こちら満腹堂【BL】
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#157 [ひとり]
「泊まんのかよ!!!!!」
とは流石に突っ込めない俺は、一セットしかない自分ちの布団を恨んだ。「お客様用」の備えをしておかなかった自分を恨んだ。
ほいで、すっぽり布団に収まった根岸の横に正座して、どうしたもんかと悩んでいた。
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:09/12/16 12:31 :F01B :8bhMJjwU
#158 [ひとり]
実際今は十二月だし、マヂ寒みぃし。普段の俺なら布団よこせぐらいの事は言っていたと思う。ついでに無理やりもぐりこむぐらいしたと思う。
でも今それをやるにはあまりにも
「リスク高けってマヂ」
すっかり酔いも覚めたし、心臓バクついて当分寝れそうにないから、根岸が寝付いたら横からそっと潜り込もうか。
いや布団なしで寝るのだけはごめんだかんね。俺の風邪に対する免疫の弱さなめんなよ?生後1ヶ月の赤ん坊くらいの弱さと思ってくれたらいいから、うん。
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:09/12/16 12:33 :F01B :8bhMJjwU
#159 [ひとり]
とかぐだぐだ考えていたら、こっちに背を向けてた根岸が反転したので、何気なく後頭部に視線を当てていた俺は目が合ってしまった。
「ねぇ」
「な・・んでしょうか」
「寝ないんすか?」
「あ、はい。僕まだ眠たくないんで、お構いなく」
「何で敬語なんだよ」
「え、あ、はい」
「答えになってねぇし」
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:09/12/16 12:35 :F01B :8bhMJjwU
#160 [ひとり]
「いいからお前は早く寝てくれ!!!!!」
とはやっぱり言えずに、口ごもるしかない。だってしょうがねぇだろ。いきなり後輩の、しかも野郎が告ってきたらおじさんだって動揺ぐらいするさ。つぅか何で告っといてコイツこんなシレッとしてんだよ。
「三田さん、布団冷たい」
「あ?」
何で俺ばっか狼狽えてんだと考えていたら、何を言われたのか聞き逃した。
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:09/12/16 12:37 :F01B :8bhMJjwU
#161 [ひとり]
「冷たいってば」
不機嫌そうな声と同時に布団から伸びたでかい手。避けるにはあまりに急過ぎて、まんまと掴まれた二の腕。引き寄せられて。
「やめろ酔っ払い!!!」
がなったところで、そこは既に根岸の懐の中だった。
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:09/12/16 12:39 :F01B :8bhMJjwU
#162 [ひとり]
酒臭い。根岸は顔にでないタイプだけど、実は相当に酔っているらしい。その証拠に逃れようとして手を当てた根岸の胸は早鐘を打っている。普段生意気なその目でさえ、今はやや虚ろに潤んでる。
「温ったかいね」
「タメ口きくんじゃないよお前は」
「・・・・温ったかい」
「話しを聞け」
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:09/12/16 12:40 :F01B :8bhMJjwU
#163 [ひとり]
つうかコイツ、悪酔いしただけなんじゃね?フッと浮かんだ考え。そうだよ、酔ってるだけだって。じゃなきゃおっさんの俺に告るとか、キチガイな事する訳ないって。なんだよそうかよそうだよマヂビビらせんなよコノヤロー。
納得したら、同時に眠気もやってきたみたいだ。
根岸じゃないけど、確かに温ったかい。ま、ちょっと骨ばった感触はいなめないけど。
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:09/12/16 12:42 :F01B :8bhMJjwU
#164 [ひとり]
でもこんな風に誰かに守られるようにして寝るのなんていつぶりだろ?まだガキんちょで、お袋と一緒に寝てた時以来じゃね?
彼女がいた時だって、こんな風にされた事はなかったな。ホラ俺、女の前だとカッコつけちゃうし。
・・・・なんか、変な感じ。
「おやすみ、三田さん」
しょうがねぇから、お前の悪酔いにも目ぇ瞑ってやるよ。そんで
「おやすみ根岸」
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:09/12/16 12:44 :F01B :8bhMJjwU
#165 [ひとり]
【休憩】
こんにちは、ひとりです。
第八話完結です。今回はまた三田目線にしてみましたが、いかがでしたでしょうか?
彼全然理解してませんね。根岸の決死の告白は、どうやら三田の中で「悪酔い」って事になったらしいです。ドンマイ!!!!
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:09/12/16 12:49 :F01B :8bhMJjwU
#166 [ひとり]
【第九話/こちら熱くなっておりますのでお気をつけ下さい】
朝、目覚めると見慣れない天井があった。背に馴れたスプリングの感触はなく、もっと硬質でダイレクトな当たり。
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:09/12/18 21:40 :F01B :KCoLFDYA
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