こちら満腹堂【BL】
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#239 [ひとり]
気持ちを否定されてショックだった。でも間が空いて冷静になれた・・・・・気でいた。なのに
「やっぱうぜ」
可愛さ余ってなんとやら。視界の隅にチラつく三田さんに苛立つ。その事で、思ってる以上に自分が傷ついてるんだと知らされた。
「俺ってナイーブ」
「何ブツクサ言って、気味悪いよ」
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:09/12/28 15:52 :F01B :rkwSdkYA
#240 [ひとり]
振り返ると、俺と同じ遅番出勤の津久井がいた。
「あけおめ」
「おめ」
気心の知れてる者同士であればある程、形式ばった挨拶は照れ臭い。
「で、なに根岸って独り言キャラだっけか?」
「いやまぁ、色々とあったんだわ」
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:09/12/28 15:53 :F01B :rkwSdkYA
#241 [ひとり]
「例のあの子?」
「まぁ」
「まだ避けられてんの?」
「いや、逆」
「逆って・・避けてんの?」
「うん」
「『うん』って、何やってんの君達は」
「何やってんだろうね」
「俺が聞いてるんだけど」
「自分でもよくわかんね」
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:09/12/28 15:53 :F01B :rkwSdkYA
#242 [ひとり]
「返事まだ貰ってないってこと?」
「貰うもなにも、否定されたし」
「・・・・・何それ」
「俺が酔って言った冗談だって、なかった事みたいにされてた」
「うわ〜・・・んでどしたん」
「んなのもっ回告るに決まってんじゃん」
「なのにまた答えは貰えなかったのかよ」
「うん、俺逃げたしね」
「はぁ?」
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:09/12/28 15:54 :F01B :rkwSdkYA
#243 [ひとり]
「だってムカつくじゃん、せっかく勇気だして告ったのに、その気持ち否定されるとか」
「一応聞くけどさ、二回目ん時何て告ったん?」
「カッとなってよく覚えてないけど、好きだっつってんだろ的な・・・・あ、あとムカつくとか・・うぜぇって言ったかも」
それを聞いて津久井は顔をしかめた。
「最悪・・・・それ告ったんじゃなくて怒ったんじゃん」
「怒らせたのはあっちだし」
「同じ事だよ」
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:09/12/28 15:55 :F01B :rkwSdkYA
#244 [ひとり]
「・・・・・・・」
そのまま中途半端に会話が途切れたロッカールームは静まりかえる。俺と津久井が立てる、布の擦れる音だけ。
着替えが済んだ俺が先に出ようとすると、まだボタンを留めてる途中の津久井が口を開いた。
「とにかくさ、いい加減楽になったら?」
「・・ありがと」
「おう」
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:09/12/28 15:55 :F01B :rkwSdkYA
#245 [ひとり]
そうだ、いい加減楽になりたい。否定する程ありえないってんなら、それはもう絶望的なんだろうが、それでも俺は三田さんの口からちゃんと聞きたいんだ。ちゃんと、振ってほしい。
俺は決心して、厨房で寸胴を掻き回す三田さんの背中に話しかけた。
「三田さん」
「ん?うおっっっ!!!!びっくしたぁー!!!!」
振り向いた先にあったのが俺の顔だったのがいけないらしい。
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:09/12/28 16:02 :F01B :rkwSdkYA
#246 [ひとり]
「断りなく俺の後ろに立つんじゃねーよ!!」
「ゴルゴ13かよ、とかツッコんだほがいいですか」
「いや・・・いいです」
「そうすか」
一瞬俺達の間に気まずい沈黙が流れたけど、そんなん周りは気付かない。
「実は」
『今日残って下さい』って言おうとしたら
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:09/12/28 16:08 :F01B :rkwSdkYA
#247 [ひとり]
「根岸悪いけど今日話しあっから残って」
思いがけない一言に俺の言葉は阻まれた。
「あ、はい」
「後ついでにお前コレ変わって!!!」
「そんなドサクサ紛れに言ってもダメですよ、今日三田さんの当番でしょ」
「いいだろケチ!!これ疲れるから嫌いなんだよ、筋肉つきそうだし」
「女子かって」
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:09/12/28 16:15 :F01B :rkwSdkYA
#248 [ひとり]
「髪に匂いついちゃうし〜」
「・・・・・・・」
「おいぃぃぃ!!!!!ツッコミ面倒くさがんないの!!!!そこは被せるでしょ!?基本でしょ!?!?」
「あ、俺テーブル拭いてきます」
「俺が滑ったちゃんみたあになってんですけどぉぉぉ!!!!ちょっとぉぉぉぉ!!!!!」
とにかく、ようやく答えがもらえそうだ。
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:09/12/28 16:20 :F01B :rkwSdkYA
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