だもんなぁ──────



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⏰:12/09/17 10:31 📱:Android 🆔:l7CvryUY


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