こちら満腹堂【BL】
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#107 [ひとり]
なんか、弘さんに三田さんを取られたみたいな感覚。上手く言えないけど。
「ひろむも俺の事舐めてんだろ!!」
「舐めてねって」
「ひろむ」って呼ぶ三田さんの声が特別な感じがするのも、
ムカつく。
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:09/12/12 19:28 :F01B :ql9Mw/7E
#108 [ひとり]
嫉妬、疎外感、喪失感、また嫉妬。
気分が悪い。
「もういっすか?俺あがるんで」
早口で言ってバックルームへ向かった。うぜぇ。
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:09/12/12 19:32 :F01B :ql9Mw/7E
#109 [ひとり]
何がうぜぇかって、こんな気持ちになってる俺自身が一番うぜぇ。
23にもなって、自分の気持ちもコントロールできないなんて。
バックルームのロッカーにゴツと額を打ち付けた。
「カッコ悪・・・・」
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:09/12/12 19:35 :F01B :ql9Mw/7E
#110 [ひとり]
───
─────
着替えを済ませてホールに出ると、既に二人の姿はなかった。
「鍵・・・・」
しまった、俺は今日鍵を持っていない。閉めらんねぇじゃん。
今日鍵持ってんのは──
キッチンの当番ボードに「鍵」のマグネットが張ってあるスタッフを探すと「三田」「長谷部」とあった。
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:09/12/12 19:42 :F01B :ql9Mw/7E
#111 [ひとり]
三田さんは気まずいから、長谷部さんに電話する事にする。
ケータイの履歴から、長谷部さんに発信。「呼び出し中」の表示画面をぼんやり見下ろしていると
「おいまだかよー」
声がして、店内に冷気と外の匂いが滑り込んできた。
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:09/12/12 19:47 :F01B :ql9Mw/7E
#112 [ひとり]
「帰ってなかったんすね」
ケータイ片手に言う俺を
「当たり前だべ、お前鍵ねぇじゃんか」
不機嫌そうに睨む三田さんの顔は、鼻から下がグルグル巻きのマフラーに隠れて見えない。
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:09/12/12 19:52 :F01B :ql9Mw/7E
#113 [ひとり]
「いいから早よ外でれ」
言われてケータイの液晶に目をやると画面はまだ呼び出し中。俺は素早くそれを切って、三田さんの開放ったドアに向かった。
─────
外には、まばらな人影。
「お前今日チャリは?」
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:09/12/12 20:06 :F01B :ql9Mw/7E
#114 [ひとり]
「今日雨だったんで」
「したら今日電車?」
「はい」
「ふーん・・・」
さっきの興奮が嘘のような普通の会話。こりゃ弘さんにお灸を据えられたに違いない。
弘さんの言うことを、大概最後は素直に飲み込むっていう三田さんのパターンを知っている俺は、また少しモヤっとした気持ちになる。
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:09/12/12 20:12 :F01B :ql9Mw/7E
#115 [ひとり]
「したらさぁ、送ってやろっか」
「え?」
突然の申し出だった。
三田さんちは、店からも近い。
「送ってやるよ、バイクあるし」
「・・・ありがとうございます」
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:09/12/12 20:16 :F01B :ql9Mw/7E
#116 [ひとり]
「うん。てか腹へらね?」
本当にこの人の会話の展開は唐突だ。
「腹ですか、まぁボチボチっすかね」
「うん、じゃ作ってよ」
「はい?」
なにが「うん」なのか、てかなんで俺が飯を?三田さんに?
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:09/12/12 20:20 :F01B :ql9Mw/7E
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